シンベリン 公演情報 彩の国さいたま芸術劇場「シンベリン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    明らかにイギリス公演を意識しているな、という印象
    でも、面白いのだからしょうがない。
    「しょうがない」ってことはないか(笑)。

    ネタバレBOX

    こういう言い方はどうかとも思うが、まるで、「蜷川幸雄が蜷川幸雄をコピーしたような作品」に見えてしまった。

    例えば、オープニングが楽屋で始まり、役者たちが談笑をしつつ衣装などを整えるところからスタートする。これの前の『ハムレット』がまさにそう。
    そして、大型の装置を登場させたり、左右に動かしたりというのは、これより後になるが、『海辺のカフカ』がそうであった。
    さらにスローモーションで動いたり、舞台の向こうに去っていく感じなどだ。
    そんなお馴染みの演出が登場する。

    また、イタリアの表現するのに、敢えて源氏物語絵巻を配してみたり、衣装を着物風にしてみたり、音楽に琵琶を使っていたりと、なんだかこの後に控えているイギリス公演を意識しているようにも思えてならない。

    とは言え、つまらないか? と問われれば、そんなことはなく、とても面白いのである。

    なにより配役が素晴らしい。
    ポステュマスを演じた阿部寛さんは、真っ直ぐで、お堅い感じがぴったりだし、イノジェンを演じた大竹しのぶさんの年齢を感じさせない若い女性になり切った演技がすばらしく、さらにローマ人のヤーキモー役の窪塚洋介さんの柔らかくて女性を誘惑しそうな感じもはまっていた。クロートン役の勝村政信さんのコミカルさもさすが。

    この時期においての、ラストの一本杉の登場までも、どちらかというと海外に向けてのメッセージでもあるし(国内では、アイコンとしては、使われすぎている印象なので)、そのアイコンとしてのチョイスは、蜷川さんっぽいな、と感じた。

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    2012/08/27 07:17

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