満足度★★★★
ホームドラマ
どこにでもある定食屋の、TV番組でやっても良い様な雰囲気の中に、何をどのように盛り込めるか。かなり実験的なこともやっている、力のある劇団だ。だが、実験が全然浮いていない。例えば、言語破壊すれすれのことをやって、シナリオそのものへ疑問符を投げかけているのに、、同時に、言語の背骨を外す滑稽に繋がっている為に、言語破壊は、表面上、その真の意味を隠しおおせているのである。緊密な論理と、シナリオの良さを見抜く力を持った俳優陣に支えられた結果、表現が自然で丁寧である。そのことが、わざとらしさを排除し、人生の深い所まで表現を届かせている。この劇団は、小さなもの・ことに大きな意味を込めることに成功した。いい意味で一種の型を持ちえたと言えるだろう。個々のメンバーの更なる深化と、重層化を願う。
2012/04/05 20:06
ご観劇いただきましてありがとうございました。直にお言葉もいただきまして。
サブストーリーとして置きました、島のお話ですが、ご指摘の通り、実験として盛り込ませていただきました。外国映画を字幕なしで観た時、話してる内容はわからないんだけど感情が伝わり感動した体験から、謎の島言葉を操る島民たちを登場させました。感情だけで成立させる、このシーンは恥ずかしながら、演出をしてる自分が一番泣いてしまうというシーンでして(笑)島育ちの自分には、ちょっと自伝的なシーンでもあります。
これからも小さなもの・ことを大切にしていく劇団でありたいと思っています。
また来年も来ていただけますよう、精魂こめた芝居を作ってお待ちいたします。