満足度★★★★
真実を求めて
文学座本公演。
Twitterなどで異様に評判が高かった。
岡本太郎の母・岡本かの子の波瀾万丈な生涯を描いた、新時代の『女の一生』な印象を受けた。
良い本だなー、と。
『ガラスの動物園』じゃん!みたいな感想も見て、
「なるほどたしかに。」
と思う節はあるけど、良いもんはどんどん盗めばいいと思う。
随所に岡本かの子の詠んだ唄が散りばめられている構成が好みでした。
結婚していながら、愛人を家に住まわせてしまうトンデモ女・岡本かの子が、
「真実の芸術・真実の生活」
を、取りつかれたように追求し続ける姿が台本の随所にあり、迫力があった。
かの子を演じたのは吉野実紗。
迫力とパワーはあったが、もっと繊細な部分も観たいよー、と。
ただの嫌な女に見えちゃもったいない本ですな。
かの子を支える男たちは実に愉快で気持ちの良い人ばかり。
大場泰正・粟野史浩が演じる男が、すごく良かった。
大場さんのファンになるくらい、あの医者、好き。
全体がドタバターとなるシーンが多く、楽しんで観られました。
女性陣では、完全に贔屓目ですが、我らが同期・増岡裕子の安定感。
しかし、やっぱ休憩挟んで3時間は長いかなー。
この芝居が文学座の新たな財産となるのかどうか、楽しみです。