The Entertainer ~新しき旗~
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シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2018/03/01 (木) ~ 2018/03/05 (月)公演終了
満足度★★★
(遅ればせながら)キャストの演技にバラツキが感じられて、まとまりがない。やたらと達者な人がいるかと思えば、まだ経験不足を感じさせる。そのギクシャク感が残ってしまった。 更に気になるのは「エンターテイメント」という言葉の乱用。やたらと台詞に溢れている。意味は間違ってはいないが、そんなに安っぽく使われることに抵抗を感じた。あれでは“伝える”ではなく“押し付け”に感じる。役者は“演じること”歌手は“唄うこと”その大本に「エンターテイメント」という言葉がある、というような使い方は出来なかったのだろうか?台詞としても、不自然に感じた。 もっとしっかりした土台を作って、そのうえで出演者にも、作品を理解させることが必要かと思われる。この段階ではただのお伽噺にしかならないのではないだろうか?
夢-戦華-
劇団fool
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2018/01/17 (水) ~ 2018/01/21 (日)公演終了
満足度★★★
皆様の感想などを見ると概ね評価高し。確かに夢見ること・友情・今は弱くとも、前に進むことで強くなるなど、客席で涙する方たちが多かったのは理解できる良い舞台であったと思う。が、どうしても気になるのが、基本設定やら人間関係。そもそもの登場人物たちのバックボーンがおろそかに思える。とても説明が足りなく思えるのだが・・・。確かに後から補足的なものはあるが、始めからわかっていた方が話や人物、その行動を理解しやすいこともある。とってつけたような後出しは話の説得力を落としやすい。
また、“歌舞いてるかい”という合言葉の割に衣装も行動も地味に感じられたのは私だけだろうか?
あまんじゃく!
チーム・ギンクラ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2018/01/31 (水) ~ 2018/02/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
(遅ればせながら)この舞台を一言でいうなら、「当たり前のことが産み出す感動」とでも言うのだろうか?台詞も、組み込まれているエピソードも、決して目新しいものではない。
むしろ定番的な内容が多い。その使い古されたものを、脚本の上手さか?演出の腕か?役者の演技力の賜物か?使い古されたものが、各ピースの組み合わせで、違う光を放つように感じられた。みんなが可哀そうと同調するだけではなく、反論・否定・逆転して答えを導き出す。それが説得力を上げて、観る側の心に響くものになったのではと思う。
コメディ八割・涙二割という事だが、この二割が半端なく大きく残る作品であった。
“当たり前”誰もが傷の一つや二つ、悲しみや後悔を抱えて暮らしている。誰もがごく普通に生きているように見えて、心の中に沈み込んでいるものがある。それでも、前さえ向いていれば、それを越えて生きていけるんだよ、というメッセージ。ありふれたセリフのそれぞれに共感した観客は少なくないと思う。
ちなみにわたし的には
“親だって、自信なんかない。だけど頑張ってるんだ!”
この前辺りからじんわり涙腺が刺激されておりました。
“はいはい!母は頑張ってるんですよぉ!”
心の中で答えた私がおりました。
オホヒルメ
アブラクサス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/02/01 (木) ~ 2018/02/05 (月)公演終了
満足度★★★
(遅ればせながら)これは女帝としてのサイドからのお話。出来れば、そこに女性としての想いが加われば、もっと引き寄せられたのではないかと思います。あくまで、「神格化した天皇」という存在であろうとした生き方だけが静かに語られたように思えます。女帝の“生身の女”の部分が無い事にどうしても違和感を感じざるをえません。
また、登場人物が女帝の一生としては少なすぎるようにも思えます。彼女の収める国は広く、彼女の世界は狭いという事なのだろうか?と思うことで納得はしましたが・・・。
出来るだけ史実に基づいてという事だったのだとは思いますが、もう少しわかりやすくするためのアレンジがあっても、良かったのではと思います。
聞きなれない名前や名称の多い舞台。戸惑った観客も少なくはなかったと思います。
それをもう少しわかりやすくすることは出来なかったのでしょうか?
音の流れや人の動き(身分差)で、変えられる部分はあると思うのですが?
また、天平の雰囲気を表すためにも、セリフの突っかかりは厳禁!あまりにも多すぎでした。たおやかで滑らかな語り口が欲しかったと思います。
セット・女性陣の衣装など試行錯誤の結果が良く出ていたと思われますが、男性の衣装にそれは足りなさ過ぎたと感じられます。
といろいろ言いつつ、最後に言いたいこと。
メインの演技は素晴らしかった!
