アンダー・ザ・ロウズ 公演情報 虚構の劇団「アンダー・ザ・ロウズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    物語の力っっ
    初虚構の劇団・初座高円寺。笑って泣けて、素直に面白かったです。きちんと各役者さんに見せ場があって、起承転結もしっかりして、物語自体はわかりやすい。でも、登場人物の葛藤やメッセージが胸に響く。登場人物や出演されてる役者さんとおそらく同世代の自分には、まるで自分の事を描かれてるような共感がありましたが、僕より上や下の世代の方はどんな風に見たのだろうと気になります。
    青臭いと思われるのか、空想的で現実離れしてると思われるのか。世代を超えて共感できるのかなって思いました。

    ネタバレBOX

    パラレルワールドなんて手垢のついた設定で大丈夫かな、、、って思って序盤は見てました。でもすっかり「空振同盟」の世界に強く心惹かれる自分がいました。

    自分の孤独を認めて、自分自身で生き直しを図る。それはまるで、学生運動の時代のような暴力的な変革だけど、とても理想的な「空気と世間」への対処方法に見える。大事な事は、今いる共同体での自分の立ち位置や宗教や政治ではなくて、自分自身なんですよと突き付けられてるように感じる。宗教には神と教典があって、政治には理想的な事を口にする政治家がいて、そこに盲目的に身を委ねれば自分は何も変わらなくても救われるような錯覚を覚える。でも、動かないと何も変わらないんですよ、と突きつけられる。

    実際は、一之瀬に背中を押された者の生き直しはうまくはいかないし、世間の風に一蹴されて「空振同盟」は崩壊していくようにみえるけれど、正しさや道徳的な価値感にそぐわないものは、とことん叩いてかまわないんだって風潮は息苦しいよなって思う。もがいて、もがいて、でもパラレルワールドから戻ってきた一之瀬のように、舞台を見終わった観客のように、現実に戻った自分達は現実的な形で自己実現していくしかない訳で。

    でもそうは言っても「この息苦しさを感じてるのは自分だけじゃない」ってわかるだけでも安心です。だから僕は、生き直しを図るためにバットを持たなくてすみそうだし。観劇後、自分の背中も押してもらってげんきもらえた気がします。見れて良かったっっ!!

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    2011/04/16 09:42

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