papamomo 老年団・サポート・センターの観てきた!クチコミ一覧

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VISITORS

VISITORS

THE ROB CARLTON

ユーロライブ(東京都)

2026/08/27 (木) ~ 2026/08/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/29 (土) 14:00

THE ROB CARLTON 20F『VISITORS』
2回目の THE ROB CARLTON、期待していた通りの、いや、ここまで爆笑を連発させる 95分は想像していなかった!参った!上質の、関西の良心、いや、関西の根性、いや、なんでも良い、ひたすら面白かった!
ただ一つ、月極ネタは東京では??な方も多いかと思いますよ!

ピカソぶっとばせなくて、ごめん

ピカソぶっとばせなくて、ごめん

東京にこにこちゃん

ザ・スズナリ(東京都)

2026/08/26 (水) ~ 2026/08/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/28 (金) 14:00

萩田頌豊与さん、おめでとう!東京にこにこちゃんのザ・スズナリ初進出!『ピカソぶっ飛ばせなくて、ごめん』 作/演出 萩田頌豊与

4年半前、ヤバ芝さん(Twitter/Xのヤバイ芝居さん)の推しということで拝見した東京にこにこちゃんが衝撃でした。今回が 5回目。これまでのにこにこちゃんは、笑ったり泣いたりという展開だったのが、今回はこれまで以上に笑いを取ろうという意図が見えた様に思う/あるいは手練れ度が増して、そう言う瞬間の積み重ねがあり、それを担う、出演しておられる(敬称略)、今立進、木乃江祐希、髙畑遊、西出結、立川がじら、猫背椿、の演者の皆さんの手もみ観(ラーメンの麺を揉む丁寧な工程的な)が見えた。
そして、その中で出色だと思ったのが、てっぺい右利き、加藤美佐江、東野良平のお三方が無双!かつ、お三方は八面六臂の活躍。

ただ/だからかもなのだけど、萩田頌豊与さんの父上のことを描いているということで、そこにある萩田さんの肉親(お母様を含め)への思いが、これまでとは違い、物語性を帯びさせないという部分/宿命もあり、笑いと涙は結構切り離されていた。そしてそこに泣かされた。
個人的には亡くなっている父への思い。もう衣衣透の歳はそこそこ超えている子供達がいて、亡父を見ていた視線と、子供達が私をどう見ているのだろうということを重ね併せると、結構複雑な思いを抱かざるを得なくて、少しトーンダウンしながら拝見した。

終演後、観客の中に見た同年配の方を捜して階段の下に居たら萩田さんが降りて来ておられ、何故か握手を 笑。萩田さんの掌の柔らかさがなるほどだった。

チュラル

チュラル

がらんどう

アトリエ春風舎(東京都)

2026/08/21 (金) ~ 2026/08/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/08/22 (土) 13:00

舞踏団体 がらんどう『チュラル』
肉体、日常、自然
・夕凪
・ハルフアワー
・波浪
の 3作品の上演

・"夕凪"とは名ばかりというと少し違うが、凪いでいる瞬間はあっただろうか、肉体美の交差と力強さを→
・"ハルフアワー" 舞踏によるコメディ?ナンセンス コント?的に→
(アトリエ春風舎の舞台奥のあの階段のあの場所を使うのを見たのは初めてだ!)
・"波浪" 、"波"の要素は感じたけど、"浪"の字にある大きさや荒さは感じなかった。スムースな美しい流れを→

←受け取った。(アトリエ春風舎の舞台奥のあの階段のあの場所を使うのを見たのは初めてだ!)

・"波浪" "波"の要素は感じたけど、"浪"の字にある大きさや荒さは感じなかった。スムースな流れを

それぞれから受け取った。"ハルフアワー"も舞踏の範疇だとは感じた。ここに舞踏の拡がりを委ねることが出来る様に思った。あの掛けるのは次のパートの足許を確保する目的ですかと伺ったけど、そうではなかった、ただそうしたいからそうされたそうだ。

Still Growin’ Up!

