Nazca -ナスカ- 公演情報 劇団銀石「Nazca -ナスカ-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    概念がないゾっと!
    どうやら銀石の舞台は常識と言う概念がないらしい。相変わらずの物凄い知識量なのだけれど、その描写と登場人物がイッチャッテル為、物語は常識を超えた難解さに。笑
    この舞台を観ていて思い出したのが、かつての映画「フィフス・エレメント」 でのワンシーン。コーベンがリールー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)に世界で起こった出来事をビデオで見せてる場面だ。リールーは過去から現在までの世界の状況をフルスロットで記憶し落涙するのだ。愚かな人類の歴史をみて。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    今回の舞台はまるでワタクシ自身があの時のリールーのように過去から現在までの出来事を舞台で観ているようだった。それは地球で起きてる事柄を宇宙空間で眺めてるような感覚だ。すると、ナスカの地上絵も、地球儀も、天動説や地動説も、全ては個人から、家族、家族から、地域、地域から日本、日本から世界、宇宙へと、転換されていく。これらは全て過去から現在まで地球で起こった事柄だ。革命や戦争や発明や宗教。

    ここに登場する役名は何故か羽のあるものが多い。これらの全てが蝉なのか、はたまた違うのかワタクシには解らないが、蝉が羽ばたいて生きる一瞬はなんとなく、宇宙規模で見る人間と同等なのだとも思う。

    パンフレットを確認すると、「地球が生まれてよりのこのかた、長い生命の興亡という壮大なドラマの隙間に、一つの命の物語を照らし出す舞台」とある。だとしたら、やはり、地球創世からこれまでの人間が営んできたドラマを描写しつつ、病弱なモズの命を取り上げた舞台なのだろうと解釈する。「ナスカは魂が宇宙へ帰る場所」というテーマからもナスカの地上絵は魂たちの滑走路となるべく描かれたという銀石風仮説だ。笑

    「復讐回帰」では神々が地球を作っていたが、今回はそれよりもテーマは壮大になったのだ。その分、おちゃらけた描写は舞台に合わないとも思う。壮大さに似合った解りやすい物語だったなら難解さも半減したように感じる。

    生ピアノが美しい。更に今回の映像が素晴らしかった。音楽と映像のタッグは宇宙の壮大さを物語っていた。映像・荒船泰廣。

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    2011/08/20 13:04

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