*yui*の観てきた!クチコミ一覧

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賭けてもいいけど

賭けてもいいけど

匿名劇壇

HEP HALL(大阪府)

2021/03/13 (土) ~ 2021/03/15 (月)公演終了

ギャンブルの駆け引き、盛り上げ方はさすがに巧い。
甘めのラストは、個人的には趣味ではないが、「今」を反映しているのだろう。
現実を眺めて見当たらないものをつくるのがフィクション。

ネタバレBOX

今回SNS割引で、投稿(やそれをするメディア)を劇団側は確認しない。それは舞台のフライデークラブでの「ここではそういうズルはしない」という信頼・矜恃を現実世界に引き延ばした形。
ギャンブルに溺れ依存し振り回されている人たちが、ただ純粋に楽しむためにギャンブルをする場。一歩外に出れば破滅の現実が広がっているが…というのが舞台やフィクション世界の比喩だと考えると笑えないが、別にそんなこと考えずに、舞台はみて笑えばいいんだろう。
福喜多さんちの三兄弟 最終回~菊の頃~

福喜多さんちの三兄弟 最終回~菊の頃~

劇団925

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2018/11/02 (金) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

なぜかシリーズの最終回のみ拝見しました。
これまでに関わりのあった人たちが弔問に訪れる、というお話は、前のお話を見ているともっと楽しめたと思います。豪華ゲストのそれぞれの登場時間が短いのはもったいなかったかな。山田かつろうさんがいい味を出していました(出演時間が比較的長かったので良さがわかりやすかったのかも)。
登場人物がみんないい人、というのはなるほどチラシ通りの癒し系でほっこりしました。

スタンドアローン

スタンドアローン

ファントマ

近鉄アート館(大阪府)

2018/11/02 (金) ~ 2018/11/04 (日)公演終了

すごく久しぶりのファントマ(じゃないのか)。
照明をはじめ、衣装や立ち回り等ビジュアルがやはりとても美しかった。かなり大勢の役者が出ていたが、バランスよく配置されていた。
わたしが見たのは日蝕バージョン。

ネタバレBOX

もう仲間のことは思い出せない。でも思い出せないということは憶えていないということではない。ここに独りでいることは、一人ぼっちであるということではない。
絵本のような優しいトーンでそう示すラストシーンも美しかった。
月蝕バージョンは、その孤独のほうが強調されてたのかな?
笑う茶化師と事情女子

笑う茶化師と事情女子

匿名劇壇

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2018/08/24 (金) ~ 2018/08/27 (月)公演終了

鑑賞日2018/08/24 (金) 19:30

さすが手練れの会話劇。
コミュニケーションとディスコミュニケーションというか、通じる感と通じない感の間を突っ走っていく感じが痛快。
あと、希望とか理想に類するものを口にするときの作家の照れ具合が若いと思う。気恥ずかしくても語らずにはいられないというのは個人的には好感度高め。

独鬼 〜hitorioni〜<緊急追加公演決定!>

独鬼 〜hitorioni〜<緊急追加公演決定!>

壱劇屋

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2016/10/28 (金) ~ 2016/10/31 (月)公演終了

圧倒的パフォーマンス
予約確認メールに、開演時間を過ぎるとお席にご案内できないことがあります、旨書かれていたが、会場に入って納得。客席はぎっちり詰まってつくってある。その分広く、客席前方ぎりぎりまで迫っている舞台いっぱいに繰り広げられるパフォーマンス。
これだけ圧倒的な殺陣やダンスを、これだけ間近で見られるのは、小さな劇場ならではの贅沢。
全体の動きは「猩獣」よりもさらにシャープになって精度が上がってる感じがした。
あと、めずらしい、剣ではない殺陣が見られます。

凪の砦4「ぬめる祠に寄る辺なく」凪の砦5「戸を揺らすもの」

凪の砦4「ぬめる祠に寄る辺なく」凪の砦5「戸を揺らすもの」

庭ヶ月

京都市東山青少年活動センター(京都府)

2016/09/17 (土) ~ 2016/09/18 (日)公演終了

耳を澄ますべき声
かなり辺鄙な場所にある、困窮者を対象としたホスピス、そこで働く人々。
今回、型としての動き、にこだわったとシアタートークで言っていたが、わたしはずっと聞こえている音の方が気になった。4の隣室から漏れ聞こえてくるようなピアノ、5の何かを砕く音や練習用のお神楽。それは、聞き流す耳には単調な雑音と聞こえるかもしれない、けれど、耳を澄まして聴けばいろいろのことが見えてくる音。耳を澄ませ目を凝らしていれば、やがて登場人物たちの抱えているいろいろが見えてくる舞台。
集団制作というめったにない手法が、この肌理の細かい舞台を織りあげているのだろか。