Still Growin’ Up!

稲葉組

インディペンデントシアターOji(東京都)

2026/08/13 (木) ~ 2026/08/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/08/14 (金) 19:00

稲葉組 Still Growin' Up! 『the Bonds』

シェイクスピアの「ヴェニスの商人」の稲葉智己(我々には稲葉顧問)による翻訳/翻案/演出での『the Bonds』

タイトルにある bond とは
絆/結束
債券/借用証書
束縛/拘束
等の意味がある。

The Bondとは? 借用証書、友情、恋愛、結婚、血縁の絆、などの様々な人間関係、それら複数形の bonds からの『the Bonds』かな?

ポーシャの亡き父の遺言という呪縛。父が遺した三つの箱選びによって、自分の意志とは関係なく結婚相手が決まってしまうという理不尽な縛り/bondの中にいて、でも彼女は翻弄されず、縛り/Bond の中で、あれこれ知恵を使い 笑、愛するバサーニオを掴み取り、呪縛から解き放たれて行き、多幸感溢れる結末へと導いて行った。

そのポーシャ役の鎌﨑さん、良かったし、原典のダークさを残しつつ、稲葉色に沿うシャイロック役の田中さん、渋くて良かった。ネリッサ役の鈴木さん、洗足学園音楽大学ミュージカルコース シアトリカル・リーディング『真夏の夜の夢』6月19日13時の回のパック役は鈴木さんだったのかな?

一つの型を持つ稲葉組、そこに居る「ヴェニスの商人」だった。

隔たる

隔たる

JACROW

新宿シアタートップス(東京都)

2026/08/06 (木) ~ 2026/08/12 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/12 (水) 14:30

JACROW『隔たる』

初めてのJACROW。これまで経済/企業物の上演を他の劇団で拝見して、企業に勤めていた者からすると、あちこち、時には大きく企業の現実とかけ離れていて観ていて辟易していたこと、政治は、現実の政治にあきれていて、演劇でことさら見ようと思わないこと、もちろんJACROWが上演する作品は見る価値があるのだと思っていたけど、ということでこれまでJACROWを拝見していなかった。いつまでもそうは言ってられず、今回は企業/政治が題材でないので予定に入れた。

ホームページの一面に「上演時間は 122分を予定しております」(劇場に来たら125分になっていた)とある。この 122分を予定しておられるという拘り。拝見してその拘りに納得。
永山則夫死刑囚と文通を経て獄中結婚する女性、永山の弁護士、そして被害者家族を描いた作品。永山事件は中学1、2年の頃の事件でそこを覚えている訳ではない。その後の報道で記憶しているのだと思う。

19歳の時、4人を拳銃で短期間に殺害。その生い立ちは悲惨で、困窮家庭/養育放棄/虐待/児童労働/教育・愛情・人間関係の欠如と壮絶な少年時代の、平凡な在り方とですら隔てられた劣悪な環境が犯行の根底にある。その辺りの背景を上手く劇中に埋め込み展開させる。密度が濃いけど、舞台美術がテンポを産み出し、125分、舞台から数秒たりとて気を逸らすことがなかった。脚本が持つ力が素晴らしい。

JACROWの(敬称略)、宮越麻里杏、小平伸一郎、福田真夕、狩野和馬、芦原健介、佐藤貴也、中野英樹、水野あや達の客演の方達、皆さんの演技が凄まじい。宮越麻里杏さんと福田真夕さんの演技が目に焼き付いた。

割り当てられた指定席が最前列ど真ん中、舞台美術に特徴があったので演者が舞台の最前で演じることが多かった。演者の目零れ落ちる涙、熱が籠り飛び散る唾を目にし、熱を帯びる本作を身に浴びた。

様々な問題を問い掛ける作品で、感情に訴える場面も多く、周りの皆さんも久し振りにハンカチを取り出した。

また推しの劇団が一つ増えた。

ラブイデオロギーは突然に〈劇場版〉

ラブイデオロギーは突然に〈劇場版〉

劇団だるめしあん

座・高円寺1(東京都)

2026/08/07 (金) ~ 2026/08/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/08 (土) 15:00

劇団だるめしあん『ラブイデオロギーは突然に<劇場版> 』甘組回 作/演出 坂本鈴さん @座・高円寺1
8月8日に吉祥寺シアターでの木ノ下歌舞伎『心中天の網島 アクセシビリティ版』とのはしごで拝見。この日は幸せのはしごでした!

