満足度★★★★
「グンナイ」で済ませられない人生
初日の1ステージ目に伺ったところ、観客のわくわく度がハンパない!10代と思われる若い男女が団体で観に来ていたり、ロビー開場中から観客の熱気にあてられ、客席についてからは300席以上を満席にする劇団力を見せつけられました。「前回はあんな役だった役者さんが、今回はこんな役だ」と見守るような、固定客と劇団との幸せな関係も築かれており、いわゆる“大人気の若手劇団”に久しぶりに触れたように思います。
舞台は日本から離れたある島の、南国ムードいっぱいのホテルのロビー兼バー。高校野球部の同窓生が数年ぶりに集まり旧交を深めますが、それぞれが抱える問題が徐々にあらわになっていきます。
今年2月の東京公演同様によく練られたコメディーでしたが、意外にテーマが重くてメッセージ性も強く、終演後しばらく客席にとどまり、受け取った意味を咀嚼しながら余韻を味わいました。
今までになかった方向性を打ち出したようですね。笑いに特化した作品も良いですが、私としては今作で劇団の将来への期待がますます高まりました。