満足度★
中途半端
評価は分かれると思う。個人的にはイマイチ。「オイディプス」という戯曲を知ってないと楽しめない演出。予備知識無いと、途中で置いてけぼり食らう。何のための場面なんだか、よく分からない演出やネタが多いんだよね。広げた風呂敷は収拾してもらいたいんだけど。俺が理解できてないだけ?
それに、身体表現に重きが置かれすぎて、台詞軽いし。「オイディプスごっこ」だ、あれじゃあ。それが狙いかも。ならいっそ、台詞を無くせばいい。その方が潔い。
オイディプスの苦悩とか、運命に翻弄される人々とか、そういうのも薄い。ダンサーのテクニカルな身体は見えるけど、紀元前の人間のエネルギーの表出に見えないのは、やっぱ段取りに見えるからかな。それも狙いだと思うけど。
ならもっと、小野寺イズムを体現できる俳優やダンサーは他にいるし、わざわざ、SPACという劇団を使う理由がよく分からない。あれじゃ、SPACにとっても得るものないだろうに。
オイディプスがどうなったかっていう結果じゃなくて、どう考えたのかっていう経過が見たかったんだけど、この舞台ではよく分からず。
小野寺氏は、あの出来に自信持ってるのかな?満足してるのかな?
あと、今回の演出で、オイディプスって、「ライオスに足の醜さを指摘された」から、殺したことになってるけど、あれ、改変しすぎでは。単に道を譲らなかっただけでしょ。
結論。原作無いほうが、小野寺作品は面白い。