感想第1弾
観てきた!
とりあえず三言!
全人類見るべし!
2年前のアトリエ春風舎から座・高円寺1に場を移してパワーアップ!
超絶素晴らしかったぜ!

改めての感想
2年前のアトリエ春風舎での初演を拝見して、その年のベストに挙げた作品。今年もベスト入り確定!
90分で演者が6人だったのが、120分で9人に。増えた演者が何を担うのか、ネタばれになるから話せないけど話したいよ 笑。劇場に入ると、おっ!アトリエ春風舎と違って横への拡がりがある舞台美術が目に入る。座・高円寺1が活かされていた。
上演は予想を遥かに超えた。アトリエ春風舎で拝見した上演作品が頭にあるが、前述の舞台美術と増えた出演者の受け持つ役割が活きている。桜子を演じる陽向さと子さんはあざとさをしっかりと、かつ美麗に醸し出し、田実陽子さんと小泉まきさんは物語の根幹部分をしっかり担い、増えた演者にその部分は全面的に委ねるのかと思っていたけど、さにあらずの新システムが採用され、小林桃香さんと榊原あみさんと重なったり、2人は新しい部分の役割をしっかりと請け負う。そこも大いに機能していた。
男性パートもダンス パートも担いながらしっかりと女性パートの起点となっていた。最後の世界のフニャフニャのシーンはアトリエ春風舎の方が受け取りやすかったかと思うのだけど、ちょっと自信が無い。そこまでの記憶がある訳ではないけど、大きく動かされるものが在った様に思う。勘違いかも知れないけど....。
物語の根幹を成す、これまでの男社会への痛烈な批判の部分については、↓↓↓初演の感想を転記します。

2年前にアトリエ春風舎で拝見した時の感想です。
『ガチゲキ!!復活前年祭』劇団だるめしあん『ラブイデオロギーは突然に』ネタバレ編 もう一度観たくなって2回目
以下題名とは関係無くネタばれを含みます(1回目の感想と重複あり)
見事な構成、展開に脱帽。 異世界転生/タイムスリップし高校生になってしまった中年女性二人が、20年前での塾講師の女性の高校生達へのセクシャルハラスメントや家庭内暴力に対し、現在のハラスメントの尺度をあてはめ、先生/お父さん!それはいけないんだよと、過去のモラルレベルの教師/父親に、問題点を指摘し、20年経っても過去と左程変わってない今のレベルや、当時は問題とすら思っていなかったことを無理なく浮き上がらせる。その構成/設定が見事だった。話の展開もしっかり組み込まれていてグイグイと引き摺り込まれる
異世界に来て制服姿の高校生となっているけど、中年女性二人の意識はそのまま残っていて、そこには無理なく見れるのだけど、この二人の女性高校生を演じる小泉まきさんと田実陽子さんが良いんです。そしてもうお一人、見ている観客がこそばゆくなってしまう、でも、そこを突き抜ける演技で、大人がヒロインの女性の高校生を演じ切っている陽向さとこさんの、例えば腕を 45度下に真っ直ぐ下げ、手首で折り返し、手のひらを床に水平にするキャピキャビした仕草や、その姿勢でくるくるッと回る姿を含む(←言語化は無理なのでみんな見てくれ!)(許可をいただき、映像をお借りしました!3枚目の仕草の映像)、キラキラっとした女子を演じる演技が突き抜けていて、小気味良く、素晴らしかった。不良男性高校生を演じた勝沼 優さんもキラキラした不良が正味の不良で、気恥かしくなった(笑)
高校/高校生と言えば、リアルな高校生の演劇の全国大会で、8月1日に上演された都立千早高校の『ちんぷんかんぷんぷん』で、部員の体験をオムニバス形式で上演したのだけど、兄が布団に入ってくることに笑いが起こる客席という状況であったことがあったけど、20年経って意識の在り方は当時と変わっていない
で、本題に戻ります、大傑作です!作/演出 坂本 鈴 劇団だるめしあん『ラブイデオロギーは突然に』ブラボー!

