メガネ夫妻のイスタンブール旅行記 公演情報 城山羊の会「メガネ夫妻のイスタンブール旅行記」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    なんとも言えぬ味わいと余韻
    メガネな登場人物たちが織り成す物語とともに、連れて行かれる世界のほの暗さとおかしみ。

    ネタバレBOX

    微妙なズレと隙間から展開する物語の面白さがある。

    冒頭の悲しみから、少しだけ開いた隙間を無理矢理広げていき、ややダークな世界に陥っていく。
    メガネ妻の気分の変調の度合いが大きくなっていくのを、いちいち受け入れていってしまい、後戻りできなくなっていく様子が、恐ろしくもおかしい。
    他人の不幸はなんとやら、で覗き見趣向で楽しんでしまう。

    隣の音楽評論家、あの指揮のシーンの面白さに隠れた不気味さ。
    息子は一体何者なのかという怪しさ。さらに大家の妻も怪しい。

    パートナー(女性)に振り回される男性たちという印象がする。
    前回もそんなイメージだった。
    つまり、中心にいる男性キャストの、控え目で受け入れようとする姿勢の設定が同じだったように感じた。
    この、パートナーに振り回される感じ、作者の実感なのかも(笑)。

    あれよあれよというままに、連れて行かれる不気味な世界。
    妻をあまりかまっていないという象徴だった猫の死を通じて、メガネ夫が「いやいや妻も悪いんだ」という思考による、メガネ妻の大家の妻や音楽評論家との仲などとの悪い妄想の結果、夫が垣間見た悪夢だったのか。
    この舞台の「あらすじ」として書いてあることも、この舞台の内容に含まれるのならば、もっと怖い物語として成立しそうだ。もっと捻れた世界がそこに出現する。ただ、それはないだろうな、と思っているのだが。

    役者はどの人もうまいなあ。それぞれの印象を、きちんと残していくのだ。

    当パンが「3Dじゃないメガネ」っていうのも、ちょっとだけ面白い。

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    2011/05/29 06:24

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