満足度★★★★
お吉という女。
『唐人お吉』で知られる伊豆下田の斎藤きちさんの物語。
ボクは会社員時代に、下田に赴任していた時期があって、いろんな話を聞いていただけに、かなり思い入れのある戯曲。
それだけに、期待と不安がないまぜになった状態で劇場に向かったんだけど・・・受付の女性が和服だょ・・・イイじゃん!!!(←正統派の和服に弱い)
劇場内も、香を焚いているかのような、和服の良い匂いが漂っていて・・・雰囲気最高です。
芝居は、しっかりと取材したな、という印象。
お吉さんの人生は、波瀾万丈なだけに、スキャンダラスに描こうと思えば、とことんいけるんだけど・・・丁寧にお吉の人生をなぞっていたな、って思った。
お吉さんに対する尊敬の念を感じたなあ。
酒に溺れ、浮浪の身となる晩年のお吉の舞。
この舞が・・・すばらしい。
「女の情念」という言葉が陳腐に感じられるほど、もう女そのもの。
お吉さんの体から、濃密な女の匂いが放たれていた。。。凄い。。。
丁寧に描写した余り、脇役との交流の場面が物足りなかったのは仕方がないことなのかも。120分で表現するには、お吉さんの人生は強烈すぎるんだろうなあ。
ただ、脇役が魅力的だっただけに、5時間くらい見たかったな、という思いは抱いた。
『OKICHI~番外編』として、お吉と(お吉の計らいで東京でささやかな成功をするお吉の店の元従業員)お富とのつながりをじっくり観たいなあ。
女郎屋を営むことになるお吉の「男と女の話」(という名のワイ談)を一人舞台の形で観てみたいし。。。
ホント、魅力的なお吉さんでした!!!
ま、お吉さんのような女性に、愛情ではなく「情が移った」程度で付き合うと、後々、お互いがとんでもないことになっちゃうんだけどさ。。。
2011/10/01 01:40
2011/09/27 00:43
受付のご感想も和服にしてみてよかったと思いました。
お吉さんについては、下田宝福寺(お吉さんのお墓があるお寺)のご協力を頂きまして、あまり知られていないエピソードもいろいろなところに入れていました。
喜んでいただけて本当によかったです。
ご来場いただきまして誠にありがとうございます。