くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】 公演情報 DULL-COLORED POP「くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    劇団初見です。
    ハートフルでPOPで、しかし鋭い棘を持った刺激的な作品でした。ツイッターでのRTやこちらでの満足度の高さから(感想はネタバレを警戒して未読)、どんな闇に包まれたモンスター的な家族が描かれるのかと思っていたら。

    その家族には確実に愛があり、登場人物の誰もがごく普通の人間だと私には思えました。だからこそ、噛み合わない歯車が悲劇へと向かうことの恐怖を強く感じて。じわじわと描き出されるそれは、とてつもない重苦しさを客席へと伝え、様々な環境で生きてきた観客に様々な感情を抱かせるに充分。しかし猫ちゃん達を中心に、一貫してPOPさを失わない・・・。

    なんという劇団なのだろう、と心底震えました。脚本・演出はもちろん、役者力も、決して芝居を壊さない出迎え・見送りの温かいおもてなし感も。どれもが秀逸で、今まで私が見てきた小劇場の劇団としては最高の力を持った団体だと感じました。上演台本を買った私に気さくに話しかけてきてくれた谷さんに人柄の良さも感じ、劇団人気の高さの理由を体感して一気にファンになってしまいました。これからも観たいと思うに留まらず、演劇観さえ変えられた思いです。素敵でした。

    ネタバレBOX

    実を言うと、谷さんの作品は「幸せの歌をうたう犬ども」を観ています。しかしそのときは、客席を意識していないエゴイスティックな作品だと感じて、その疎外感からダルカラを観ることをずっと敬遠してました、ごめんなさいm(_ _)m

    そのときとは180度違う今回の感覚に自分自身驚いてます。29歳の男性である谷さんが50代の女性の生をあれだけリアルに痛みを以って描き出せることに心底震えて。その衝撃は、10代の頃に三島由紀夫の「金閣寺」を読んだときと同じもの。この脚本はもう文学と言ってしまっていいと思いつつ、演劇でしか表現できない多角的な演出で魅せてくれたその才能に脱帽です。

    あと、百花さんは初見ではないのですが、こんなに魅力的でキュートな彼女を観たのは初めてでした。可愛かったぁ。

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    2012/04/14 22:29

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