墨を塗りつつ
風雷紡
サンモールスタジオ(東京都)
2010/08/11 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
墨の下に隠されたそれぞれの思い
小さなハコながら、しっかり作りこまれたセットが一挙に作品へと
誘ってくれます。しかし、かなり説得力を持って作られた立てこみだけに、
逆に小道具の扱いや着物の着方など、細かいところで慣れてないところが
浮き彫りになってしまったのは、ちょっと残念。
演出も、障子の開閉での場面転換や、記憶を巡らすシーンでの音の使い方、
照明の当て方など、とても丁寧に考えられていて効果的で良かったです。
役者さんについては
蒻崎今日子さんの圧倒的な存在感は凄まじく、及川健さんは戦争の悪夢と
自責の念と闘いもがき苦しみ一つの決断を下すという複雑な役を好演。
また、祥野獣一さんや小鷹未菜さんは、あの時代に生きる人々の存在感を
さりげなくそして確実に感じさせ、作品のリアリティを支えていました。
キーパーソンである吉水雪乃ちゃんが、重く苦しいドラマの中への
清涼剤でもあり、同時にこの家に起きた悲劇への切なさも出していて
名演でした。
余談ですが、製糸工場を営む家の嫁の名が「繭美」、娘が「絹代」というのは
ちょっとした遊び心で面白いですねw
緋の鳥
少年かしこ
OFF OFFシアター(東京都)
2009/11/18 (水) ~ 2009/11/23 (月)公演終了
満足度★★★
輪廻転生は生のなかにある
手塚治虫の火の鳥をモチーフにしつつ、古事記やギリシャ神話などを
絡めながら「メタ」ミステリー仕立ての複雑な多重構造になった心理劇。
何が妄想で、夢で、現実かを曖昧にしながら話が進んでいく。
なかなか深いテーマを取り上げて健闘していたと思います。
ちょっと導入部が、おちゃらけた感じで始まってしまうので、
(それもメタ構造の一部であるのだけれど)
わかりずらいというか、入りにくさがあるのが勿体無いかな。
せっかくシンプルで熱いメッセージがこもっているのに。
最後の料理人
味わい堂々
OFF OFFシアター(東京都)
2009/11/26 (木) ~ 2009/11/30 (月)公演終了
満足度★★★★
良い、味わい、してます。
それぞれのキャラクターが個性的で面白く、伝説の言い伝えなのか、
御伽噺なのか、妄想なのか、現実なのか、歪み揺れ動きながら渦を巻いて
核心へ。
水ぶっ掛けるわ、ほんとに料理するわ、女だらけの、本気度高い舞台。
冒頭のアニメーションも楽しい。
映画「曲がれ!スプーン」【12月より舞台版全国ツアー開始!】
映画「曲がれ!スプーン」製作委員会
※劇場情報は公式HPにてご確認下さい。 (東京都)
2009/11/21 (土) ~ 2009/12/31 (木)公演終了
満足度★★★★
こんな奇跡があっても、いいかもしんない
先日、試写会で見てまいりました!予想にたがわず、ゆるゆる~なムード
ながら、テンポのいい会話、そして実は緻密に積み重ねられた展開!!
役者の皆さんも個性的な面白い方々ばっかりで、とても楽しめました。
サマー・タイムマシン・ブルースの映画を見ている人には楽しめる特別出演も
あり、嬉しかったです。舞台版も観たくなりました♪