ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎 公演情報 東京演劇集団風「ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ファンタジーな描写
    まったくもってワタクシの好みのど真ん中!放浪役者の一行が語り、演じるという劇中劇。だから舞台の始まりに放浪役者らが語るプロローグがあり、これから始る、いや、もう始っているのだが、舞台の導入の仕方としては絶妙でコミカルだった。あくまでも個人的な感想だが、白根有子のキャラクターは炎の戦士・ジャンヌを演じるには迫力が少々、欠けた。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    一行はジャンヌの物語を人形劇から始める。そこにはフランスで制作した人形らしく、鼻の高い、ボンソワール。ふらんすめていてそう・・みたいな顔と、これまたフランスの貴族らしい洋装のドールが飛び出す。そんな風景に風船に顔を書いただけの国王を登場させるのだから、その茶目っ気たっぷりなセンスに思わず、微笑んでしまう。

    全体の構図はジャンヌの物語なのだけれど、ジャンヌそのものは物語に断片的に登場させ、むしろジャンヌを取り巻く司教やシャルル国王、その母、王妃、皇帝、伯爵、公爵らの行動や会議の情景を強く押し出していたように思う。そして彼らには必ず彼らの道化たる存在(人形)が登場し、人形たちが大きなテーブルの上で会議を押し始めるのだから、観ていてたまらなく可笑しいのだ。白い一角獣や大きな3体の人形の登場や滑稽でコミカルな会議はまるで夜のカーニバルのように、はたまた、幼い頃、夢の中でみたような絵本の中の1ページだ。

    殿下に至ってはカマ風味満点の殿下なのだから、どんだけ楽しいんだよ、なんつってワクワクしながら魅入ってしまった。今回の舞台は演出と衣装が特に素晴らしい。芸術的な舞台だった。そして後半に入ってジャンヌの衝動と奇跡を起こした経緯。なぜ、彼女は火刑されなければならなかったのかをシリアスにまとめ、政治・社会の歪みと民衆の行動を淡々と綴っていた。

    ヨーロッパでは美術館の広場で、あるいは公園で、日曜や祭日に人形劇を見ることができる。道化師たちが操る人形劇だ。それを思い出しとても楽しかった。もう一回観たいくらいだ。

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    2011/09/02 12:01

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