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

Aga-risk Entertainment

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2016/09/09 (金) ~ 2016/09/11 (日)公演終了

シチュエーションコメディへの愛を感じる
シチュエーションコメディの有名作品2つに対して、それぞれのあり方を否定するような言動を見せながら、実はそのシチュエーションコメディが大好きだと大声で叫んでいるような作品。単にパロディではない、メタパロディとでもいうべきか。(もしくはツンデレ?)
元になった作品を知らなくても笑えるが、知っていればさらに楽しめる。

ネタバレBOX

「ワイフ・ゴーズ・オン」
芝居の約束事としてスルーされてきた不自然(感動的な場面ではどこからともなく音楽が流れる、とか)を、合理的に処理しようとする役者たち。それぞれがいろんなところに引っかかって進行が滞るアクシデントの連続のように見せながら、時計代わりに表示されるカウントダウンぴったりに終劇する、つまりすべては計算されていたことが示されるラストが凄い。

「笑いの太字」
自作の上演許可を出さない作家を批判しているようで、とにかく生の舞台を見たいんだよ、と熱烈なラヴコールを送っている。
やらせてもらえるといいですね。
10分間2016 ~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

10分間2016 ~タイムリープが止まらない~【ご来場ありがとうございました】

中野劇団

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2016/08/19 (金) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

ひとは10分間で何ができるか
ループする時間から抜け出そうと(つまり未来を変えようと)努力する人の必死さと、それ以外の人の脱力感にあふれた日常のかみ合い方がたまりません。状況が変わると微妙に人の反応の仕方も変わる。
ひとは10分間で何ができるか。意外といろんなことができる(ちゃんと学習すれば)。
緻密な伏線としだいに判明してくる必然的偶然。とても完成度の高いお話。

ネタバレBOX

10分間の冒険の結果得られたものは、学生時代によくある、約束したまま果たされないでいる希望ー自分たちの映画を撮ることーの実現。(その映画の内容が、たぶん、この10分間の冒険)
それを実現させるのに最もふさわしい偶然が重なっている今、それを顕在化させるために奇跡が起こる。
ついでに主人公のラブロマンスも最後にちょっと進展して。
みごとな大団円でした。
一家団欒

一家団欒

魚クラブ

ウイングフィールド(大阪府)

2016/07/16 (土) ~ 2016/07/18 (月)公演終了

お父さんは孤独
息子に殺された両親の眠る墓に、当の息子が死んでやって来る。なんとか温かく迎えようとする親たち…
80年代の作品だが、変わらず今日的。3人のお父さんが出てくるが、みんな家族の中に居場所がない。
ドラエモンがオシャレなのは21世紀かも。

屋根のない城

屋根のない城

ムーンビームマシン

HEP HALL(大阪府)

2016/06/11 (土) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

短編は軽やか
久しぶりのムーンビームマシン。短編三つのオムニバス。
長編ががっつりフルコースだとすれば、こちらは軽やかなオードブル盛り合わせ。食い足りないか、胃もたれしなくていいかは、ひとそれぞれだろう。
「玩具修理工場」というラブコメ(ギャグ寄り)に、不必要なほど豪華な歌、ダンス、マジックetc.…この、もったいないほど無駄な贅沢感がすばらしい。

おしてるや

おしてるや

真紅組

近鉄アート館(大阪府)

2016/04/22 (金) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

目も綾な絵物語
夏の陣後、焼け野原になった大坂の町で道頓堀川(あれは人工の運河)を完成させようとする人たちのお話。という歴史物語のふりをしたひそやかなラブロマンス。
衣装も踊りもきらびやかで美しい。

鉱石

鉱石

南鳥島ロランC局

アトリエ劇研(京都府)

2016/03/18 (金) ~ 2016/03/20 (日)公演終了

チラシそのままの舞台美術
再現率の高さに驚きました。
お話は実力ある男性俳優たちの対話劇。
そしてここにいない女性の存在感。ロランCという、今はない、自分の位置を知るための電波のことをパンフレットではじめて知りました。

Bar あの夜3

Bar あの夜3

真紅組

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2015/11/13 (金) ~ 2015/11/15 (日)公演終了

番外公演らしく
力を抜いて、でも手は抜かない丁寧なつくり。
歴史上の人物によるガールズトークは、なかなかネタ切れにはならないらしい。3回目の今回は、結婚に幸せを求めた女たちと、自力で成り上がった女たちそれぞれの無いものねだり。後半、自力組の女たちの迫力はさすがの貫禄。

