前作「in her twenties」では、一人の女性の成長過程をそれぞれの女優で演じ分けて見せていたが、今回の「全員彼女」では一人の女性の内面を5人で演じ分けるという手法で、とても演劇的な、逆に言えば演劇でなければ魅せることができない構成で話を進めています。 女性の分身たちがじゃんけんで罰ゲームを決める、その対象が「会社へ行くこと」から「家に居ること」に移り変わる心理描写や、主人公の友人が元カノだったことを「繰り返しの場面」で明らかにしてゆく、(共感できるかできないかはおいておくが)その切ない行動にうつる心理描写など、だいぶ脚本をそぎ落として完成させたのではないでしょうか?次回も期待します。