猫の恋 昴は天にのぼりつめ
秋田県演劇団体連盟
秋田市文化会館(秋田県)
2010/01/29 (金) ~ 2010/01/30 (土)公演終了
満足度★★★
場内の温度
はじめのうち心なしか会場に空気の重さを感じる。
ところが、中盤で猫役のおじいちゃんがしゃべりはじめてからはフッと空気が流れ出したように感じた。
それ以降、役者・客席ともに暖かい感触。最後まで楽しく拝見させてもらいました。
おやつの時間堂[proof]
時間堂
王子小劇場(東京都)
2007/08/13 (月) ~ 2007/08/19 (日)公演終了
満足度★★★★
本番を観ました
一週間で、それも公開稽古の中で作ったとは思えない完成度に驚かされた。
観終わった後、タイトルの「proof」という言葉が、定理の“証明”としての言葉のみならず、登場人物それぞれの存在の“証明”として、せつなく胸に届いてくる。
あぁ、制作過程も観たかった・・・・・
flow
I.S.O.T
シアターブラッツ(東京都)
2007/08/16 (木) ~ 2007/08/19 (日)公演終了
満足度★★★
京都発、リオのカーニバル
数々の破綻の中、強烈な個性とグルーヴ感で駆け抜けていく。
こんな激しい芝居を観たのは久々。
下ネタNGな彼氏彼女と行くのはキビシいかも。
下ネタOKならむしろ行くべし!
セリフ噛んだ数に応じてキャッシュバックもあるらしいので、
そんなサディスティックな楽しみ方もアリか?
『放埒の人』はなぜ『花嫁の指輪』に改題されたか あるいはなぜ私は引っ越しのさい沢野ひとしの本を見失ったか
燐光群
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2007/05/20 (日) ~ 2007/06/17 (日)公演終了
満足度★★
ほのぼのが永遠に続きそうな
原作に関して全くの知識なく観たものの、十分に楽しめる内容。
今までの燐光群のイメージとは違い、とてもほのぼの。そしてほのぼのしつつもハチャメチャな沢野さんの人生がまた面白い。
・・・・・・が、やっぱり長過ぎた。
ほのぼのも永遠に続くかと思った瞬間絶望に変わってしまう。
小泊の長い夏
渡辺源四郎商店
ザ・スズナリ(東京都)
2007/07/12 (木) ~ 2007/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
こりゃ他人事じゃねぇぞ
ぎこちない人間関係の隙き間から、ときおり見え隠れする温暖化が進んだ日本、そして温暖化による難民の存在という背景。
荒唐無稽な設定ながらも、人々の様子を観ているとなんとなく納得させられてしまう。「温暖化が進んだ青森」の描き方が妙にリアルだ。同じ北東北で育った人間として、「こりゃ他人事じゃねぇぞ!」と1人ハラハラさせられながら舞台に釘付けになっていた。
人間♥失格
ポツドール
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2007/07/06 (金) ~ 2007/07/16 (月)公演終了
満足度★★★
蔑
グロい芝居とわかっていても、やはりバイオレンスな描写があると思わず抵抗を覚えてしまう。今回はビジュアル的なグロさというより、負の生活感というか、漂う雰囲気の生々しさみたいなものにヤラレてしまった。
上演中、ところどころで笑いが起こる。よくよく見てると、感情移入して笑ってる人はいない。みんな目前の対象物を蔑んで笑ってる。・・・・・本当にグロいのは舞台の上じゃなくて、それを観てる客(自分含む)かも。
マトリョーシカ地獄
クロムモリブデン
サンモールスタジオ(東京都)
2007/04/19 (木) ~ 2007/05/01 (火)公演終了
満足度★★
狂騒、狂騒、また狂騒
狂騒の中に潜む狂騒、開けてみる度に出てくる新しい暴力性。
それがトコトンめちゃくちゃで、みんなあまりにも必死で。
良くも悪くも、すごくパワフルで凶暴な芝居だと思う。
目の前の光景に引きつつも、思わず笑わされてしまった。
授業1980
劇団東京乾電池
OFF OFFシアター(東京都)
2007/04/20 (金) ~ 2007/05/06 (日)公演終了
満足度★★★
笑ってはいけない、みたいな
ウジェーヌ・イヨネスコの名作、という重々しい肩書きにも関わらず、そんなこと一切無視して“面白く”やることにトコトンこだわったような作品。
内容が内容だけに非常にわかりづらい作品なのだけれども、それを楽しそうに、ひたすらバカにやられると、観てるこっちも思わずつられて笑ってしまう。
「アレ、これって笑っていいの?・・・・・やべ、笑ってしまった!」、みたいな。
ピンポン、のような[07再演版]
時間堂
王子小劇場(東京都)
2007/04/26 (木) ~ 2007/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
