負傷者16人 -SIXTEEN WOUNDED- 公演情報 新国立劇場「負傷者16人 -SIXTEEN WOUNDED-」の観たい!クチコミとコメント

  • 期待度♪♪♪♪♪

    パレスチナ
     ハンダラは、パレスチナ人漫画家、ナジ・アル・アリーによって1969年に発表されたキャラクターだ。彼がパレスチナをイスラエルによって追い出された年齢と同じ10歳。永遠の少年である。1973年以来、ハンダラがいつも後ろ姿しか見せないのは、自分の故郷、パレスチナを見ているからであり、そこで、今何が起こっているかを見続けているからである。その手は後ろで重ねられ、恰も、手錠をかけられているかのようである。而も、それを振りほどかないのは、彼の意志である。不屈の意志なのだ。
     日本人の多くは、アメリカやイスラエルのプロパガンダや偽情報を信じ込んでいるが、実際、歴史的パレスチナで起こっていることは、アメリカやイスラエルの主張とは大いに異なる。そこでは、露骨な占領が続いているのであり、正義も法の公正も無視され続けているのが、実態である。実際、イスラエルによるパレスチナ人所有の土地奪取は、どのような政体下でも許されざる犯罪である。それにも関らず、イスラエルはパレスチナ人の土地、生きる権利、水、生産物を簒奪、収奪し続けているのが、実態だ。而も、それを批判する勢力に対しては、たとえユダヤ人であっても様々な制裁を加えているのである。
     因みに、アリーは、1987年モサドのエージェントにロンドンで暗殺されている。理由は、イスラエルの不正を問い続ける漫画を書き続けたからである。イスラエルとはこういう国だ。
     こんなことを考える自分にとって、果たして、この作品はどう映るのか。みものだ。そういえば「戦場でワルツを」では、イスラエルの立場が正当化されるような表現になっていたな。本当のことをドキュメンタリーで追ったならば、反対の結論、つまりサブラ、シャティーラの難民たちは、テロリストではなかった、ということが証明されてしまうからな。その為の仕掛けとしてアニメーションが用いられていたわけだ。臭い演出、否、腐りきった演出であった。
     ということもあるだけに、確認しておきたいのだ。

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    2012/05/09 02:55

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