
泥棒とキツネとある夜と
ロマングラス
水性(東京都)
2026/08/06 (木) ~ 2026/08/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2026/08/08 (土) 18:00
価格4,000円
舞台はもともとクリーニング屋さんの店舗だった場所。
その名残として、楕円の形をしたキャスター付きの大きな機械が
残っているのですが、それを上手に使っていました。
舞台上の道具はこれだけ。
この機械を、役者さんたちがその都度移動させるんです。
その機械がどこに置かれるかによって、場面が分かるんです。
洞窟の中だったり、女と逢う場所だったり…
大きな話の流れは、主人公の男(泥棒)が、子キツネの母親を探すというもの。
でも実は、泥棒には思い当たる節が……。
この大きな話の流れと、泥棒と女とと逢い引きが、どうも今ひとつ結びつきません。
逢い引きのわずかな時間だけは、泥棒は一切の現実を忘れて夢中になれた…ということかな?
子キツネがすごく愛おしかったです。
「後日談」も読みました。
ありがとうございました。

ゴールデン・エイジ
劇団俳小
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2026/08/06 (木) ~ 2026/08/12 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/08/06 (木) 18:30
価格3,500円
タスマニアを探検していた地質学者ピーターと技術者フランシス。
奥地の原生林で、謎の人々と出会う。
彼らは数百年間、文明社会から遮断された人々であった。
もはや言葉も通じない。
独特の文化を持つ彼らを目の当たりにして、
ピーターとフランシスは途方に暮れる…。
論文で彼らを発表することで、自分の功績にしようと企む学者。
ナチスが掲げる「優生思想」を裏付けることになるからと、
彼らの存在をひた隠しにする政治家。
さまざまな思惑が絡み合っていきます。
近親交配を繰り返したせいか、彼らの中には障害を持つ人も居て、
障害者に対する姿勢もまた、テーマのひとつです。
さらに、第2次世界大戦。
ドイツとの戦争が、物語にも暗い影を落とします。
とてつもなく壮大な物語。
途中休憩ありの3時間弱。
複雑なストーリーを分かりやすく、テンポ良く展開していきます。
フライヤーの絵がとても素敵です。
いろいろ考え、いろいろ感じた、大満足の劇でした。

「TOKYO SLUM」
TRASHMASTERS
上野ストアハウス(東京都)
2026/07/30 (木) ~ 2026/08/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/07/30 (木) 19:00
価格6,000円
社会派の劇です。
テーマは大都会東京に蔓延する貧困。
派遣会社の社員:秋野が主人公です。
彼の担当する派遣社員が、家族の介護のためにやむを得ず遅刻をする(繰り返す)。
秋野の上司は、派遣先の体裁を気にして、別の社員を充てるよう秋野に指示を出す。
派遣社員は新たに自宅での内勤の仕事を紹介されるも、収入が減る。
秋野はこの件で上司と対立し、会社を辞めることに。
秋野は収入を絶たれ、家賃が払えずホームレス状態になります。
本人の予期せぬ病気、子育てや親の介護…
小さな歯車がひとつ狂えば、たちまち転職・離職を余儀なくされる
たちまち契約解除を言い渡される現代社会。
私たち誰もが、そうなる可能性を持っています。
社会派の劇とはいえ、妙に説教くさかったり、
勧善懲悪の道徳劇のような所はまったくありません。
秋野を中心にして少しずつ、事態は良い方向へと進んでいきます。
途中休憩をはさんで2時間50分の長編ですが、
決して退屈させることなく、テンポ良く進んでいきます。
チラシのデザインがイイですね。
いろいろと考えさせられる、実りのある劇でした。
ありがとうございました。

