満足度★★★★★
シリーズ有終の美
今回のⅥにてシリーズ完結。A、Sの順で観て、どうしてももう一度生で観ておきたくて、Aを観た。
「人は運命に操られあらがおうとする。その運命を切り開くのも自分なんだ」というメッセージが大震災の後だけにズシーンと胸に響き、初日はいろんな想いもこみ上げ、感動で涙が止まらなかった。
小劇場界の演技派を集めた豪華キャストが嬉しい。
「Performen」は決して贔屓目ではなく小劇場史に残る傑作だと思う。
哲学的宗教的古典劇と、哲理を現代的コントで表現した二重構成になっている。
こんな素晴らしいアイディア、ほかのコメデイ劇団ではまねしたくてもまねできないのでは。
これを観ずして小劇場のコメディを語るなかれ、と言うのが私の口癖になっている。
シリーズⅣが私と電夏との出会いで、一種のカルチャーショックで物凄く感動した。
シリアスな古典劇の部分が難解なので、ここでつまずくとあと受け付けないというケースがあるのも事実だが、オペラと同じで、「最初に観て好きだと思ったら、ずっと好きになる」シリースだと思う。
演劇を長く観てきた人には魅力的要素満載で堪えられない芝居だろう。
今回、生まれて初めて、私は何人かの知人に熱心に内容を説明し、観劇を勧めるメールを送った。
それでも観ていただけなかった人、本当に残念です。
電夏にはいくつかのシリーズものがあるが、この最高傑作を生で鑑賞できる機会は今回が最後。
演劇ファンなら観なかったことを必ずや後悔する作品と断言したい。
以前のレビューで「長すぎる」と書いていた方も、今回は気にならなかったようで絶賛しておられる。
このシリーズは多少観るほうの免疫も必要らしい。
この芝居の素晴らしさを語りつくそうとすると夜が明けてしまいます(笑)。