吐くほどに眠る 公演情報 ガレキの太鼓「吐くほどに眠る」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    人生を振り返ると・・・・
    酒井なおという女性が、自分の生い立ちを語り、それが繰り広げられる。
    それは、平凡としか言いようのない人生だったはずなのに・・・・

    ネタバレBOX

    なおが小学6年生の頃にあったあることがきっかけで、兄は海外へ留学した。
    なおは、何事もなかったかのように普通に暮らしていたが、その中では、自分が家族を支えなくてはいけないという思いにかられ、生きるようになる。

    ポツリポツリなおが語るその言葉や繰り広げられる光景は、ほとんどが、誰にでもあるような人生だと思った。
    なんてことないその人生の端々でパニックを起こしたり、精神的に何か追い詰められている(病んでいる?)なおの姿が見えてくる。

    結果的に、なおが語っている相手は、弁護士であり、彼女は人殺しをしたのだが、その人の生い立ちを振り返ることで実は、6年生の出来事が全てを支配しているかのように感じた。

    私自身も阪神淡路大震災を経験することで、人の生死について深く考えるようになった。
    どこかしら、なおが「死」ということに敏感になっている様は、自分自身を振り返るようであった。

    そのことが、自分の思うとおりのことであってもなくても、何か生死に関わるおおきな出来事がその人の人生に大きく影響するのは、今回のお芝居だけではないと思う。
    この作品は、それを「忘れた気がする」ことにし、でも、実際は当人に大きな影響を及ぼしていたことを示していたと思う。

    あまりまとまらなかったけれど、今回のお芝居は、決して笑って過ごせる内容のものではない。
    でも、もし、自分の目の前に、何か気がかりな出来事を持っている人がいたとき、その人の心に寄り添える人間でありたいと思った。

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    2012/01/07 22:12

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