「水平線の歩き方」【Mura.画】
Mura.画
北池袋 新生館シアター(東京都)
2026/07/24 (金) ~ 2026/07/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/07/25 (土) 13:00
価格4,500円
成井豊さんの脚本ということで興味を持ちました。
フライヤーのデザインもよかったので、観劇しました。
独身のサラリーマン幸一が帰宅すると、幼い頃に死に別れた母アサミが居た…
という設定です。
母と死別してから社会人になるまでの幸一の半生が、徐々に明らかになります。
そして最後に、なぜ母と再会できたのかも明らかに…。
成井さんの脚本は本当に面白くて、一気に引き込まれます。
幸一を演じた多田さん、アサミを演じたバンビさん、迫真の演技でした。
冗長なシーンはなく、かといって詰め込みすぎず、ちょうど良いテンポで進んでいきます。
成井作品の良さを十二分に引き出す演出、役者さんたち。
大満足の70分でした。
最後のシーン、感動的でした。
本当によかったです。
ありがとうございました。

鯛の鯛
劇団きらら
インディペンデントシアターOji(東京都)
2026/07/10 (金) ~ 2026/07/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/07/12 (日) 11:00
価格4,000円
熊本で活躍されている劇団と知り、興味を持ちました。
前座で池田さんからご挨拶があり、その際「鯛の鯛」について説明がありました。
「鯛の鯛」の実物も見せて頂きました。
地元の不動産屋が舞台です。
ここに出入りする人たちの、それぞれの物語。
アルバイト店員の藤原さんは内見をこなし、通信講座でブラッシュアップを狙います。
ベテラン社員の後藤さんは、百戦錬磨の強者。
「今夜の夕食だけをイメージ」しながら、淡々と仕事をこなしていきます。
関西から引っ越してきた客佐伯さんは、少々変わり者。
でも底抜けの明るさで、いつしか社員たちと仲良しに。
街の不動産屋で日々起こる出来事は、まさに社会の縮図。
「いや~ね、新聞に載らん大変なことなんかいっぱいあるよ」
脚本が面白くて、あっという間の90分でした。
独特のテンポ。丁寧な演出。
そして何より役者さんたちの情熱がヒシヒシと伝わってくる、
とても味わい深い舞台でした。
とてもとても、よかったです。
熊本、宮崎、そして東京。
さぞかしお疲れの事と察します。
また、東京に出てきてくださいね。

ハイウェイの煙
劇団ゴラクザ
SCOOL(東京都)
2026/07/03 (金) ~ 2026/07/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/07/03 (金) 19:00
価格3,000円
高速道路のサービスエリア(SA)にある喫煙所。
夜遅い時間の喫煙所に、いろんな背景を持った人たちが集まってくる。
日帰りバスツアーの参加者、お墓参りに行ってきた人、浮浪者のおばあさん…
抽象的な要素は全くなくて、我々の日常を切り取ったような設定です。
そんな脚本を、場数を踏んだ役者の方たちが上手に演じていきます。
妙な緊張感もなく、ウケ狙いの安っぽい台詞もなく、
淡々とストーリーが展開していきます。
でもこれで終わったら平凡すぎて退屈。
後半の、ユウカと息子のシーンがミソですね。
あのシーンを読み解くのが醍醐味ですね。
とてもいいお芝居でした。大満足です。
当日会場に早く到着したら、受付で仲程さんにお相手して頂き
楽しい時間を過ごしました。
ありがとうございました。

現代韓国演劇上演「四番目の人」
名取事務所
「劇」小劇場(東京都)
2026/06/19 (金) ~ 2026/06/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/06/23 (火) 18:30
価格5,000円
殺人事件が発生し、容疑者が捕まる。
取り調べが終了し、起訴の段階になって真犯人が現れる。
自ら犯行を自供する真犯人に対して、
担当の検事は一向に構わず、容疑者を起訴して有罪に。
数年後、今度はその検事の娘が殺人事件の容疑者として捕まる。
検事はあらゆる手を使って娘の無罪を勝ち取ろうと奔走する…
韓国で実際に起こった2つの事件をヒントに脚本が作られたようです。
冤罪の問題、検察(検事)の暴走、貧富の格差、子供との向き合い方…
現代社会のいろんな問題を孕んだ作品で、とてもよかったです。
役者さんたちはお上手で、隙のないキレッキレの演技。
舞台の光の使い方(色やタイミング)がグッドでした。
パク=ヨンミさんの曲も良かったです。
登場人物の中で「四番目の人」とは誰なのか?をずっと考えています。