出発

出発

ドナルカ・パッカーン

テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)

2026/07/30 (木) ~ 2026/08/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/08/02 (日) 13:00

ドナルカ・パッカーン つかこうへい『出発』
演出 濱吉 清太朗
ドラマトゥルク 川口 典成
出演 キム セイル/布施 安寿香/丸林 孝太郎/金井 由妃/長谷川 光/髙山 春夫

いやー良かった!今年のベストに入れる。今年前半のベストと比べても出色だった。演出の濱吉清太朗氏 若干25歳。いや、歳は関係ないか。

濱吉清太朗さんの演出は主宰されている紙魚での『I Do! I Do!』『ハムレット』で感心させられた。川口典成さんのドナルカ・パッカーンでの つかこうへいの『出発』の演出を、いつもの様に自らなさらず、川口さんはドラマトゥルクとして本作に関わられ、演出を濱吉さんに委ねられたこと、何故彼を選んだのか、至極慧眼だと思う、少し驚いた。が、 濱吉の自らのユニットの演出が素晴らしかったので、納得はしていた。川口さんご自身のネットワークのどこで濱吉さんとの繋がっておられたのかについては知らないが(後で伺った)、ここでも素晴らしい演出だった。

作者のつかこうへいのことはほぼ知らない。何作品か、主に高校生の皆さんが上演したのを拝見しているに留まる。なので彼への拘りはなく、作風のことを語れる程ではない。

家長制を表しているのか父の象徴としてだろうか、パイプ椅子が 1脚吊るされている。その下で、昭和前半の古い日本家庭の日常を 5人の俳優が、パイブ椅子を使いながら、母、長男、嫁、弟、義父の特性/異質さを、極端に浮び上がらせる様に演じ、キム セイルさんが登場すると、特異がそれらの日常/異質さをも飲み込んでしまう。その意味でキム セイルさんの起用が効いている。元の戯曲の意図からは少し離れていたのかも知れないが。

トータルでは戯曲の持ち味をかなり引き出している演出ではないかと思った。戯曲自身を知らず、他の上演を知らないので類推でしかないが。

布施 安寿香さんご自身にとっては普段の spacでの演技と何ら違わないのではないかと思うが、spacではない場で拝見出来、それも異質さを背負う演技で我々にはことさら馳走であった。

丸林 孝太郎さん、金井 由妃さん、長谷川 光さん、そして言わずもがなの髙山 春夫さん、皆さんが、メ・リ・ハ・リとしていて、大変良かった!

『あわせて』

『あわせて』

ゆうめい

ユーロライブ(東京都)

2026/07/24 (金) ~ 2026/07/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/07/25 (土) 14:00

ゆうめい音楽劇ツアー公演『あわせて』東京公演
作/演出/美術 ☞ 池田 亮
出演 ☞ 宮崎吐夢/村山 新
音楽 ☞ 小西力矢
映像 ☞ りょこ

「あわせて」って題名、何のことかなと思い巡らせていた。拝見すると色々なあわせるを合わせて、「あわせて」なのだった。

あのコマーシャル、いつから、どの地域で流されていたのだろうかということが大きな意味を持っていそうで、でも、あの手を合わせること、池田 亮がそれだけで済ませるはずはなく、ということを思いながら観ていた。

