『DAIKAIJU EIGA』『Rosa, seulement』 公演情報 青年団国際演劇交流プロジェクト「『DAIKAIJU EIGA』『Rosa, seulement』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    『DAIKAIJU EIGA』原発大国フランスにはゴジラはいないんだろうね。
    あ…、ゴジラね…。

    ネタバレBOX

    正直ゴジラかぁ、って思った。
    思ったけど、そこに何かあるのかと思っていたら、それほど何かがあったように思えず。
    フランス人の男性と日本人の女性の2人が、最初は手に台本を持って登場。

    フクシマだよね、で、ゴジラ…、う〜ん、って感じ。
    放射能とゴジラ、日本人と怪獣の関係は、さすがに散々言われ尽くしてきてるから、今さらフランスの人に「1954年につくられたゴジラは、その後に続く一連の怪獣映画とは一緒にしないでくれ」って言われてもなあ、と思う。

    中盤、いわきに行ったドキュメント的な部分の展開から、少し期待したが、それはそれだけで、結局ゴジラなわけで、なんだかな~、と思わざるを得ない。

    日本にゴジラはいなくなった、ゆえに、自分がゴジラになる。つまり、警鐘を鳴らし、歩いた後を破壊するモノになる、と言う日本人のミチコ。ああ、そうね、と思う。で? とも。

    その後、フランス人の男性が舞台を去るのだが、これはどういうことなのかな? と考えた。
    「日本のことは日本人に任せよう」ということなのだろうか、「結局は他人事」なのだろうか。あるいは「日本は大変なことになっているのに、わかってない」という啓蒙(あるいは警鐘)のつもりなのだろうか。

    後に1人残された日本人のミチコが叫ぶのだが、その「叫ぶ」ということには、彼は、意味があると考えているのだろうか。あるいは「それは観たあなた(日本人)が考えてくれ」ということなのだろうか。

    アメリカに次ぐ原発大国のフランス(いや、もちろん3.11以降のにわか知識なのだが)から来た彼が、フランスにとって、いや彼自身にとって、「ゴジラ」はどういう意味があるのか、あるいはどうあってほしいのか、という、何か大事なところが抜け落ちているように感じてしまった。
    そういう意味では、この作品全体が、作者自らへの「(日本人にはわからないフランス的な)アイロニー」が込められているのだろうか、とも。

    後半、ミチコは、冒頭で棒読みだった台詞を、再度気迫を込めて叫ぶ。もちろん、ゴジラについて。
    舞台の上が熱っぽくなればなるほど、観ている私の気持ちは冷めていくという、典型的な作品だった。

    いずれにしても50分は短い。これで言いたいことが本当に言い切れたのだろうか。
    もっとも、50分で解放されて救われたとも言えるのだが。

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    2011/10/02 05:12

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