ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎 公演情報 東京演劇集団風「ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    視覚効果が素晴らしい
    マテイ・ヴィスニュック、ペトル・ヴトカレウ、浅野佳成のKAZEおなじみのトリオにより、当初予定の「セチュアンの善人」から変更しての上演となった。

    若手の小劇場劇団の台頭により、新劇も時代を経てある意味、岐路に立たされていると思うが、東京演劇集団風は特色ある作品構成で、新しい観客層開拓を進めている。


    以前から観たいと思っていた作品で楽しみにしていた。

    ネタバレBOX

    旅役者の一座が劇場に到着したという趣向で始まる。

    KAZE自体、実際、旅公演の多い劇団だけに、面白い趣向だ。

    人形劇風の小さな人形や、カーニバルのような大型人形なども登場し、豪華で美しい衣裳とともに視覚的効果もじゅうぶん。

    戦争の場面の音楽が恐ろしく、髑髏の仮面をつけた死者のダンスも非常に不気味で印象に残る。

    ラスト近く、ジャンヌが火刑に処せられる場面の語りは、その残酷さゆえに胸が塞がれる。

    「ヘレン・ケラー」のときに白根有子の日を観られなかったので、今回のジャンヌ役は楽しみにしていた。「星の王子さま」の王子役など、小柄な白根は少年少女の役が得意なようだ。

    今回の白根は、星の王子さまのときと同じような訥々としたしゃべりかたで、この作品の「純粋無垢な心を持つ、勇気ある、しかし平凡な少女が起こした奇跡の物語」という主題には沿った演技かもしれないが、以前に観た堀北真希のジャンヌの鮮烈な名演技が記憶に新しいせいもあり、物足りなさも感じてしまった。

    オーラやカリスマ性が台詞からはあまり感じられず、後光を放つような衣裳の強い視覚効果に負けてしまっているように見えた。

    神の啓示を受け、強固な行動力を発揮していく際も、それ以前との対比や変化が伝わってこないのだ。

    いつものトコトコした歩幅の狭い白根の歩き方の癖が出ていて、違和感があった。

    白根のセリフ回しは、劇団の重鎮、辻由美子を思わせ、彼女がお手本なのかもしれない。
    若いころの辻は王子様役には定評があったそうなので、白根は正統派の後継者なのかもしれないが。



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    2011/09/07 14:45

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