「贅を尽くした」っていうのは、こういうことかなぁ
後で冷静に考えてみると、伏線や人間関係がすごく複雑な芝居だと思うのだけども、観ていてなぜか気にならなかった。
見終わったあとに、ふんわりとした、柔らかくて温かい感覚があって、しばらくその場を離れたくない気持ちに駆られてしまった。
踏みとどまってる自分の背中をポン、と押してもらったような、そんな気がする。
照明も3パターンあるということで、残りの2パターンがどういうプランになっているのかがとても気になる。いろんな意味で贅沢な公演だ。
東京ノート
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2007/04/19 (木) ~ 2007/05/14 (月)公演終了
満足度★★★★
外界の音が・・・
沈黙するという行為がこれほどまでに創造をかき立てるものだとは・・・戯曲を読んでから観劇したのだけれど、戯曲にはない「沈黙」に、観ている側はただただ想像するしかなくて、もう目が離せなくて。
唯一残念だったのは、観劇した日の天気が悪く、雷の音で集中力を裂かれてしまったこと。沈黙が饒舌に語る舞台なだけに、雷でそれが聞き取れないのはとても悔しかった。
スワチャントッド
劇団千年王國
生活支援型文化施設コンカリーニョ(北海道)
2007/04/11 (水) ~ 2007/04/17 (火)公演終了
満足度★★★★
文字と音符、多いのは・・・どっち!?
役者の肉体、それを包む劇場、そしてそこから続く日常も、そんなこんなを全部1つの楽器にしちゃったような、そんな舞台だった。
物語の人間関係が多少(いや、けっこう)複雑でとっかかりにくくもあったけれど、言葉を追うことを辞めた途端に、不思議とスーッと受け入れられた。
もし次に観る時間があれば、思い切って目隠しをして観に行きたい、そんな気にさせる芝居だ。
僕たちの好きだった革命
サードステージ
道新ホール(北海道)
2007/03/16 (金) ~ 2007/03/17 (土)公演終了
満足度★★★★
僕たちの好きだった・・・
第三舞台時代と比べてどっちが「革命」っぽいかと問われたら、そりゃ昔の方が革命でしたよ。当時の俺には衝撃だったもん。
けど、エンターテインメントとしては今回の方が上質だと思うし、しつこい感もあるけれど“演劇”的だ。多分初めて芝居を見る人がその楽しさを知る分にはとてもいい芝居なんじゃなかろうか。
見終わった後、なんとなくいろんな思考を強制されるような、不思議な感覚に襲われている、ちょうど今。
長屋紳士録
劇団東京乾電池
扇谷記念スタジオ・シアターZOO(北海道)
2007/03/13 (火) ~ 2007/03/15 (木)公演終了
満足度★★★★
土俵際な感じが・・・
いい。
常に破綻と隣り合わせで、綱渡りしながらやってる。若手以上に柄本さんはじめベテラン勢が特に。
小津映画の名作をまんま、カット割りまでそのまんま再現してしまうんだから・・・本来ならばウェルメイドなドラマになるはずのものが、ナンセンスギリギリの人情劇に。
でもそこが、いい。
セルロイド
演劇企画集団THE・ガジラ
ザ・スズナリ(東京都)
2007/02/08 (木) ~ 2007/02/21 (水)公演終了
満足度★★★
物語・・・じゃないんだろうな、コレは
それぞれが抱える過去のトラウマが、何かしらの出来事をきっかけにフラッシュバックする。
最初はぼんやりしてて単調だなぁ〜、というのが正直なところだったが、後半になり急激な展開を見せ、目が離せなくなる。物語・・・というよりは、演劇的な興奮。物語に入り浸るんじゃなく、そこにいる俳優の肉体と音・光から目が離せなくなる。
けれども、最後がちょっぴり説教じみてて、私はかなり引いてしまった。それまでが面白かっただけに尚更。
『ひかりごけ』のときのような硬質な感はなかったものの、ときにヒステリックに、ときにコメディタッチに迫ってくるさまはなかなかのもの。
廃園
箔紐夢劇場
扇谷記念スタジオ・シアターZOO(北海道)
2007/02/16 (金) ~ 2007/02/18 (日)公演終了
満足度★★
声、声、声・・・声ですよ
幾何学的な形状の舞台、ちょっぴりアジアンテイストな電球、ドラマティックな照明、そんな空間で繰り広げられる人魚と人間たちの物語・・・
舞台美術・照明ともに好印象で、劇場に入った瞬間「キレイだなぁ」と思わされる。しかし、開演して俳優が台詞を喋り出すと同時に、何かがすーっと遠のいていった。
少なくともオレにとっての“良い俳優”とは、全ての台詞をナレーターのような外向きのキレイな声で喋り続ける人間じゃない。
役者って“装う”というよりは弱さ汚さを“曝け出す”ことの出来る存在だと思うのだが・・・そういう人の方がオレは惹かれるし、心揺さぶられる。
まぁ、本当にキレイな声でナレーション出来るのなら、それはそれで魅力だろうけど。
Who Are You ? Who Am I ? II
RUSH!!
