庭劇団ペニノ『アンダーグラウンド』
庭劇団ペニノ
シアタートラム(東京都)
2010/06/06 (日) ~ 2010/06/13 (日)公演終了
満足度★★★
わけのわからないものへの郷愁
初演を見ている。そのときはわけのわからないものを見せられている感じがしてしびれたものだった。ある意味で観客を置いてけぼりにしてどんどん進んでいくその勢いに感動したのだ。
今回は良くも悪くも、観客にやさしくなっている。そして、初演が「わけのわからないもの」だったとすれば、今回は確実に「演劇」のほうに近づいている。
スズナリとシアタートラムでは、劇場の制約も違うし同じことはできないのだと思うが、個人的には、密閉された空間で突き放されつついけないものを覗いているような感覚を味合わせてくれた初演のほうが好みであった。
「おねがい放課後 (志賀ちゃんセブンティーン)」(タイトルと設定年齢が変わりました)
ハイバイ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2007/05/24 (木) ~ 2007/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
こんな志賀さんは
いろいろけなされている「おねがい放課後」ですけど、こんな志賀さん映画やテレビじゃ見れないし、演劇でだって、信頼できる中年男性とか大学教授とかの役とか固定化されつつあるのに、こんな役をあてた作者はえらいと思う。だって、志賀さんがごにょごにょ・・・(内容はネタバレBOXに)
20歳という設定にしてはちょっと幼いのかなという印象はありますが、そのナイーヴさ加減が男心をくすぐります。
原点に立ち返って、志賀さんがこの役をやっているおかしさをもっと評価しよう。
チューブラルーム
双数姉妹
新宿シアタートップス(東京都)
2007/05/26 (土) ~ 2007/06/03 (日)公演終了
満足度★★
楽しみにしていただけに
最後列から見たからなのだろうか、見ていて寒く感じられた。
感性的に書かれた軽いセリフを、熱演している役者たちがとてもいやだった。
劇作家の頭の中にある社会って、会社(それもステロタイプされた)か学校しかないのだろうか。それだけじゃ、話に広がりが出ないと思う。
舞台装置の使い方はおもしろいが、ガタガタとうるさい。
劇中歌も寒い。CDにするほどではない。
後説の役者紹介と物販を困惑気味にする役者たちにも疑問。
話が暗くて、初心者には勧められない。
幻戯(げんぎ)
机上風景
タイニイアリス(東京都)
2007/05/23 (水) ~ 2007/05/28 (月)公演終了
満足度★★★
小説のような
岸田國士のような世界。
間の多い散文的な演出も作者の世界を壊していない。
淡々としていて、私は寝てしまったけれど。
ご招待ありがとうございました。
若い夫のすてきな微笑み
城山羊の会
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2007/04/25 (水) ~ 2007/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
芝居にリアリティなんかいらない
芝居を見ているということ自体が、うその世界に身を投じるということなのだから、脚本やましてや舞台美術などにリアリティなどいらないのだ。見ている人間が、想像力を働かさせる余地がどれだけあるかが、芝居の一つの醍醐味なのであって、そういう意味で私は、この芝居の嘘に心地よく浸ることができた。確かにありえない話だ。だが、ありえない話であっても、会話や芝居の雰囲気を楽しめればそれでいいのではないだろうか。大人の人なら楽しめる舞台になっているはず。ただ、18禁にしたほうがいいかもしれないと思った。