満足度★★★
(遅ればせながら)これは女帝としてのサイドからのお話。出来れば、そこに女性としての想いが加われば、もっと引き寄せられたのではないかと思います。あくまで、「神格化した天皇」という存在であろうとした生き方だけが静かに語られたように思えます。女帝の“生身の女”の部分が無い事にどうしても違和感を感じざるをえません。
また、登場人物が女帝の一生としては少なすぎるようにも思えます。彼女の収める国は広く、彼女の世界は狭いという事なのだろうか?と思うことで納得はしましたが・・・。
出来るだけ史実に基づいてという事だったのだとは思いますが、もう少しわかりやすくするためのアレンジがあっても、良かったのではと思います。
聞きなれない名前や名称の多い舞台。戸惑った観客も少なくはなかったと思います。
それをもう少しわかりやすくすることは出来なかったのでしょうか?
音の流れや人の動き(身分差)で、変えられる部分はあると思うのですが?
また、天平の雰囲気を表すためにも、セリフの突っかかりは厳禁!あまりにも多すぎでした。たおやかで滑らかな語り口が欲しかったと思います。
セット・女性陣の衣装など試行錯誤の結果が良く出ていたと思われますが、男性の衣装にそれは足りなさ過ぎたと感じられます。
といろいろ言いつつ、最後に言いたいこと。
メインの演技は素晴らしかった!
小劇場にはめったにいない品格のある存在!一瞬でしたが、神々しい表情まで見せた!実に美しい演技でした。