満足度★★★★★
難易度
芝居屋の作品は、人々の日常を描き続ける。こう言うと「なあんだ」という声が聞こえてきそうである。日常生活なら芝居にする必要ないじゃん、という反応だ。芝居を見ることに非日常を求める観客は多かろう。無論、それはそれで一理ある。然し、だからこそ日常を舞台に掛けるとなれば、極めて高度な技術が必要なのだ。脚本の良さは勿論だが、舞台装置(大道具・小道具)、照明、音響、効果、リアリティー、くすぐりや笑い、深刻さ、それとなく引き込む非日常性、これら総てをトータルな視点で関係づけ、統一する演出、そしてその成果を具体化する俳優陣の演技。更に、演出は、役者相互の人間関係がちゃんと劇的に機能し良好であるように気を配らなければならない。
以上のことは、無論、悲劇や喜劇にも通じることではある。然し、日常的な生活を描きながら、誰の人生にも訪れ、而も、普段は殆ど意識されていないか、押さえつけられて意識されないような本質や人生の機微を表現することは、至難の業である。今回、芝居屋は、この至難の業を見事やってのけた。誰の胸にもある思春期の戸惑いや不器用、デリカシーと挫折、憧れと現実などを巧みな状況設定で見事に舞台化して見せた。心に届くメッセージを受け取れる公演である。
2012/05/25 10:39
そして
お褒めの言葉
ありがとうございます。
まだ残りの公演もありますので
慢心することなく
頑張りたいと思います。
これからも
ご支援の程、よろしくお願いいたします。