『希望』 -チェ・スンフン×日本人俳優- 公演情報 劇団チャンパ「『希望』 -チェ・スンフン×日本人俳優-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    キクなあ。。。
    会話のない舞台。

    抽象的な身体表現&メタファにあふれていて、最初は、面食らったが・・・。

    開演30分くらい経った頃。

    舞台上で繰り広げられているものに対して、地獄絵図のように重苦しく、鳥獣戯画のように軽妙に「人間そのもの」を表現してるなあ、と感じ始めてから、グイグイ引き込まれた!

    舞台上で繰り広げられる世界に、ズッポリズブズブにひたりきった!

    そこからの90分。あっという間に感じた。この手の舞台では、初めてかも。


    この舞台は、韓国の演出家チェ・スンフンさんが、「説明」に書いてあるようなテーマを、役者さんに投げかけて、それぞれのシーンを作り上げていく・・・という作り方をしたらしい。

    それらのシーン。

    これは、観る人それぞれで、感じ方もおもしろさも違ってくるんだろうなあ。

    「正解」を探るんじゃなくて、身近な人々や街の風景を想起したら・・・とってもリアルになった。 ま、ボク自身が持ち合わせている「業」や「欲望」「生き様」そのものなのかもしれないけどさ・・・「自分のことはさて置いて」のほうが、気がラク(笑)

    チェさんの用意する「正解」はあるんだろうけども・・・それぞれが、何かを感じ取って、人生の色付けに使えたら、それでイイと思った。

    アフタートークでは、謙遜の言葉が連発した役者さんたち・・・。

    その身体表現、すばらしかったです!おもしろかったです!脳に身体に・・・ビンビンきました!!!

    ネタバレBOX

    身体に養生テープで書物を張り付ける男。でも、内面に浸透してないあたり・・・ボクみたいだね。

    いろんなものを欲しがる女。でも、欲しいものが多すぎて、挙句の果て、なにが欲しいのかもわからなくなって、結局なにも残らない・・・ボクはそうじゃない、と思いたい(笑)

    欲望のまま生きる女。結果、訳わからない状況に・・・そんな時もあるよね。

    禁欲的で有りたいのに、袋小路に迷い込む男・・・そんなもんだよね。


    作られた知識・情報から逃れようとしても・・・それらは結局、誰かが引き継いでしまう。同じことの繰り返し。

    純粋無垢で、希望にあふれた赤ん坊だって、育てるのは今を生きる人間だから。

    芸術や宗教だって、所詮は気休め。

    ま、芸術とは?宗教とは?なんてどうでも良くて、「人生、寝て食ってヤッて、チョン」で充分って思いもあるにはあるんだけど。


    それはそうと・・・


    トイレからキャベツが出てきちゃった時は・・・唸ったなあ(笑)


    あと、白塗り(←親しい人の骨粉を塗ったくってる状況?)って、凄いわ。

    この『希望』を観て、初めて白塗りが放つ力強さに酔いしれた。

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    2012/03/15 01:09

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