満足度★★★★
日本のレベル 自らの立ち位置
アイロニカルで面白い。あちこちでボトムアップでは無い代表の連中の話を聞かざるを得ないようなことも経験してきたが、実際、レベルは、この作品に描かれている代表と同等もしくは低い連中が多い。建前社会のこの国で、「代表」なるものが、3つの看板をしょっているに過ぎない能無しであることは、誰にでも分かる道理だろう。
シチズンシップを持たない人々が、このような「代表」を居座らせることに一役買っていることも、また。
従って、北京蝶々が、このシナリオをこのような形で演じたことの意味を、観客は自らの立ち位置の問題として考える必要があろう。我々、故郷喪失者への問いかけでもあるであろうから。その上で、論じるべき主題であり、テーゼであるという具合にラスト部分を解釈すると、活きる作品と見た。