満足度★★★★★
観劇史上、最高の。
類稀な美しさと愛しさに溢れた舞台となりました。黒と赤を基調にした衣装は荘厳で、重厚さを纏った役者さん達が舞台を縦横無尽に駆け回る姿が幻想的で美しく。中でも、奈落で繰り広げられる芝居・・・それは、亡き王の恨みの声であったり、オフィーリアの狂気であったり。劇中劇であったり、葬式であったり、と様々なシチュエーションでその場が使われるのですが、狭い空間なのに無限の広がりを感じさせ、「そこに行きたい」との憧憬まで感じさせられます。その舞台上で「ハムレット」且つ「ハムレットを演じる役者」として生きていた川口覚くんの実力の確かさと美しさは、上演時間(4時間近く)を絶え間なく愛しいものにしてくれました。この舞台は、私の観劇史上最高の舞台です。これを超える舞台に出会える予感が今のところありません。(逆に、誰か超えてくれるのを待ってます。)