ITI世界の秀作短編研究シリーズ ドイツ編 公演情報 公益社団法人 国際演劇協会 日本センター「ITI世界の秀作短編研究シリーズ ドイツ編」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    『氷の下』鑑賞
    コンサルタント会社を舞台にして、効率を追求する資本主義やマスメディアによって社会から人間性が失われていく様をシニカルに描いた、政治的な作品でした。感情移入が出来るようなドラマが展開されるわけではないのですが、抽象的で取っ付きにくい感じはなく、素直に笑ったり怖さを感じたり出来ました。

    横一列に並べられた机と椅子、机の上にはマイクと水の入ったペットボトル、背後にはスクリーンというシンポジウムの様なセッティングの中、コンサルタント会社に転職してきた冴えない感じの中年男性とやり手な感じの2人の若い社員のモノローグが交互に語られる構成で、若い2人のポジティブな営業トークが空虚に連呼され、人間がいない、物達自身が経済活動を行うというシュールなディストピアが浮かび上がってくる物語でした。
    ドライな質感の台詞が続く中に、ユーモラスなミュージカルの描写があり、重いテーマとのギャップが面白かったです。

    役者達は本ではなくiPadを用いて台詞を読み上げるのが作品のテーマに合っていました。
    タイトルそのままに氷(のイミテーション)を使った演出は分かりやすく視覚的にも聴覚的にも上手く使われていましたが、表現がリテラル過ぎる様に感じられました。「氷」をもう少し象徴的に扱い、観客の心の中でイメージさせる方がその冷ややかさが伝わってきたと思います。
    最後に流れる、この公演の為に作られた歌がタイムリーで且つ皮肉が効いていて良かったです。

    戯曲は興味深い内容だったのですが、役者の台詞回しがぎこちなかったのが残念でした。

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    2011/12/19 23:36

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