シナトラと猫(改訂版) 公演情報 MCR「シナトラと猫(改訂版)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    思いっきり笑えました~♪
    MCRは作・演出の桜井智也さんのギャグが個人的にとってもツボ!MCRというと「笑える!」という期待を胸に劇場に伺います。そして今回もまたその期待を裏切られることはありませんでした。これでもか、これでもかと細かく笑いの種がまかれ、気持ちよく刈り取られていきます。豊作っ!

    今回は3本それぞれの主役が生まれて死ぬまでを描いているそうですが、私が拝見したのは奔放な母親を持った三姉妹の次女「椎名」(黒岩三佳)が主役。「虎雄」「猫」も椎名の人生に少なからず関わる人物(猫)として登場するので、彼らが主役のバージョンも観たくなります。

    特徴的な個性を持つ登場人物たちが、それぞれにちゃんと自己主張をして存在しているので、おのずと人と人との関係性が現れてくるんですよね。作品全体の印象としては一見コント風ですが、人間関係もしっかり描かれているから、物語の中までぐっと入り込んで楽しめるのだと思います。

    ネタバレBOX

    衣裳の上半身は白Tシャツで統一(一部例外あり)されており、胸には役名、背中には身分(続柄・職業)が大きな黒字で貼り付けられています。登場人物がどこの誰なのかが一目瞭然というわけです。“わかりやすさ”もここまで来るとただの説明ではなく、演出のひとつとして受け止められます。

    ただ、劇場空間全体の演出についてはもうちょっと工夫が欲しいなと思いました。例えば場面転換時の暗転や音楽の使い方は非常にスタンダードなやり方で、観客にとってはただ次のシーンが始まるのを待つだけの時間になっているのがもったいない気がしました。

    ポスト・パフォーマンス・トークで桜井さんご自身がおっしゃっていたのですが、美術は舞台美術のスタッフさんにまかせているので、小屋入りしてからしかその実体がわからないとか(笑)。長年一緒に仕事をされてきたスタッフさんだからこそ、そこまでの信頼をおかれているかもしれませんが、美術についても演出面での物足りなさを感じました。

    椎名は若くして不治の病に倒れますが、ずっと椎名を想ってきた幼なじみの江見(江見昭嘉)と結婚することになります。病室のシーンでは、できればもっと生々しい喜びや切なさを感じ取りたかったですね。私が拝見したのは初日でしたので、きっとその後はより深みのあるシーンになっていたことと思います。

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    2008/03/17 13:24

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