白紙の目次
劇団時間制作
テアトルBONBON(東京都)
2018/09/05 (水) ~ 2018/09/16 (日)公演終了
満足度★★★★
忘れていた記憶が蘇った。出来れば思い出したくない記憶。"私では駄目なのだ"と思い知らされるあの刹那。今までの努力も我慢も愛情も、すべて無駄だったと思い知らされた瞬間。胸が締め付けられた。リアルにわかる部分のある作品だった。
だが、どうも作り過ぎてしまって、その感覚が理解できない人物もいたわけで。いらない部分が少々多過ぎ、二人の姉妹はもう少し掘り下げてみたら、その対比が出て、依存という意味がもっと鋭く入って来たのではないかと思わないでもない。作品の造りとしては思うところがあるが、その感覚は痛いくらい心をえぐった。
OPTIMISM
アブラクサス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/09/05 (水) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★
一番印象に残ったのは、ダンスパーティーに行って、誰かに誘って欲しかったヘレン。実に愛らしく、そこにいるのは障害など関係ない、ごく普通の女の子のトキメキと失望。この時の期待感にキラキラした彼女の表情がとても輝いて見えた。羽杏さんの演技力には毎回驚かされる。またサリバンとの初期のシーンも、作り物感のない出来栄え。道理も通じない、相手の気持ちもわからない、歩き始めた子供を相手にするようで・・・あの感覚、子育て経験のある方なら、サリバンの気持ちがわかるのではないだろうか?
あえて難点を言わせてもらうと、ヘレンの言葉を出来るだけ理解したいと思って集中してしまうので、観ていて必要以上に疲れてしまう事。(舞台脇に字幕は出ていた。後ろの席なら見やすいが、真ん中から前は真横向いたり振り向かないと見えない、そちらを見ると舞台から完全に目が離れてしまう)サリバンを介してではなく、大事なポイントに彼女の心の声という感じで、ストレートな言葉があると、もっと彼女の心を理解できるのではないかと思う。
前作では主人公の生身の女性としての部分が感じられず、物足りなさを感じたが、今回は
“偉人”と呼ばれた一人の女性の、女としての部分もしっかり描かれていた。
追加です。
セットですが、あんなに作り込まなくても良かったのでは?黒バックで良かったんではなかったのでは?と思いました。セットとしては、テーブルセットとくみ上げポンプだけで良かったんじゃないかと・・・。
ヘレンの生きている暗闇の世界に、初めての感情や新しい感覚が生まれた時に、照明でそれを浮き上がらせる方が、ヘレンの想いがより伝わったのではないかと素人は感じました。
1/2error〜きみの棲む街〜
Nuts Grooove!
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/08/31 (金) ~ 2018/09/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
セットの配置には多少の違和感があるものの、その雰囲気はまさに懐かしいものを感じさせた(ちょっとばかり明るすぎる気もしたが、舞台だからだろうと納得する)。そして初見なのに、とても近くに感じる人たち。彼らの持つドラマをじんわりと感じさせる作品になっていたと思う。帰りに二丁目に行きたいなとふっと思った私だった。
「SHOW BY ROCK!!」 -狂騒のBloodyLabyrinth-
SHOWBYROCK!!製作委員会
天王洲 銀河劇場(東京都)
2018/08/30 (木) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
観に行く前に放送されて前作を観た。どうもピンと来ず“?”という感じだったが、やっぱり“生”は違う!各キャラの持つ面白さ、観客を惹きつける魅力のあるステージだった。客席の隅から隅までしっかりと掴み込んだノリの良い舞台だった。
恋も知らないで
HitoYasuMi
シアター711(東京都)
2018/08/29 (水) ~ 2018/09/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
実はそんなに期待していたわけではなかった。なんとなく明るく楽しそうぐらいで観に行ったのだが・・・。
キャストのキャラが良く出来ているし、笑いのツボが作り過ぎたものではなく、日常にありそうなネタを舞台の上に乗せるレベルに仕上げている、これがイイ腕ですねぇ!アキオのジリジリアセアセしている図なんぞ、まさにあのタイプの子のいじられ加減!それをいじりまくる女子たちがまたイイ!期待の女装もごちそうさまでした!機会があってたら、またぜひ拝見したいです!!!
白いキャンバス
Uzume
シアター風姿花伝(東京都)
2018/08/29 (水) ~ 2018/09/02 (日)公演終了
満足度★★★
若いキャストたちが一生懸命頑張っているのは分かるが・・・。まずストーリー、二つの話の関りが上手くはまっていない。脚本、もう少し客観視しても良かったんじゃないかと。また勢いで演じている感あり。一人くらいは場の締め役として年配の方を入れたほうが舞台が締まったのではないかと思う。若いゆえの演技の幼さは否めないが、その分、若さゆえのひたむきさも感じないでもない。懲りずに頑張って欲しい。
※前説、客席からの声を聴き落としていた。始まる前からかなり不快に感じてしまった方(彼女は二度声を出していた)がいたようなので、客席全体によく目を向けることをお忘れなく!