この上のない下水筒
コトリ会議
アトリエ春風舎(東京都)
2026/06/12 (金) ~ 2026/06/17 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/06/15 (月) 15:30
価格3,800円
劇が始まって以降、舞台と客席を包み込む空気感が、
いい意味でピリッとしていました。
役者さんの台詞の抑揚・間の取り方・主張する照明…
今までに経験したことのない空気感でした。
朝倉くんが急逝したあと、
中学校の同じ部活だった同級生4人が集まります。
思い出話に花が咲く…といったのどかな感じは全く無い。
むしろ、朝倉くんと部員たち、そして部員同士の間に
当時さまざまな思いや感情があり、感動や共感・すれ違いや悲しみの
あったことが明らかになります。
そしてそれらは、現在進行形でもありました。
話の流れや台詞に抽象的なところは全くないのですが、
全体的にかなり抽象度の高い作品でした。
観たあと、自分の中で消化する(咀嚼する)のに時間のかかる劇でした。
咀嚼した結果、タイトルの「この上のない下水筒」が持つ意味が分かる
ところまで行ければいいのですが、まだまだです。
質の高い、イイ劇を観せていただきました。
ありがとうございました。

班女/弱法師
若林瑞季プロデュース公演
サブテレニアン(東京都)
2026/06/11 (木) ~ 2026/06/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/06/13 (土) 18:00
価格4,000円
昨年夏に「藪の中」を観劇しました。
近代文学の作品に依拠しながらも、
それを現代風にアレンジした脚本が素晴らしかったです。
それゆえ、今回もチラシを拝見して、ぜひ見たいと思いました。
「班女」過去に身を焦がした男性を、いつ来るとも分からずに駅で待ち続ける狂女。
「弱法師」盲目の若い男性の親権をめぐって争う、生みの親と育ての親。
今回の作品でも、そのアレンジのすばらしさが遺憾なく発揮されていたと思います。
三島由紀夫は、大好きな作家です。
彼の作品の言葉の美しさに魅せられました。
日本語とは、こんなにも豊かで、こんなにも美しいのかと気付かされました。
今回の劇でも、役者さんの口にする言葉が美しいなぁと感じました。
素晴らしい劇を観せていただきました。

不溺の泳法
劇団よけいの事
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2026/05/28 (木) ~ 2026/05/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/05/30 (土) 13:00
価格4,000円
廃れた町の団地に住む専業主婦が主人公です。
同じ団地に住む老婆から、
突然声を掛けられるところからストーリーが始まります。
この品のよさそうな老婆、実は詐欺師。
老婆は主婦を誘って、団地のお年寄りをサポートする活動を立ち上げる。
表向きはボランティア。
しかし、実はお年寄りに上手く付け入って、金品をたかろうとする狙い。
ストーリーが面白くて、スグに引き込まれます。
役者さんもみなさんお上手です。
主体性の無い専業主婦もいいです。
中でも、老婆を演じる役者さんが白眉でした。
そして、勧善懲悪型の脚本では無いところもグッドでした。
都会から戻ってきた、自称コンサルタントの怪しい男。
老婆は主婦に代わって、この新たなパートナーと詐欺を続けていきます。
派手ではないけど、少しずつお年寄りを騙して、少しづつお金をだまし取っていく。
身の破滅に至らない=不溺 の泳法 タイトルもグッドです。
面白くて、観ていてワクワクする劇でした。
本当に楽しかったです。
ありがとうございました。

ストリッパー物語
9PROJECT
上野ストアハウス(東京都)
2026/05/21 (木) ~ 2026/05/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/05/21 (木) 19:00
価格4,000円
5月21日〈木〉19時公演を鑑賞。
つかこうへいさんの作品を初めて鑑賞しました。
盛りを過ぎたストリッパーとヒモの男。
ヒモには、実は奥さんと年頃の娘が居る。
年頃の娘が、アメリカに留学することに。
その事を父であるヒモに打ち明けに来る場面から始まります。
舞台には、背景も小道具も大道具も無し。
何もない舞台で、役者さん達がボタボタと汗を流しながら演じていました。
ストリッパーの矜持・理想・悲しみ。
ヒモの矜持・理想・悲しみ。
劇場支配人の思惑・打算・哀愁。
ストリップ小屋に出入りするさまざまな境遇を持った人々。
出会いと別れ、退屈な日々…。
ストーリーを追うタイプの劇ではなくて、
むしろ出演者の独白によっていろいろと考えさせられる…そんなタイプの劇でした。
観劇後、ずっしりと心に迫ってくるようなインパクトを受けました。
こういった劇は、力のある役者さんたちが揃った劇団でないと、無理だと思いました。
9PRIJECTさんだからこそ、演じきれる劇だと想います。
とても素晴らしかったです。
ありがとうございました。