おかしくて、でも悲しいライトな音楽劇だった。 その音楽の小西力矢の曲たちが良い。映像/字幕、これは目線に入ってしまうというと語弊があるのだけど、2列目から見上げる舞台、演技の後ろに映像/字幕があり、読んでしまうのだった。いや、あのアイデアも良かった。
ゆうめいは上演だけでなくて、トータルでの評価が高い劇団、今回もそのすべてのバランスが尊かった。ただ、吐夢さん、あれはどうだったのだろう、台詞が、後ろに字幕があってということもあるのだけど、台詞が引っ掛かる時があって、少し挙動が安定しておられなかったのだけど、あれは意図してのことだったのだろうか。まあ、軽度ではあったのだけど。

舞台美術はいつものトーンだけど、奥行きの無いユーロライブのスペースに合わせて、このポスターに写っているウォーターゲーム、これは学校の椅子の様ですね。椅子と学習机。と、取っ掛かりは中学の頃から始まる物語。物語は池田さんの過去、悲惨であったことが背景にあり、これまでの上演作品と重なる部分が。

爺的には、漫画とアニメという知らない世界が一つのベースだったのでそこは追い着けず、わからない部分が多かった。皆さんはそこに反応していた。

帰結となる相対するお二人の最後のシーン、良かった。その一人の村山新さん、登場されて隻脚であられることに少し驚いた。宮崎吐夢さんと村山新さんの二人での上演だということで、あの高さのある舞台美術への登り降りをこなされるハンディキャップの無い方と勝手に認識していたので、驚いた。しかしそれを物語の要素として取り入れ、なんの不都合もなく、それは当たり前ではなのだろうが、演技をなさっていて、驚きでしかなかった。驚くべきではなかったのかも知れないが。

巨体

巨体

ムニ

アトリエ春風舎(東京都)

2026/07/23 (木) ~ 2026/07/27 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/07/26 (日) 14:00

ムニ『巨体』

1回目作/演出の宮崎玲奈さん、これまでの作品と土台造りから違うなと思った南風盛もえさん/藤家矢麻刀さん/黒澤多生さん、良くこの台詞を覚えられたな。空間設計が渡辺瑞帆とあるけど、巨体のデザインが渡辺瑞帆さんと言うことかな、流石だ。照明デザインが黒猿の方なのか、良い照明だと思った。

2回目の感想言葉たちに集中していると語呂合わせ的な言葉の羅列や俳句的な言葉たちに飲み込まれる。演者達の熱量を伴う台詞の発語、身体、演技は、呪文を身体に入れる苦労に頭を過られられながら魅入る。キヨス ヨネスクさんの投稿の「もっと広い空間での上演が観たくなった」とのコメント、確かにアトリエ春風舎の天井に固定されているフレームに演者は触れている。しかしこの巨体を大きな舞台に置くと、今度は巨体ではなくなるかも知れないなと。あの箱に目一杯という状態での上演がバランスしていた様にも思う。アパートの部屋の中にぎゅうぎゅうのイメージ的な。アトリエ春風舎のあと、京都での公演とのこと。あの部屋を出たことがない巨体が京都の舞台にどう現れるのか? その前にアトリエ春風舎をあの巨体は出ることが出来るのか 笑?

あきらめて明日

あきらめて明日

青春事情

新宿眼科画廊(東京都)

2026/07/17 (金) ~ 2026/07/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/07/21 (火)

青春事情『あきらめて明日』
廣木葵さんが出演される、初めましての青春事情を拝見。

ところどころ無理があるところは目を瞑ってと言うか、気にすること/暇なく、2つの突拍子のない設定が不思議としっくりと交わり、しっかりおかしさ/面白みになり次々に押し寄せて来た。それぞれの演技に説得力があったのもしっかり効いている。

なるほど、そう来るかという最後のシーンも突き放され方が良くて好きだった。題名は見終わった後になるほどと思わせられる題名だな。

そして、改めてこの公演のフライヤーを見ると、バイト先のオレンジのポロシャツのユニフォームの胸にあった T-Martのロゴ、そのロゴの看板を掲げたコンビニエンスストア。その上空に未確認飛行物体の姿が。なるほどそういうことだったのだ!