扇谷記念スタジオ・シアターZOO(北海道)
2007/02/09 (金) ~ 2007/02/11 (日)公演終了
満足度★★
そんなに固くならんでも
主人公がアイデンティティを探して自分の精神世界へ・・・内容として少し青臭さの残る感は否めない。ただし、脇を固める役者さんはけっこう“粒”揃い(なぜか男性陣だけ)。役者個人としては面白いのだが、周りから浮いてる。
だが如何せん主人公がカタイ。台詞のテンポが悪く、なんだかもどかしくなる。
役者さんはとても印象に残ったのだけれど・・・
イナダ祭り
劇団イナダ組
生活支援型文化施設コンカリーニョ(北海道)
2007/02/07 (水) ~ 2007/02/11 (日)公演終了
満足度★★★
ドレス×水着×芝居=Priceless
2月10日19:00の回
イナダ組初観劇。
★赤チーム『慌テズニ急イデ』 作・演出/納谷真大
★白チーム『うさぎちゃん頑張ったね!』 作・演出/江田由紀浩
の2本を観劇。
『慌テズニ急イデ』
囚人たちの日常と、そこに入り込んでくる些細な変化。そしてそこから始まる大きな変化。
ナンセンスな話になるのかと思いきや、後半から徐々に物語は変化を見せ、クライマックスに向けて一気に収束していく。少し軽めな印象もあるけれど、オーソドックスにまとまった作品という感じ。
『うさぎちゃん頑張ったね!』
コスプレあり水着あり、おむつあり(?)の父と子の愛憎劇!?
つま先から髪の毛の一本一本に至るまで“破綻”が満ち満ちている。
けれど無駄にパワーはある。
まさにナンセンス オブ ナンセンス!
水着は微妙に目のやり場にこまる・・・いろんな意味で圧倒されっぱなし。
超訳「リチャード三世」
楠 美津香
扇谷記念スタジオ・シアターZOO(北海道)
2007/01/26 (金) ~ 2007/01/27 (土)公演終了
満足度★★★
激情ほとばしる2時間30分
前説にて「開演時間は2時間30分を予定しております」とのコメントにびっくり!
一人芝居で2時間30分も続けられるのかという観客の不安を尻目に、ものすごい早さで突っ走っていく。
「リチャード三世」の複雑な歴史的背景ゆえか、途中途中で飲み込めなくなる瞬間はあったものの、物語がクライマックスへ向うに連れ、語りはさらにヒートアップ。最後のリチャードの死の場面はまさに圧巻!
全速力で駆け抜けた2時間30分だった。
・・・まぁ、それでも長いなぁ。
Life
CAPSULE
演劇専用小劇場BLOCH(北海道)
2007/01/19 (金) ~ 2007/01/21 (日)公演終了
満足度★★★
細やかな気遣いがうれしい
当日の折り込みチラシを、本屋さんでもらうような紙袋にユニットのロゴマークを入れたやつでまとめていた。
チラシがかさばらないうえにデザインにも気遣いが見えて少し嬉しい。しかももれなくオマケで公演ロゴが入ったカプセルが付いてくる。これも小物として完成度高し!
・・・そういう細かい気遣いはすごく嬉しいのだけれども、コント自体は少しパンチ控えめ。そんなわけで徹夜状態の身には辛いところもあった。
ネタや美術の中にもこういう細やかさが見えたら素敵だったと思う。
Dream in Baghdad
Al-Kassab and his group Mustaheel−Alice
扇谷記念スタジオ・シアターZOO(北海道)
2007/01/15 (月) ~ 2007/01/16 (火)公演終了
満足度★★★
フルーティー
言葉はなく、あるのは俳優の肉体のみ。
俳優の肉体から放たれる激しい感情が痛々しいほどにぶつかってくる。全く異なる文化的背景を持つ作品に対して、何かしら分析を試みるのは不可能というもの。
ただただ目の前で繰り広げられる暴力の前に圧倒されるばかりだった。
また暴力的である一方、私が今まで観た芝居のなかで最も“フルーティー”な芝居でもあった。
観ればわかる、ホントに“フルーティー”。
東京と仙台の方は是非!