おいコラ、竜蔵!
SYOMIN'S
神田・楽道庵(東京都)
2026/05/23 (土) ~ 2026/05/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/05/24 (日) 14:00
価格4,000円
5月24日〈日〉14時公演を鑑賞。
心温まるストーリーです。
デイサービスのお年寄り達に、大人気の竜蔵。
冒頭このシーンから始まります。
若気の至りで、浮気を繰り返す竜蔵。
ついに奥さんが愛想尽かして離婚します。
一人娘の充希は、竜蔵を完全に拒絶します。
さらに、離婚した奥さんが交通事故で亡くなります。
充希は叔母さん宅に預けられます。
時が流れて、充希は婚約者を連れて叔母宅に帰省します。
叔母夫婦のたっての願いで、充希は結婚式を挙げることに…。
自分の過去を反省し娘の充希のことを想いながら、竜蔵はデイサービスで働いていました。
充希の婚約者が、こっそり竜蔵を訪ねるところから、新たな流れが始まります。
ストーリーが面白くて、すぐに引き込まれます。
ダメ男なんだけど、どこか憎めない竜蔵。
竜蔵・奥さん・充希の3人と、彼らを取り巻く人々を、
役者の方々が上手に演じていきます。
人間くさくて、愛情に満ち溢れた劇でした。
最後に充希が竜蔵に会いに行くシーン。
「おいコラ、竜蔵!」
感動的でした。
思わず涙がこぼれそうになりました。
素敵な素敵な劇でした。
本当に良かったです。
会場も、役者さんたち、スタッフさんたちも
とってもフレンドリーでアットホームな雰囲気でした。
ありがとうございました。

ツユコちゃんとすみれちゃんと
劇団道草ハイウェイ
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2026/05/04 (月) ~ 2026/05/05 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/05/04 (月) 13:00
価格2,000円
実家で一人暮らしをする母親が、階段で転んで入院した。
知らせを受けた長女ツユコと次女すみれが駆けつけます。
病室で数年ぶりの再会。
そこには幼馴染みのえりかの姿も。
えりかは日頃から何かと母の面倒を観てくれている。
えりかは純粋に二人との再会を喜ぶのだが、
ツユコもすみれも仕事やプライベートでストレスを溜めている様子…。
私も四国の実家に母親が一人暮らしをしています。
突然電話が入り、体調不良を訴えてきたので、
職場から羽田に直行したこともあります。
今回の劇は他人事とは思えず、いろいろと考えさせられる劇でした。
役者さんもお上手でした。
ありがとうございました。

白さげないで、赤あげる。
東京E-Do motions.
新宿眼科画廊(東京都)
2026/04/24 (金) ~ 2026/04/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/04/28 (火) 19:00
価格3,900円
4月28日〈火〉19時公演を観劇。
江戸シューズ流通センターに対してABDマートが買収を仕掛けた。
そんなある日、江戸シューズ流通センター光が丘店にABDマート新社長:美咲が視察に訪れる。
ところが光が丘店店長の久美子は、美咲と高校時代の同級生だった。
久美子は店員の雇用を守るために、お店を残して欲しいと頼む。
真面目にテキパキと働く店員たちの様子を見て、新社長:美咲も計画を思い留まるが……。
舞台はお店裏の従業員控え室。
役者さんは皆ベテランで、とても上手に役柄を演じていました。
ストーリーが面白くて、一気に引き込まれます。
100分の長さを感じさせません。
最初から最後まで充実した、満足のいく舞台でした。
純粋に楽しかったです。
ありがとうございました。