上演中、後藤飛鳥さんが演じるかぐや姫?の破壊力が凄まじかった。そのベースは作/演出の大野ユウジさんの戯曲に拠るのだけど、それを体現する後藤さんを含む 8人の演者が凄かった。

全体で見ると、廣木葵さんの演技、この上演では、面白パートを受け持つ 6人と、真ん中に居るけれど、面白さを分担していた青年役の小林卓斗さんを含める 7人と、そのカウンター パートとしてシリアスさを纏い、全体のバランスをしっかり取っておられた。面白くないサイド担当としてしっかりそちらへ引き摺り込んでおられた。

青年事情、新しい推し劇団がまた一つ増えた。

パール食堂のマリア

パール食堂のマリア

青☆組

吉祥寺シアター(東京都)

2026/07/17 (金) ~ 2026/07/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/07/20 (月)

青☆組が劇団化5周年の企画第1弾として再演した2016年11月の『パール食堂のマリア』を拝見している。15周年の今年、再び拝見出来た。

後半はずっと涙が止まらなかった。えっ、10年前にこんなに泣いたかな。それぞれ、いくつものシーンに泣かされた。悲しい思い、辛い気持ち、我々みんなが抱え持つ思いが重なり響いて来て堪らない。

1955(昭和30)年生まれ。この舞台が描いた頃は高校生だった。あいのこの光治とミッキー、そうか、占領が終わってと言うことなら我々の世代って、駐在していた米兵とのハーフとそれほど変わらない年代、戦後の最後の滴の世代なんだなと改めて気付かされた。

見ていて、こんなシーンあったなよりも、こんなシーンあったかなの方が多かった。終演後外で久し振りにお会いした方と、その話をした。10年前だから。

青☆組の皆さんはもう鉄壁、福寿奈央さんの迫力/凄味が。再演の時には劇団員ではなかった蓑輪みきさんも重任を果たしておられたし。小瀧万梨子さんが演じるストリッパーのユリと代田正彦さんが演じる内縁の夫のバランスが良い。「遠藤さんって言うんだ」のエスムラルダさんのおかまバーのママ、素で登場されるシーンも素晴らしかった。土屋杏文さんが演じる高校教師 史子の真摯さがストレートで、その教え子役の百武宏洋さんも良い味出しておられた。もう松本紀保さんは言わずもがな。

とにかく吟味され丁寧に創られた上演だった。

舞台美術のあれはなんて言うのだろうか、白い折り込みのあるぽんぼりの様な物、かなり高い位置にも配されていた。あれは、吉祥寺シアターの高さのある舞台で横浜の街の高低、向こうに見える高い丘を表しているのだろうかと眺めていた。

おいしいディストピアの作り方

おいしいディストピアの作り方

MEMELT

すみだパークシアター倉(東京都)

2026/07/08 (水) ~ 2026/07/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/07/10 (金) 13:30

MEMELT『おいしいディストピアの作り方』

先ず、10分程上演開始が遅れたけど、そのことについてのアナウンスがなかった。開演が遅れることに触れるべきだと思った。

皆さんの熱量が半端ない上演作品だった。
衣装が良い。映像の組み込み方が良い。照明の捌き方が作品とマッチしていて良い。舞台美術のアイデア、それを実現させているのが良く、上演への組み込み方が良い。鳥船氏がその舞台美術の真ん中の捌け口のフレームの横棒の高さよりも身長が高く、そのすぐ前でのシーンで後ろを振り向き勢い良くその中に入る時にひょいと頭を下げて捌ける(クリアランス)、その一瞬で稽古量の豊富さを推し量れた。演者の皆さんが良い。