小劇場にはめったにいない品格のある存在!一瞬でしたが、神々しい表情まで見せた!実に美しい演技でした。
見よ、飛行機の高く飛べるを
ことのはbox
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2018/02/14 (水) ~ 2018/02/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
(遅ればせながら)名作を小劇場の舞台にうまく乗せたと思える。まずはキャスティングの良さ、そして全体から感じる情緒。一場ものだが、その風景が建物の外でさえ良く感じられる。
出演者、なんとイキイキとした少女たちだったか!メインの二人は勿論のこと、他の少女たちにも感じられたみずみずしさ。あの世代ならではの清潔感!まったく違和感なく、女学生たちの日常と心の変化を味わうことが出来た。
一番拍手したいのは照明。
暗転の余韻、ぶつ切りの暗転の多い中、感情の残りを見せたり、話の続きを想像させるものがあった。また、プロボースの際の次第に変化して行くそれは、三島の心の変化をも表しているようで、実に美しかったし、印象深い。通常、観劇の際、照明に関しては、あまり注目していない。(よほどひどいか、よほど素晴らしかったかの二つしかない)でも、この照明の効果ははっきりと印象に残った。
カチナシ!
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/03/01 (木) ~ 2018/03/05 (月)公演終了
満足度★★★★★
(遅ればせながら)主軸を二つ、実に対照的。そして、それにかかわる人々。いづれも脇であるにもかかわらずイキイキと描かれている。将棋に対する執着や向き合い方。ここに夫婦の愛や、老人ホームの有り方が描かれる。これだけの要素があっても、どれもご都合や添え物にならずに舞台に存在する。登場していないキャラさえ、イキイキとそこに存在する。どこかでつながっているラビット番長の作品たちが、大きな財産となってそこに存在するのも感じられる。過去ネタが絡んでも違和感や不快感がまったくなく、むしろホッとさせる要素となっている。
あの小さなステージに三つの場、いやいや四つ、それがスムーズに展開していく。これは見事!メイン・サイド・全体の使い分けが、また上手く構成されていた。どれもつぶれることなく、しっかり場面が活かされている。話の流れがだれることなく、テンポ良く進む。
また、あの舞台にあの人数、それがスムーズに動いていたのも、何気に凄い事だ。
全面から溢れてくる“温かさ”“思いやり”“向き合う姿勢”それらも演出の持ち味が出ていたと思える。
当初はまたこのネタか?と思ったが、観終わる頃には
“井保さん、一生このネタだけでもいいよ、”とすら思わされた。
ファミリィゲーム
劇潜サブマリン
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/02/08 (木) ~ 2018/02/12 (月)公演終了
満足度★★★
(遅ればせながら)実に困った作品です。なんというか毒気と狂気と、ねじれ。人を裏側から見るような描き方。普通のようで、普通ではない者たちが囚われていることに気づけないまま、どんどん追い詰められていく。その辺りの描き方は上手いと思いつつ、ちょっと中だるみも感じる。
後半、立場が逆転してからの展開、狂気が増して観ているのが嫌になって来た。
ハッキリ言って話としては嫌いです!ですが、その吐き出すような感情の描き方はイイ!
そういう毒が満載した作品に徹底すれば良かったのに、ラストにはなんかガッカリしました。自然の前では人のどんな感情も無に帰るという事なのか?一体今までのあの騒ぎは何だったのか?なんにせよ、人対人の結末は人対人で終わらせて欲しいと思いました。
「マーニ ~その隠された人生~」再演
SPPTテエイパーズハウス
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2018/02/07 (水) ~ 2018/02/11 (日)公演終了
満足度★★★
(遅ればせながら)
出演者それぞれがしっかりした演技が出来る方たちではないかと思うだけに、
稽古時間が足りなかったのか?単純に相性が悪いのか?
コミュニケーションの取れなさが嫌というほど感じられました。
前半の間合いの悪さは、ただでさえ無駄な空間が有り余っている舞台に
ギクシャクとした空気が漂ったよう。
それを引き締めたのはエレナとオルドリィの二人の女優
癖のあるエレナに凛としたオルドリィ
バラバラだった舞台にようやくまとまりのようなものが見え始めホッとしました。
唄は聞き応えがあって良かったけど、
ダンスはあまり頂けなかったように思うのは私だけでしょうか?
