夏の夜の貘 公演情報 劇団一跡二跳「夏の夜の貘」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    とても完成度の高い作品
    とても完成度の高い作品。
    役者さんの好演が素晴らしい。

    ネタバレBOX

    念願のマイホームの夢を叶えた途端、家族はバラバラになっていく。
    立派な箱は用意したものの、肝心の個々の気持ちは離れていく。
    一家の中心であるはずの父は外に女性を作り、内で支えるべき母も道を踏み外す。
    2度目の受験に失敗した長男は、父の心無い一言に激昂し、家を飛び出す。
    同居するボケ老人はいつしか誰にもかえりみられなくなり、益々認知症が進行する。
    唯一フラットな気持ちを保つ、(精神年齢は20歳)8歳の次男の視点を通して描かれる家族の情景。
    少々デフォルメされているとは言え、それは現代の疲れた家族の縮図かも知れない。

    3度目の再演ということで作品の完成度は高く、役者さんの熱演も素晴らしい。
    幼い二人のロマンス、シェ-クスピアの「真夏の夜の夢」のモチーフも交えつつ、構成もとてもよく練られている。

    あれしかないのかも知れないが、最後のシーン、余りにせつなく、個人的にはもう少し違ったラストシーンにして欲しかった。

    劇場を出ると外は一面の雪景色で、開演前の風景とは一変している。
    ここにもうたかたの夢、熱く火照った自分の気持ちを、すっと鎮めてくれるような、そんな気がした。

    2

    2008/02/12 15:00

    0

    0

  • 個人的には、もう少し、「希望」の感じられるような、そんな展開にして欲しかったとも思うんです。
    最後どこかで、それまでのビハインドを一挙に覆すような、そんなストーリーも期待したのですけど・・。
    「獏」と言う架空の動物の役割が、自分は、最後(悪夢のような現実を)全部喰ってしまって、リセットするのかなぁ、なんて漠然と想像してたものですから・・。
    でも、作品としては完成度の高い、とても素晴らしい作品だったと思います。

    劇場に入る前、冷たい雨が降っていたとは言え、雪の気配はなかったんです。
    で、観劇後出てみたら、そこは一面真っ白な世界。
    その、コントラストが鮮やかでしたね。
    万事鈍感な自分ですが、何か特別な夜のような気がして、ちょっと詩的な気分になりました。

    2008/02/13 10:33

    ☆4つ、素晴らしい作品だったのね?

    家族の風景を取り上げた題材って切ない物語が多いですね。
    ニンゲンがニンゲンらしく生きる事って大切な事だけれど大変な事でもあるよね?

    最後の3行に観劇後の全ての心情が映し出されていて素敵です。
    雪は好きですね。

    降り止んだ雪景色より振ってる最中の遠くの景色が遮断された風景の方がより好きですね。

    シンシンと音まで聞こえそうな気がします。。

    2008/02/12 16:42

このページのQRコードです。

拡大