秘祭 公演情報 ダモアエムシープロモーション 「秘祭」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    因習もの
    好みとしてはわりに因習ものは好きだったりする。おどろおどろした情景とアングラな香りに惹かれるのだ。今回の物語はそういった意味では祭り、隠された因習、巫女・・と、よくあるベタな内容なので解りやすい。しかし何かが足りない。それは音響に迫力がないことや流される音楽が舞台に合ってないことも大きな理由だが、演出面でも雑だったような気がする。また主演の川島なお美に秘密を握った女の悲壮感や謎めいた表現力が乏しかった。とっても残念。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    すでに、説明に半分以上のストーリーが書かれてあるので、書かれていない物語を引き継ぐ形で。
    高峰は巫女としてのタカ子が使命のように代々受け継がれてきた秘密を知ってしまう。それは無差別に島の男の子共を孕むことであった。そうやってこの島は島の人口を維持してきたのだ。巫女は自分の子を育てることは禁じられ島の子として、他の家族に育てられる。そんな因習の繰り返しによって血が濃くなった子供は奇形として生まれ、島にはそんな子供らがいた。ここで思ったことなのだが、奇形を防ぐ為に、むしろ島の外から来た人間の子供を孕ませたほうが物語りとして、しっくりくるように感じたのだが・・。

    また、高峰は自分の前任者・井上の死について、島の秘密を知り過ぎた理由で殺されたことも知ってしまう。そんな中、島の村長に決着を付けるべく村長宅に訪問した高峰自身も村長に毒を飲まされ殺されてしまうのだった。海辺には殺された二人を奉った墓が人魚の墓としてある。そんな折、またこの村にリゾート開発の為に人材が送られてくるのだった。

    島のしきたりや慣わしに背くことなく脈々と受け継がれる因習を題材に、美しい巫女に心を奪われた外島人が次々と犠牲になっていく物語。島に住む人々の共有した秘密や罪はより一層、島人の結びつきを強固なものにする。その罪が深ければ深いほど、外部に漏れることはないのだ。今回は照明、音響をもっと駆使してくれれば、物語に一層の闇が深まったのだと思う。すごく惜しい。

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    2011/08/31 18:30

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