『希望』 -チェ・スンフン×日本人俳優- 公演情報 劇団チャンパ「『希望』 -チェ・スンフン×日本人俳優-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    醜・悲・痛
    まるで役者の身体が試されているような舞台。
    「コトバ」のない詩。

    っていう感じで、いいな、と思ったところもあったのだが…。

    ネタバレBOX

    冒頭から台詞を廃した舞台に、「これはイイかも」と思ったのだが、どうも響いてこない。

    何故だろうと思ったら、静から激していくパターンが、それこそワンパターンに繰り返されるからではないかと思った。
    ホワイトノイズのようなものが全編に聞こえ、それが轟音になっていくのはちょっとシビれるのだが、それにほぼ合わせて舞台の上では、激してくる。

    静にあって、動作を制御している役者が、徐々に気持ちを高まらせていくというのは、やっている役者にはもの凄い快感があるのではないかと思った。

    それがあまりにもワンパターンでどうも不感症になってきてしまうようだ。
    演出家から与えられた課題を気持ち良くこなしている感じというか。

    確かに当パンに書いてあったことで作り上げられた舞台であることは、理解できた。

    しかし、やっぱり何か響いてこないのだ。

    混乱しつつ、さらに乱れていく舞台の上と、淡々と進む役者の身体の対比は美しくなっていくと思ったのだが、やっぱり私には響かない。
    そうなると、なんとなく舞台の上にあるものが、「意味ありげ」にしか見えてこなくなってくる。

    女性の叫び、特に悲痛な音に聞こえるものが多く、それが、どのシーンであっても不快にしか聞こえなかったのも残念。

    「醜」や「悲」や「痛」の中に、「美」もあるはずだと思ったのだが。そんな感じにまで突き抜けて行かないもどかしさ。
    もちろん、粉のシーンはよかったけれど…。
    これも、役者には快感なんだろうなぁ、という他人事の感想しかわかなかったのだが。

    「希望」って何だっんだろう。

    「何か」が、「どうにかなると」もの凄い舞台になるような気がする。
    とは言え。その「何か」が何なのか、「どうにかなる」とは何なのかは、皆目見当がつかないのだ。

    こういう言い方が適切がどうかはわからないが、観る人を選ぶ舞台であったのではないだろうか。で、私は選ばれなかったということで。

    平たく言ってしまえば、2時間という時間の長さはそれほど感じなかったものの、特に後半は苦痛でしかなかったという体験を久々にした舞台であった。

    音響の感じはよかった。

    それと地震のほうが、舞台の上よりもインパクトと、気持ちの揺さぶった、ということもあったのかも。

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    2012/03/15 06:14

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