いと愛し 公演情報 劇団競泳水着「いと愛し」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    三人のみとは、思えない。
    三人芝居なのに、鮮やかに浮かび上がる、もう一人の姿と、三人の関係と心情が見事な作品でした。

    ネタバレBOX

    部屋の片づけをしている門脇玲子(細野今日子さん)の元に、陽々野暦(大川翔子さん)が、やってくる。
    二人の会話から、作曲家であった暦の父が亡くなり、彼のアトリエで遺品整理をしている秘書の門脇だと、客は覚る。
    父の葬儀を始め仕事の整理等までしてくれる秘書に、実の娘としては、感謝するものの、父に対しての理解が深過ぎるようで、玲子に愛人疑惑等、複雑だったりする。

    そこへ、橘さき(川村紗矢さん)が、来訪する。
    その理由や玲子と三人の会話により、暦の知らない父の姿が、ますます色濃くなり、娘としての嫉妬が、1人の女として、変わってくる。
    三人の立場や関係による心情と、父の姿も、鮮やかに浮かび上がるのが、見事だと思いました。

    宅急便が届くことにより、二人の会話になる状況も自然で、この三人のキャラらしい反応も可笑しく、それでいて、物語を立ち止まらす事が無いのが、良いと思いました。

    会話や現実の状況から、三人其々の父の姿に複雑な思いもあるが、父の死を乗り越えて、1人の女と成長できる予感のした、素敵な作品でした。

    女性独特かもしれないけど、コンビニの話、どうでもいい様なことに、こだわるかと思えば、八つ当たりでもしなくちゃ収まらない心情や、娘と言う立場なのに、1人の女としての心情も、わかるわかると、納得してしまう。
    上野さんの本の巧みさと、三女優の演技力を、堪能できました。

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    2011/11/02 00:19

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