ただ戦争を題材とした作品なので言葉の選び方に配慮が必要だなと思った。若い方達は気にならないと思うが。

近未来、AIが、フライヤーの最初に書かれているのが「近未来、戦争を導いているのは1台のAI家電だった。」とあるので、それにSFブラックコメディーとも書いてあるのに、登場する武器 3丁(米稲田が持つ長いのも含めて/そうか!今、封筒に書かれたキャスト表を見て書き写したが、なるほどのネーミングだな 笑)が近未来的ではなさすぎる。それを言うならあの重要なAI家電も今過ぎるし(まああれが世に登場した時から一緒に居るがその形状は半世紀経ってもまったく変わって無いのも事実だけど)、それに一番大事なパンもそれを言うなら今と同じだ。このあたりをSF的に出来なかったのかなと思う。それと傘達はうーんと思った。

そして、終演手前では不覚にも 笑、涙しそうになった。しかし、ここに書いた諸々に作品に入り込む邪魔をされてしまった。説明台詞がちらちらあったのは仕方ないとするのかな、映像で出来た様に思うけど。

で、ここで封筒を見たら舞台美術はなんと!杉山至さんではないか!失礼しました、そりゃ良いに決まっている 笑。
そして、我等が江益凛さんはなんの役だろうかを見ようと、封筒の中に何枚もチラシが入っているけど、あれ?肝心の当日パンフレットが入ってないぞ!と思ったのでした。やられました 笑。

マクガフィンを待ちながら

マクガフィンを待ちながら

ゴセキカク

水性(東京都)

2026/06/30 (火) ~ 2026/07/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/07/04 (土) 14:00

ゴセキカクは2022年8月に初めて新型コロナウイルスに罹患して第1回目の上演を観逃したので『マクガフィンを待ちながら』が初めて。後関氏は Twitterを通じて深川高校ルートでいつの間にか面識が出来て、高校演劇関係で一番最初にフォローさせてもらった最初の10人の内の一人。彼の出演作は観れる時には観て来ているけど、本人自身の作/演出を拝見するのは初めて。

SF人情物とでも言う仕掛け。大塚さんを演じる奥泉さんとカホを演じる冨岡英香さん、歳はとっているけど身体は若いという設定の中で、意識は歳を取ったままなので周りとはその意識のまま触れ合うという、その難しいだろう(演技をしたことがないのであくまで推察)演技を見事に具現化していた。

5人のキャストのバランスが良く、良い座組だと思った。

71歳なので、この物語は他人ごとと思えなくて、そうか次のおいらが、家族として残るのか?皆、それは嫌じゃないかな 笑。他の観客の皆さんとは違う見方、見え方になってしまった。
それもあってか、ん?金の話が出て来ないな、ん、その設定、倫理面はどうクリアしている前提?でも若いのは何故? ん?彼女もクローン?まだ未成年?承認はどう/誰がするの?それだと人口は増える一方じゃないか?等、疑問が浮かんで来るのは SF物ゆえの困った現象だろう 笑。

遠くから見ていたのに見えない。2

遠くから見ていたのに見えない。2

モモンガ・コンプレックス

吉祥寺シアター(東京都)

2026/06/26 (金) ~ 2026/06/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/06/29 (月) 14:00

モモンガ・コンプレックス『遠くから見ていたのに見えない。2』

祝モモンガ・コンプレックス 20周年!

盲導犬🦮と一緒の盲目の方、未就学児童のみんな、いや赤ん坊もだった。みんな一緒に見れるのが良い!子供の鋭い視線に耐えれる強度を持つモモンガ・コンプレックスだからこそ成せる公演だと思う。

緑が丘

緑が丘

カレーカレーグループ

あさくさ劇亭(東京都)

2026/06/26 (金) ~ 2026/06/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/06/28 (日) 13:00

カレーカレーグループ『緑が丘』(作/演出 鹿内聡)
鹿内氏の戯曲が良くて、拝見しながらこれは 100点以上だな、しっかり感情の細部やその背景まで、日常を背景に描けていて、当て書き的なので、瀧上ねね、服部淳子、山本泰暉、與那城史登、鹿内聡、演者達も達者にそれを受け演じ切っている。幸せとは何気ない日常にという部分に感動すら覚え、本当に文句なしだなと思って油断していたら、そこから急に意味不明の展開が始まり、幸せを揶揄し落して、悶絶し続けた。