しみ
中野坂上デーモンズ
新宿眼科画廊(東京都)
2026/04/17 (金) ~ 2026/04/21 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/04/21 (火) 19:00
価格3,500円
何よりもまず、役者さんのクオリティーが高いです。
普通は台本で覚えた台詞を、舞台でその通りに喋るのですが、
モヘーさんの場合は、即興で喋っているような印象を受けました。
時に絞り出すような小さな声で、時に早口で、
そしてまた時にしどろもどろで・・・・
そうすることで、オドオドした男性清掃員の役柄を表現するんですね。
見事でした。
それから三森麻美さんの存在感。
相方女性の役柄は三森さんでないと務まらないです。
他を圧倒するような静かな存在感。
すばらしいです。
ストーリーはビル清掃員の二人。
どうしても落ちない一箇所のシミをめぐる、二人の会話劇です。
ストーリーが展開していくというよりは、
そのシミをめぐって二人の会話が展開していきます。
実は、自分たち二人がシミなのではないか?
自分たちの存在こそが、シミでは・・・。
現在と過去、金持ちと貧乏、お芝居やる人と諦めた人・・・
会話の中でさまざまな価値観が転換していきます。
それを楽しむことが出来る人(中上級者)向けのお芝居だと思いました。
面白かったです。実に見応えがありました。
また行きます。
ありがとうございます。

ブルーガール
あめいろつるばみ
日の出町団地スタジオ(東京都)
2026/04/17 (金) ~ 2026/04/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2026/04/18 (土) 16:00
価格2,300円
お二人の女性によるお芝居です。
舞台は田舎の駅の待合室。
数少ない列車をひたすら待ち続け、
到着するたびに降車客に話しかける一人の女性。
生まれ育ったこの街で、役場に勤めている。
ぼんやりと大都会:東京に憧れている。
少し寂しいような、諦めというか…そんな雰囲気が漂う。
もう一人、女性が列車からこの駅に降り立った。
生まれ育ったこの街から東京に移り住んで、
順調に就職できたものの、仕事は不調でストレスを抱える。
夢破れて再び、ふるさとに戻ってきたもう一人の女性。
燃え尽きた…そんな雰囲気が漂う。
こんな二人の会話劇です。
私自身も四国の小都市で生まれ育ち、
高校卒業と同時に東京にやってきました。
それゆえ、劇における二人の女性の気持ちが痛いほどよく分かります。
ただ、観客の心に訴えかけるモノが足りないように思います。
この劇を通して、何を観客に投げかけるのか。
一番表現したいこと、一番主張したいことは何なのか。
大都会に憧れながら田舎で暮らす人々のむなしさか、
大都会での仕事や生活に失敗した人々の挫折感なのか、
駅の待合室そのものの居心地の良さなのか、
あるいはその駅が近い将来廃線によって無くなるという現実なのか。
これが分からないために、観劇後、少し物足りなさを感じてしまいました。
会場の「日の出町団地」いい所ですね。
昭和っぽい雰囲気で、子供たちが楽しそうに公園で遊んでいました。
次回、期待しています。

ドライブイン右中間
ティダ・ラバダ・ヒマヒマ
水性(東京都)
2026/03/20 (金) ~ 2026/03/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/03/21 (土) 19:00
価格3,000円
かつて高校野球部で一緒だった3人が、8年ぶりに再会します。
ピッチャーだった男子。マネージャーだった女の子。補欠だった男子。
白球を追いかけていた彼らは、卒業後それぞれの道に進みます。
教員の夢を叶えた補欠男子。
イルカ調教師の夢を諦めOL生活をおくるマネージャー。
野球の道を捨て、ラーメン店で働くピッチャー。
社会の荒波は例外なく彼らも呑み込みます。
モンスターペアレントで悩む補欠男子。
キザな不動産屋に突然プロポーズされ、自暴自棄に陥るマネージャー。
甘い言葉に誘われて、犯罪にも手を染めたピッチャー。
再会した3人は、深夜、車で市民球場を目指します。
そこは高校3年生の夏、最後の試合が行われた球場。
あの夏、ピッチャーが投げた渾身の一球は右中間へと返され、
3年生部員の夏が終わりました。
車は進みます。あの球場に向かって…
*********************************
旗揚げ公演にふさわしい、みずみずしい物語です。
演出が上手で、ベタな感じはなく、テンポ良く展開していきます。
舞台はもともとクリーニング屋さんだったお店跡で、
古い機械が置いてありました。
それに服をたくさん吊るし、シーンが変わる毎に役者3人がさっと着替えて
別の役を演じるというスタイル。素晴らしい発想です。
樋口双葉さんのキャラが際立っていました。
少し天然で、おっちょこちょいな、いまどきの女の子を演じきっていました。
観に行ってよかったです。
ありがとうございました。