途中マーニーの唄が口パクだったのはなぜか?疑問が残ります。
初日に観劇させて頂きました。
初日だからという“いいわけ”のない舞台が基本だと思っています。
高評価の方たちもいらっしゃるようなので、後日、持ち直したのかもしれませんが、
観客は基本一度で判断するという事をお忘れなく。
ピヨピヨレボリューション公演『Gliese』
オフィス上の空
ザ・ポケット(東京都)
2018/04/03 (火) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
前作に比べてライトな仕上がりになっていたが、ピヨレボらしさ満開!色鮮やかで、SF要素はあるものの、女の子の夢が舞台の上に溢れていた。ダンスも歌も落ちのない個性的なメンバーが揃い、誰を観ていても楽しい舞台だった。
lost breath
Kitten Dance Planet
萬劇場(東京都)
2018/04/04 (水) ~ 2018/04/08 (日)公演終了
満足度★★★
小劇場としてはなかなかのダンスシーンではあるが、ダンスパターンに変化が少ない。ダンサーベースのせいか、芝居の方は今一つという気がしないでもない。ストーリーは練りが足りなく、幼い気がする。
ハムレットマシーン
OM-2
日暮里サニーホール(東京都)
2018/03/22 (木) ~ 2018/03/24 (土)公演終了
満足度★★★
かなり驚かされた舞台だった。始まるような始まらないようなじらされる時間と、舞台としては想定外の演出。そして、破壊的な演技!?自分をあそこまでさらけ出すことが演劇なのかどうかは疑問だが、ぐちゃぐちゃになった舞台の上に美しさを感じてしまったのは私だけだろうか?そういえばこういう種の舞台、?0年前に何作か観たような気がする。
彼女は二度ベルを鳴らす
空想実現集団TOY'sBOX
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/03/28 (水) ~ 2018/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★
行き詰った小説家、このネタは結構小劇場ネタとしては珍しくはない。しかし、その自由さはなかなかのものだった。良い意味での観客への裏切りも有り、ストーリー展開も楽しい。登場人物たちの(小説の中の)気持ちが伝わってくるハートフルな部分もあって、バランスも良かったと思う。何より、前回観た時より出演者に成長が感じられるのが、観る側としても嬉しい。
猫の夢をみていた
演劇ユニットastime
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★★
客席がとても対照的だった。涙をぽろぽろ流す女性たち、うつうつとしていた男性たち。この違いは何だろうか?話としては前者の気持ちがわからないでもないが、設定的に疑問も少なくない。まず生活感がない登場人物たち。これは有り得ないなと思わされることが多すぎて、どうにも感情が擽られずに終わってしまったような・・・良い話なんだけど、基本設定が甘すぎるのが最後まで付いて廻った。メインの猫も違うポジションなら“はまりもあるだろうが、どうにも曖昧な存在で終わってしまった。
ロミオとジュリエット=断罪
クリム=カルム
スタジオ空洞(東京都)
2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
満足度★★
なんというか・・・まず配役に違和感。ロミオとジュリエットにカップル感がない。恋人としての絵がハマらないのだ。ストーリーとしては、いろいろ原作と違う部分が面白くも有り、?であり、複雑。ロミオとジュリエットのラストは原作とは違い、ロマンチックさに欠ける。なんだかとてもあっけない。また皆さんおっしゃる通り、セリフが聞きづらい。背中を向けてのボソボソは本当に聞き取れない。というか、全体的にセリフのボリュームが足りなさ過ぎる。なんかとても消化不良で終わった。
劇団アカルテル旗揚げ公演「七日目にボクはキミと」
劇団アカルテル
新宿シアターモリエール(東京都)
2018/03/14 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了
SHOW HOUSE『GEM CLUBⅡ』
東宝
THEATRE1010(東京都)
2018/03/16 (金) ~ 2018/03/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
想定外のレビューがむちゃくちゃ楽しく、凄い!歌もダンスも落ち無し!誰も彼もじっくり目で追いたいとと思うばかりで、迷う目のやり場に困った!?一度ではとても足りない!二回観てもまだまだ足りないと思うくらい、見応え有のダンスシーンにときめいた!せめてもう一回観たいよぉ!!!
再生ミセスフィクションズ2
Mrs.fictions
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2018/03/15 (木) ~ 2018/03/19 (月)公演終了
満足度★★★★
面白い構成の四部作。男たちの熱気も良かったが、女性陣がなんとも可愛い存在であった。ラストの作品は一昨年、拝見しているが、以前より深みと言うか、味か出てきたように感じられた。見応え有!ただ、開演前のただポージングだけの時間がもったいないような気がしたのは私だけだろうか?せっかくの時間、観客の気持ちを導入するために、劇団の紹介でも、作品についてでも、何でもいいから、触れる時間とした方がいいのではないかと、素人は思った。
PIGHEAD 蠅の王
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2018/03/01 (木) ~ 2018/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
こちらの劇団の作品、何作か観せて頂いている。ハズレ無しと言ってもいいくらい、演出・演技ともに完成度が高い。今回の作品はその中でもかなりの出来ではないかと思う。実は寝不足で観に行ったのだが、眠気というものに襲われることがまったくなく、舞台からじりじりと広がってくる緊張感と、圧迫感に圧倒され、目が離せないでいた。人の心理の微妙な部分が見事に引きずり出された舞台であった。相手を追い詰めるもの、追い詰められるもの、双方の感覚が内蔵絞られるくらい伝わって来た。会社内でのイジメ、社会人としては恥ずかしい事ではあるが、実際、少なくないのも現実。なんらかのきっかけで、このどちらかになりうることは決してないとは言えないのも現実。舞台上では追い詰める方が非情に感じられるが、その心理も観る側に理解して観て欲しいと思う。会社という檻を観た気がした。
見えても 見えなくても
NAO-TA!プロデュース
ザ・ポケット(東京都)
2018/02/28 (水) ~ 2018/03/04 (日)公演終了
ヒカリ
フラワースタジオ
フラワースタジオ(東京都)
2018/02/27 (火) ~ 2018/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
短い上演時間であったが、その分“ブレないストーリー”は良かった。出演者たちの熱気も十分に広がって、伝わってくる。ただ、あの狭い劇場で、男性キャストたちのドーランの濃さはちょっとという気がする。