絵里の観てきた!クチコミ一覧

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リチャード三世

リチャード三世

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2017/10/17 (火) ~ 2017/10/30 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度

繰り返し演じられてきた作品をあえて上演しようとする時、何かしら新しいことをしなくてはと思うのは、演出家なら当然だと思う。
けれど、「新しいことをする」こと自体が目的化している作品は、観客の心に何も残さない。
『リチャード三世』の世界観をこう味あわせたい、という心意気はわかる。方向性も明確だ。斬新さも醸し出しているし、スタイリッシュでありながら、観る者の感性に意図的な「不快さ」を届けることには成功している。
だが、造り手の心が感じられないために、主軸がまったく見えてこない。
東京芸術劇場の大きな主宰公演であることで、多くの人達の期待を集めていたであろうに、個人的には失望させられた公演だった。

るつぼ

るつぼ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2012/10/29 (月) ~ 2012/11/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

終演後、観客の誰一人として立ち上がれない、皆うちひしがれて席を立てずにいた。こんな芝居は、後にも先にも初めてである。

『るつぼ』のストーリーは勿論知っている、台本も組まなく読み、英国ではRSCの公演も観た。だがどの上演でも、客が呆然と動けずにいるような事態は起こらなかった。
主人公ジョンは陥れられ、裁判に負け、最後の自白も撤回し、死刑台へ向かう。それを知っていながら、拳を握りしめ、彼が生き残る選択をすることを願った。妻エリザベスの言葉に、胸をしめつけられた。
私達観客は、彼ら二人の人生に確かに立ちあった。

そのように感じられる演劇と、人生で何本、めぐり合えるだろう。
主演の池内博之も、妻役の栗田桃子も、すべての場面において素晴らしかった。派手な演出も、舞台装置もない。ただ、作品を、登場人物を、きめ細かく誠実に描いた結果であろう。脚本のよさを、ここまで最大限に表出させたアーサー・ミラー作品の公演を、私は知らない。

一観客として、一人の演技者として、私はこの公演の鮮烈さを、忘れることができない。

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/11/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

両作品を観て思うことは、この2作品を抱き合わせにした効果。それぞれ単独では意味をなしえなかった物語性が、相乗的に影響を及ぼしあっている。特に奇をてらった演出ではないが、組み合せの妙でテーマを付加することに成功しているのは、さすがの構成力と頷けた。
とはいえ元々の脚本の力が、シェイクスピア作品の中では弱いのは事実であり、またそれを補うだけの力が必ずしも全出演者にあるわけではない、とも感じられるのだが、それを補って余りある演出であったと思う。

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