独裁者モロン
劇団さいおうば
シアター711(東京都)
2026/03/13 (金) ~ 2026/03/16 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/03/15 (日) 18:00
価格3,000円
大東天公国では独裁政治のもと、ひとびとは思想統制下におかれている。
役人が書く小説でさえも、国家の意に沿った形でしか認められない。
そんな中、国家のあり方に違和感を感じたある若い役人が、
国の意に沿わない内容の創作を行っていたことが明らかになる。
反逆罪で告発を・・・
ところが、他の役人の中から同調者が現れる。
かれらは国の意を無視した、自由でのびのびとした作品を作り上げていく。
ここまでは、割とよくある話。
ところが、話は再び逆の方向へ。
結局、最後には独裁者によってみんな取り込まれていく・・・
ここが、この作品の凄いところです。
最後はみんな、取り込まれていく・・・・
時間を感じさせない圧倒的な演技力。
テンポ良い展開。
どれも素晴らしかったです。
ありがとうございました。

陽だまり食堂
THEATRE ATMAN
Our Space(東京都)
2025/12/12 (金) ~ 2025/12/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/12/14 (日) 13:00
価格4,000円
ちょうど1年前の12月に、同じ劇団で同名の劇がありました。
その時にはどうしても行けず、ずっと心残りでしたが、
今回再上演ということで、楽しみにしていました。
韓国料理の居酒屋さんが舞台です。
ここに様々な境遇(立場)を持つお客さんが集まるという設定。
入院中にコッソリ抜け出してきた患者さん2人組。
過去にこの店で偶然出会って交際を続けている男女カップル。
若気の至りで家庭を飛び出したものの、母親に会いたくて街に戻ってきた青年。
配役・台詞が洗練されていて無駄がないです。
登場人物それぞれのキャラがきちんと際立っていて、
それぞれの過去や現在の想いが無理なく理解できます。
政治批判や人生哲学、韓国の神話もテーマです。
面白かったのは、役者さんが舞台で役を演じながら、本当に料理を飲み食いしていたことです。
本物の料理が運ばれてきて、召し上がっているんです。
しかもそれが違和感ないんですね。
観劇しながら、いろんな事を考え、味わい、満足できた1時間10分でした。
本当に、本当に、素晴らしかったです。
ありがとうございました。

散歩する侵略者
Dove and Olive
スタジオ空洞(東京都)
2025/12/04 (木) ~ 2025/12/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/12/07 (日) 13:00
価格3,000円
12月7日13時鑑賞。
同タイトルの映画も原作も、まったく知らないままに劇を観ました。
完成度の高い劇で感動しました。
何よりストーリーがとても面白いです。
宇宙人が登場しますが、決してSFのような夢物語ではなくて、
すごくリアリティーのある展開で、観客を退屈させません。
倦怠期の夫婦の問題、
隣国との軍事的緊張、
政治問題への無関心…
いろんな問題をあぶり出していきます。
シーンの合間に流れる効果音もグッドです。
舞台には一部に砂が敷かれていました。
演出にもこだわりがあって、素晴らしかったです。
役者さんの演技も素晴らしかったです。
寒い日曜日の午後でしたが、見応えのある、素晴らしい劇に出会いました。
ありがとうございました。
************************
役者さんの嶋村さん、以前どこかの劇で……
家に帰って過去のチラシを見て判明。
『気づいたら、宇宙だった。』
前回も今回もお上手でした♪~