満足度★★★★
実力あり
飲食物も本物を使うなど、演劇的にはちょっと珍しい、本物・リアリティーに対する拘りが見られることからも分かるように、シナリオ構成、演技、演出についてもかなりリアルな作りだ。また、女性作家の作・演出ということもあるのだろうが、小物や花のあしらいにもセンスの良さを感じさせる。このことが近頃は珍しい一歩引いた女性像に、リアルな空気を纏わせている。メインプロットでは、男女関係に在りがちな浮気と嫉妬を中心に展開し無理が無い。またこのメインプロットにサブプロットを上手に配置して飽きさせない所など見事である。在り得べき男女の機微を描いて堅実な作品に仕上がっている。