パイレーツ・オブ・トレビアン2
ノーコンタクツ
萬劇場(東京都)
2018/08/16 (木) ~ 2018/08/19 (日)公演終了
満足度★★★
あれこれ詰め込んでの楽しさは間違いないが、演技にも殺陣にも構成にも“雑さ”を感じてしまうのが残念。特に殺陣はシーンが多い割に、今時の小劇場レベルではかなり未熟。もっと鍛えてから舞台に乗せるべきでは?発想力はなかなか楽しいものがあったし、筋立ても楽しいので、もっと丁寧にしっかり詰めて作り直してみてはと思う。
俺の骨をあげる(8/17(金)19:00開演 当日券ございます!)
劇団鹿殺し
サンシャイン劇場(東京都)
2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
皆さんおっしゃる通り、自然に笑いが飛び出てしまうような楽しい舞台でした。
半面、ずっと心の中にズキズキしたものが発生して、痛みを伴う舞台でもありました。
幸せになりたいと言いつつ、それに背を向ける事になってしまうタエの生き方に、痛々しさと、それでも決して一人ではなかったという事実。派手派手しい舞台ではありましたが、しっかり感じさせるところは感じさせる、鹿殺しならではの作品ではないかと思います。
ロンギヌスの槍
風雷紡
d-倉庫(東京都)
2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
“少女はなぜ犯行に及んだのか?純粋過ぎるゆえの正義だったのか?鬱屈した想いの引き起こした衝動だったのか?それとも?少女の心の動きが知りたいところです。”観たいにこう書いた。
想像通り、それ以上に彼女の心の叫びが響いてくる。真っ直ぐで素直な心は大人の言葉を正面から受け止め、それを信じ、その本音と建前の前に振りまわされる。視界の狭い彼女にはその理由がわからない。そういう部分が丁寧に表現されていたと思います。
演出の横森さんの作品はトツゲキさんで何作か観せて頂いていますが、いつもとはガラッと変わった雰囲気に引き込まれました。出演者の演技にも感じさせるものがあり、見応えのある作品に仕上がったと思います。
悪い芝居vol.20.5『アイスとけるとヤバイ』
オフィス上の空
ブディストホール(東京都)
2018/08/08 (水) ~ 2018/08/12 (日)公演終了
満足度★★★
確かにのっけから面白かった。個々のキャラも立っているし、テンポもイイ!タイトルの意味を“あぁそうか!”と納得させるものもあった。しかし、残念乍ら、良いに付け、悪いに付け、残るものがない。カラフルポップにまとまって・・・それだけで心に入り込んでくるものを感じられなかった。
新撰組後日譚~SAMURAI達の挽歌
劇団め組
吉祥寺シアター(東京都)
2018/08/02 (木) ~ 2018/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
骨太のしっかりした舞台でありました。最近ダンスのように流れる、またアクロバチックな殺陣が多い中、こちらの芯のある正統派の殺陣(前者が悪いわけではないのですが)、久方ぶりにこういう凛としたものを見ると清々しい気がします。ただ気になったのは同ポジションで動きの少ない会話のシーンが多かったのが、少々難点。話の中心となる二つの役が少しばかり物足りなかったのがもうひとつの難点。とはいえ、レベル高しの良く出来た舞台だったと思います。
hang on 魂
MousePiece-ree
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2018/08/03 (金) ~ 2018/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
説明文以上のジジイたちのハチャメチャぶりをたっぷり楽しみました!美人姉妹の変貌ぶりもなかなかの見応え!そして何よりストーリーに“良い裏切り”あったことが魅力!途中までは誰もが想像できたと思うけど、最後の最後にどんでん返し!こういう気持ちのイイ裏切り方、大好きです!ここまでやったのならラスト、見せ方にもう一捻り欲しい気もするけど・・・内容的には十分楽しませて頂いたので☆5!!。
自爆!
