満足度★★★★
若々しさがまぶしい
この舞台は、こまどり姉妹が登場するということでも話題を集めていた。
※彩の国さいたま芸術劇場で『トロイラスとクレシダ』を観てきたので、今年観て書き忘れていたシェイクスピア作品2本を書きます。
満足度★★★★★
観劇史上、最高の。
類稀な美しさと愛しさに溢れた舞台となりました。黒と赤を基調にした衣装は荘厳で、重厚さを纏った役者さん達が舞台を縦横無尽に駆け回る姿が幻想的で美しく。中でも、奈落で繰り広げられる芝居・・・それは、亡き王の恨みの声であったり、オフィーリアの狂気であったり。劇中劇であったり、葬式であったり、と様々なシチュエーションでその場が使われるのですが、狭い空間なのに無限の広がりを感じさせ、「そこに行きたい」との憧憬まで感じさせられます。その舞台上で「ハムレット」且つ「ハムレットを演じる役者」として生きていた川口覚くんの実力の確かさと美しさは、上演時間(4時間近く)を絶え間なく愛しいものにしてくれました。この舞台は、私の観劇史上最高の舞台です。これを超える舞台に出会える予感が今のところありません。(逆に、誰か超えてくれるのを待ってます。)
満足度★★★★
素晴らしき蜷川演出
この難しい戯曲をたっぷりと堪能させてもらいました。ハムレット役の川口覚さんは一人ずば抜けていた。台詞、佇まいといい素晴らしかった。
満足度★★★★★
「企み」がすごい!舞台美術必見!
上演時間3時間40分。密度の濃い時間を堪能しました!
まず全体の企み、完璧に蜷川氏にお手上げです。
とりわけ舞台美術は驚きです!(ネタバレに当たるので・・・)
さい芸大ホールインサイドシアター以外ではなかなかできない試みでは?
「蒼白の少年少女」の「蒼白」は彼らの世代の戦略であるということを、蜷川氏はご存知なのであろうな、と思いました。
このお芝居「ハムレット」は、世代間格差の問題を問い、旧世代の新世代への恐れを描きながら、世代間理解が可能かを問い、あるいは革命的世代交代が起きるとしたら、という仮想を試みているとも読める、そういう企みをまた感じてしまうのです。
彼らより上の世代はそれを心せねばなりませんと、言いたいのであろうかな、と。そのリトマス試験紙がこまどり姉妹だったと思うのです。
こまどり姉妹ですが、一番ぶっ飛んだのは、ハムレットがオフィーリアに「尼寺へ行け!」と叫ぶ、そのときに登場!したことでした。
では、こまどり姉妹の登場で、川口覚さんのハムレットと、深川美歩さんのオフィーリアは喰われてしまったか、というと、そんなことはありません。(深川さんは昨年の「美しきもの~」の伊藤野枝役が印象深いですが、今回は真反対のオフィーリアでありました。
お二人だけではなく、ホレーショーもガートルードも名前のある役だけでなく、旅芝居の「黙劇」部分の役者たちもよかったです。