ひとがた流し 公演情報 ブルーノプロデュース「ひとがた流し」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    演劇/PLAY /遊び
    内容・構成とも良い意味でオーソドックスな小説をリアリズムな演出ではなく、実験的な要素の強い演出を施して舞台化していました。19時を少し過ぎての開演で15分の休憩を挟んで終わったのは23時前、と小劇場ではなかなか見られない長時間の作品でしたが、途中で時間を気にさせることもない密度の高い公演でした。

    40代になった幼馴染みの3人の女性を中心とした物語で、前半は多くの登場人物が現れ軽やかな雰囲気でした。休憩後の後半は長いモノローグやダイアローグが支配的な展開でシリアスなテイストが強くなりますが、過度に重くしたりドラマチックにしたりしないバランス感覚が良かったです。

    同時多発会話や複数の役者が同時に同じ台詞を言うなど現代的な手法が使われている中、取り分け目を引いたのは、他の役者の動き(おそらく半ば即興)を真似しながら台詞を言ったり、コントロールが効かない程度までの動きをするなどの即興的・遊技的な演出でした。そのことによって、演じられる役と演じている役者の間に奇妙な距離感が生じていて、面白い効果をあげていました。
    後半、役者が舞台に入るときに繰り返される動きが、あるシーンに向かって意味が明らかになっていくのが素晴らしかったです。
    真っ白な美術や照明、エレクトロニカ系の音楽を中心とした立体的な音響も良かったです。

    出演者+オペレーターの人数より客の方が少なかったみたいです。他の劇団の公演でチラシを見掛けることもほとんどありませんでした。せっかくの力作なのに勿体ないと思いました。

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    2011/04/23 00:58

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