満足度★★★
三上陽永くん在りき。
女性アイドルグループの再起とミュージシャンを目指す男子高校生達の二つの物語が平行して進み、5人の役者さん達がそれぞれのお話で別の人物を演じるという試み。しかし二つの物語はリンクしているように思えてそんなにリンクしていなかったり、自殺する人間が3人もいるのに理由もはっきりとしなかったり。人生での出来事は映画や演劇の中でのようにいつもはっきりとした理由があるとは限らないので、この物語はリアルと言えばリアルなのだけれど、そう考えてもどうも釈然としない。演出面でも、衣装代え無しで2役を演じる役者さんの力量を見せる部分や音楽やダンスで煌びやかな部分が分離してしまい、結果、どれも中途半端になってしまっているという印象を受けました。
しかし、それらを差し引いても三上陽永くんの演技は素晴らしかった!男性・女性の繊細な演じ分けはもちろん、歌にダンスと三上くんの魅力が満載。女性を演じているときは、「きれいな顔をしているなぁ」と見とれてしまいました。お墓の前で女性アイドルから男子高校生にスイッチしたときには背筋が震え、やはり彼の演技力は化け物級だと実感。彼の実力をこれでもかというほど堪能できて幸せでした。