くろねこちゃんとベージュねこちゃん

くろねこちゃんとベージュねこちゃん

DULL-COLORED POP

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2015/09/01 (火) ~ 2015/09/02 (水)公演終了

家族ってひとつのフィクション
自分の犠牲の上に家族は成り立っていると思い込んでいる(はためいわくな)母親はそのひとつの典型で、その思い込みを守ってやろうとする息子は、家族を思いやっているのか、優しい息子の虚構を生きているのか。みんな、フィクションの線上を歩いている。たぶんだれでも。

Kのトランク

Kのトランク

魚クラブ

パシフィック・シアター(大阪府)

2015/09/20 (日) ~ 2015/09/22 (火)公演終了

やはりよくできた台本でした
良い家族を演じようとする痛々しいまでのはしゃぎっぷりの空虚さも、所有と愛の区別がつかない息子のロクデナシ度も(彼は父親に向かって、あなたは僕の「所有者」なのだから希望と生きる方向を指し示さなくてはならないという)、初演時よりも現在、理解されやすい時代になったのではないかという気がする。

GOLD BANGBANG!!

GOLD BANGBANG!!

壱劇屋

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/20 (月)公演終了

やりきった感がハンパない
オープニングのダンスシーンをなかなかの完成度だと思う。ストーリーも一応あるが、それらは全てネタフリだったのだと思い知る怒涛の20分間(これも一種のダンスシーンか?)。人間って生身でこんなことができるんだ。

ネタバレBOX

巻き戻しのアイデアは昔からあって、短いものならそこそこ見るが、どこまで徹底できるかは役者の体力と力量しだい。これはすごいの一言。
社会のまど開放戦線、秋

社会のまど開放戦線、秋

コトリ会議

KAIKA(京都府)

2014/12/29 (月) ~ 2014/12/30 (火)公演終了

エアコンの風でくるくるするカラスが好きでした
キュートな舞台美術。そこで展開するちょっと不思議なテイストのお話はコトリ会議らしいが、リアルの度合いが今までにない感じだった。作・演出の山本氏が主演も兼ねるのは、たぶんレア。

ネタバレBOX

絵にかいたようなタヌキさんが車道を横切り、とっても擬人化された信号機さんはあいかわらずじっと立っている。小さな犬小屋にはぬいぐるみのようなポチごろうがいて、おみやげに缶詰をもたせようとするお母さんは36歳。
久しぶりの実家はなにも変わっていなくて、だからこの夜は悪夢のように明けない。時間や出来事がぐるぐるする。それはでもたぶん、自分のいろいろなものを置き去りにしてきてしまったという罪悪感のせい。周りのひとたちはやさしい。いい故郷だなあと思う。
五月雨の夜に吼える犬

五月雨の夜に吼える犬

EVENT-STATION.

王寺町地域交流センター(奈良県)

2014/11/01 (土) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

本水にびっくり
凝った当日パンフレット、色鮮やかな衣装などのビジュアルの美しさはいつものことだが、今回は特に板蓋宮や上宮王家など、背景美術もがんばってるなあと思って見ていたら、クライマックスの雨のシーンで本当に水が落ちてきた。スタッフの頑張りもだが、本水を許したリーベルホールの雅量にも感心。

「ガベコレ」準備公演その2

「ガベコレ」準備公演その2

極東退屈道場

カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)

2014/09/27 (土) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

いまだ全貌は見えず
地下鉄には巨大な陰謀がかくされているとか、町中でよくみる駐車場をめぐる冒険とか。都市の日常風景、見ているけど見えていないことを材に演劇を作っていた前作、前々作。
今回はGarbage Collection(ごみ収集)。きっと面白いはず、と準備公演は両方見た。動きは美しく、重なる台詞はそれなりに楽しめたが、まだ全体像は見えてこない。

LINX’S PRIME

LINX’S PRIME

演劇ソリッドアトラクションLINX’S

TORII HALL(大阪府)

2014/09/27 (土) ~ 2014/09/30 (火)公演終了

やっぱりお祭り
終始テンションが高くって、疲れましたが楽しめました。
出演劇団の平均年齢がずいぶん若く、しかも(意図してかどうかわからないが)男子の劇団ばかり。下ネタと、拳で殴るシーンが頻出するのはそのためでしょうか。
東京からの「犬と串」は下ネタを「見せる」という点で一日の長がある感。他の劇団の下ネタはもっと内的必然によるものというか…

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