ミリオンダラー・カルテット 公演情報 TBS「ミリオンダラー・カルテット」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    5人目の主役
    ロックンロール黎明期のある一晩を描いた作品で、タイトル通りに、当時あるいはその後のスターの4人の演奏が中心となっていますが、その4人を発掘したプロデューサーにも焦点が当てられていて、ただの再現ライブではなく、ドラマ性が強く感じられました。
    この人達の曲は数曲しか知らなかったのですが、迫力のある演奏と切ない物語に引き込まれ、とても楽しめました。

    いかにもアメリカ的なジョークを含んだ開演前のアナウンスの後に始まる前半は、スタジオに訪れるミュージシャンのセッションが続き、ミュージカルというよりコンサート的な内容ですが、後半になると若き才能を見つけたのに彼らが大手レコード会社に引き抜かれて取り残されるプロデューサーのサム・フィリップスの悲哀が浮かび上がってきて、心を打たれました。
    4人の演奏中はサム・フィリップスは奥のコントロール・ルームに入っていて窓越しにしか見えないのですが、踊ったりしながら演奏を楽しそうに聴いている姿が印象的で、後半の切なさが引き立っていました。
    物語自体は寂しげにあっさりと終わるのですが、その後に続くアンコール的なシーンでの客席を含めた盛り上がり方が爽快でした。

    物語の中で実際に歌うシーンでのみ歌い、楽器演奏も全てステージ上の役者によって行われるという、ある意味ストレートプレイ的なリアリズムに沿って進行するので、普通のミュージカルのような盛り上がった所で急に歌い出す形式が苦手な人でも、違和感を持たずに楽しめると思いました。

    4人のスターを演じた役者達は、演技も歌も楽器の演奏も素晴らしく、ブロードウェイの役者の層の厚さを感じました。特にジェリー・リー・ルイス役を演じたリーヴァイ・クライスさんは激しいピアノ演奏とコミカルな演技が際立っていて、流石この作品でトニー賞助演男優賞を受賞しただけあると思いました。

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    2012/09/16 08:53

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