劇団 バター猫のパラドックス
「劇」小劇場(東京都)
2018/08/01 (水) ~ 2018/08/06 (月)公演終了
満足度★★★
学校というより、世間の中に溢れている問題をあれもこれも組み込んで・・・はっきり言って観ていて気分の良いものではなかった。なまじ出演者たちが頑張って感情を爆発させているだけに(この作品の稽古中はしんどかったんじゃないかと思う)、痛みは感じるが、この救いのない世界にはうんざりした。風呂敷を広げるだけ広げて救済がない!問題定義だけでは作品としての価値を感じられない。その場での解決が出来ないにしても、その後の彼らがどうなったのか?(観客にとってこれは気になる所だと思う)それくらいの現実性と救いがあれば、良かったんじゃないかとオバサンは思う。悲劇は書いている側もエスカレートして自分で自分の書いているものに収拾がつかなくなることがある。自分の書いている者に酔いやすい。そういう事ではないとは思いたいが。あの場で終わってしまった理由がぜひ知りたいところだ。
私は世界
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2018/07/20 (金) ~ 2018/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★
「自己責任」確かにあの事件の時、私はそう口にした。息子の後輩は奨学金と家賃等の生活費の負担で、周りが心配するほど食生活に影響が出ていると聞いたばかりだ。自分の吐いた言葉とすぐそばにある現実。とても生々しい感覚を感じたのだけど・・・なぜかちぐはぐな印象を待ってしまった。いつものような観ていて、のめり込む感覚を感じられなかった。出演者の演技は流石だったのだけど。
舞台「BRAVE10~燭~」
2018舞台「BRAVE10~燭~」製作委員会
なかのZERO(東京都)
2018/07/26 (木) ~ 2018/07/29 (日)公演終了
満足度★★
ストーリーのラストシーンかと思えば、前作のダイジェストらしかった。まったくこの作品に予備知識のないものには何が何だかわからないままストーリーが続き、特にはっきりした区切りもなく、そのまま本編へ。冒頭から観客は置いて行かれている感じがした。また、細かな映像、目を疲れさせるだけでなく、登場人物の動きを観づらくしている。殺陣のシーンは映像との連動があるため“待っている”とはっきりわかってしまうシーンが何度もあった。映像を使うのは悪い事ではないが、登場人物にとってマイナスの使い方はどんなものかと思う。もっとすっきりできないものかと・・・。さらに気になったのは、出演者はなかなか良かったのだが、どういうわけか、その熱が客席に伝わってこない。劇場全体ではなく、舞台の上だけで完結している感じだ。なんとももったいない事だ。
ダンガンロンパ3
CORNFLAKES
サンシャイン劇場(東京都)
2018/07/20 (金) ~ 2018/07/23 (月)公演終了
満足度★★★
個人的な好みとしては、このシリーズ、江ノ島 盾子(神田沙也加)の存在あっての作品。映像だけの出演では物足りない。ストーリー自体もどうも曖昧さを感じる。アニメのストーリーはそれとして、舞台上には彼女の復活が欲しいところだ。
プロポーズ難民
ピヨピヨレボリューション
吉祥寺シアター(東京都)
2018/07/13 (金) ~ 2018/07/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
ピヨレポ感たっぷりの舞台でありました!タイトルとはかけ離れたオープニング、ありありの女子感覚、ド派手な歌と見応え有りのダンス、派手で目に楽しい衣装、そしてそして強力キャラだらけの出演者!どれもこれも魅力的!あえて難点言えば、男子が弱い。女子の添え物的な感じ。女子の強い存在に負けない男子欲しいところですねぇ。まぁそれがピヨレボ感なのかもしれないけど。次も楽しみにしております。
Mad Journey
@emotion
ブディストホール(東京都)
2018/07/01 (日) ~ 2018/07/08 (日)公演終了
満足度★★★
小劇団として考えると、ビジュアル、殺陣(窮屈感は有り・人によっては遅い)、演技、どれもなかなかなもの・・・なのだけど、ストーリーの方はどうも・・・導入からあっけなく、その展開に目新しさを感じられず。今時女子が考えるネタとして“西遊記”は有りだろうか?アニメとかゲームとかネタが出てきそうなものだが?作者のご都合がまずストーリーのベースにあることに疑問を感じてしまった。
アニドルカラーズ!キュアステージ~シリウス学園編~
株式会社ADKアーツ
シアターGロッソ(東京都)
2018/06/30 (土) ~ 2018/07/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
暫くぶりにアイドル育成ものでワクワクしました!
このジャンルとしては、出演者の歌にダンス、演技、高得点!特に目立つ演出はなかったけど、各々の抱えている問題や想いが丁寧に描かれていたと思います。
なんか目頭が熱くなってしまいました!
七夕小夜曲
晩餐ヒロックス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/06/20 (水) ~ 2018/06/27 (水)公演終了
満足度★★★
元気のある若手劇団、劇団のカラーは分かったが、どうも各々の台詞のテンポやらなんやら、見えない感じない部分に同化が感じられる。良くもあるが表現が似てしまうのは個々としてはつまらないし、一定のリズムが出来上がってしまうので、いくら賑やかでも単調と感じられる部分が出来る。ストーリーは面白かったが、若手劇団の作品として、話の流れを考えるなら、このラストは前向きさが足りない。実際の出来事の中に“有り得ない”が起こることも実際ある!(我が母で体験済み。殆ど織姫状態からの回復)、ましてやお話なのだから“ご都合”があってもいいのではないかと思った。泣いて終わるのではなく、待ち望んだものがもたらず“兆し”があったら、もっといいニュアンスが生まれたんではないかと思う。
おまけ☆織姫の女優さんの、舞台に乗っている状態の表情の美しさは目を引くものがあった。