キトキの月想曲-うた- 公演情報 室生春カンパニー 劇団 風の森「キトキの月想曲-うた-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    研修生の卒業公演のようなナリ
    「メロウなメルヘン悲劇とは打って変わって、笑って、笑って、ちょっぴり泣いてまた笑う何ともばかばかしく仰々しい幻想物語」との触れ込みだったが、まったく笑えない。・・というのも笑いのネタが古すぎ。また半分以上の役者の演技力がイマイチで本自体も盛り込みすぎて散漫になった感がある。こう書いて評価2と表示してしまうと、劇団側は数ヶ月前から準備した自分たちの作品に愛着があるものだから、「何故?」って抗議したい気持ちもあるだろう。しかし舞台とはたった2時間で観客をその世界に取り込み誘い、更に物語の筋も把握させ解りやすく満足感を満たすという大層、難儀な仕事なのだ。この点が欠如していた。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    物語の筋は一柳スミレとスミレの祖母・桜の漫才から始るが、この漫才ネタがまったく面白くなくて、しくじる。笑いのネタがスベリまくると、本筋に期待する他、望みがなくなるのが現実だ。

    物語はスミレの姉妹・ツバキが桜のオルゴールを持ち去ったことから始るファンタジーだ。このオルゴールには時代を超えて受け継がれた「美しい国づくり」の目的の為に使うという、魔力のようなものがあったが、このオルゴールを手にした瞬間にツバキは時の扉を開けてナチス時代のドイツに飛んでしまう。ツバキを救う為に、謎の少年・キトキとスミレはツバキを追う事に。

    当のツバキはナチス時代のドイツから、トロイヤ遺跡時代へと時空を超えて飛び回り、争いに巻き込まれながらも宿命を背負った旅を続け、その時代のカメリアとなりながら、オルゴールを守り続け、その意思と共に受け継がれてゆく。といった内容だ。こういったストーリーは案外多く、斬新さはない。その代わり、演出、舞台構成、照明、音響、キャストらの秀逸な演技力があれば、まず間違いなく高得点になるはずなのだが、今回の舞台は暗転の場面展開が弱く、その情景を観客に空想させる演出が弱すぎた。

    また、音響に関してもギターの生演奏だけという設定でロマンに導く音響に乏しかった。更にだ、セリフを吐くのが必死という形相のキャスト、アルサスが殺される場面でのナイフの刺し方、間、倒れ方などまるでド素人で役者として日が浅いのが一目瞭然だった。本も、もう少しシンプルにした方が散らかりすぎないとも感じる。

    物語に無理やり盛り込んでしまうダンスシーンは意味があるのだろうか?歌は上手いと思う。

    いつも感じることだが、当日券で素晴らしい舞台を観た方がこちらの感情は断然、満たされる。これからは時間を有効に使いたいとつくづく思う。

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    2011/07/09 17:37

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