『広島に原爆を落とす日』 公演情報 ポムカンパニー「『広島に原爆を落とす日』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    つかこうへいの世界感!
    初めて、つかこうへい作品の公演を観た。
    素晴らしいと感じた。
    観劇して良かった。公演時間は2時間10分。
    役者さんでは、主役の方が印象的。表情、特に目力が凄かった。
    あとはネタばれで。

    ネタバレBOX

    物語は第2次世界大戦開始直前~原爆投下までを描いたフィクション。
    主人公はかつての朝鮮の王族であったが、国が滅んで日本へ。
    そして、日本で出会った少女と恋に落ちる。
    世界は戦争を避けられない情勢となり、日本軍はドイツと手を組むよう少女を
    大佐として、ヒトラーの下へ派遣。ヒトラーは日本と手を組む。
    主人公は、日本軍に所属し、日本が勝利するよう奇襲攻撃として真珠湾攻撃を考える。そして実行へ。
    しかし、すでにアメリカは原爆をほぼ完成しており、投下のための口実を欲しっていた。その罠に嵌った形となる。
    戦況は悪化し、日本が負けることは明らかとなった。
    主人公は、日本の希望である戦艦大和を沈めることにより、国民を納得させる形で、終戦することを考える。自分も大和を死に場所として選ぶが、
    その願いはかなわず。
    そして、原爆投下をもって終戦することを、アメリカの要請により日本も承諾。
    その広島への原爆投下任務を主人公が行うことになった。
    少女はヒトラー死後、日本へ戻って来ており、主人公のもとへ。
    主人公は少女へ愛を告白。
    原爆を投下する任務を少女に話し、広島へ行ってほしいと頼む。
    広島住民だけでなく、この罪深い行為を自分が誰よりも愛する少女も自らの手で犠牲にすることで、すべてを終息させる気持ちだった。
    原爆を投下すれば、自分も死ぬことになることを予想して。
    そして・・・・・。

    この作品は、「愛」と「国家」と「原爆」をテーマとして取り扱っていると感じたが、特に「愛」の描き方は凄いと思った。
    現代の日本人では、絶対に成立しない世界感であった。
    つかこうへい氏の作品を他にも観劇したいと思った。

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    2011/07/17 17:46

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