細やかな設定でのオムニバス的な展開、かと言ってもったりしておらずアップテンポに物語を展開させるのが見事。

5人の演者が見事だった。作/演の鹿内氏の演技を拝見するのは初めてだと思うけど、何? あの見事なコミカルさ! そんなことも出来るんだ!ちょっと演じて、笑いを堪えているのが見えた気がするけど 笑。

鹿内氏のお姉さまが描かれたフライヤー、なるほど、下にというのはそう言うことなんだ、戯曲の構想段階でここが在ったのだろうかなと思える図柄だな。

この上のない下水筒

この上のない下水筒

コトリ会議

アトリエ春風舎(東京都)

2026/06/12 (金) ~ 2026/06/17 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/06/12 (金) 19:30

コトリ会議『この上のない下水筒』
実際に拝見したのは 6月15日 CoRichのシステムではスケジュールには複数回の記載ができず、1回のみしか掲載できないので、初回拝見した初日ではなく3回目を拝見した感想を書き込ませてもらいます。

3回目でしたが、まだ気付きが結構あって驚いた。それも根幹に関わる部分で。集中して見ているのだけど、濃密で錯綜していて探り切れないことも大きい。
そしてアフタートークの文学座 演出家の稲葉賀恵さんの話に超納得。能を思い浮かべたとおっしゃっておられたのですが、能楽は思い浮かんでなかった。確かに橋掛かりは下手と上手の違いはあるけど、舞台美術がアパートの部屋で、その出入口が橋掛かり的なのでした。なる程、言われてみればそうだ。コトリ会議としては意図はしておられなかったのじゃあないかと思うけど、この話は、幽玄、死と生の境い目が描かれていて、正にそうだなと納得。稲葉さんのコメントは他にもなる程と頷き放しでした。

アフタートークがあることは存じ上げてなく、その意味で期待してのことではなかったけど良かった。

そしてアフタートークに稲葉と面識があるからということでだと思うのだけど、参加された劇団員の原 竹志さんの話から山本正典戯曲/演出の組み立て方の一端が判って、コトリ会議の非公式オブザーバーとして 笑、正に俺得でした。

アフタートークを聞きながら、この戯曲の細やかさ、演技の在り方が、やはりそうだよなと裏付けできた。

上演自体、3回目で気付いたことの思いが落ちて来て泣きました。

女生徒

女生徒

少女東京奇襲

高田馬場ラビネスト(東京都)

2026/06/12 (金) ~ 2026/06/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/06/13 (土) 13:00

少女東京奇襲『女生徒』原作 太宰治

太宰治のことをそれほど知っている訳ではなく小説も読んだことはないと思う。昭和13、4年頃の少女の日記を元に太宰が短編小説に書き直したものらしい。ベースの思考があって、当時の少女の思いと行動を言葉にしている訳だ。それを 8人の俳優が舞台で表現して行く。

衣装、振り付け、演出も良かった。高校生の頃から拝見している寺田華佳さんが出演されるのだけど、団体名と作品名で拝見するのは遠慮しておこうかと考えていたのだけど杞憂だった。寺田さん良かった。

上演は 8人の演者によりしっかりと思春期の少女の思いが写し取られそれを目の当たりにする。母と娘の 90年程前の瞬間の思いにおおと思い、当時の家庭での出来事になるほどと思う。

座った席が演じる方のちょうど目線の先だったので少し困った 笑。

半神

半神

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2026/06/04 (木) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2026/06/06 (土) 13:00

早稲田大学 演劇倶楽部 『半神』主宰/演出/宣伝美術 山口亜希子

野田秀樹の『半神』は観たことがなかった。

素晴らしい上演だった。ポイントを押さえた演出がしっかり効いている。演者達も良い。双子のシュラとマリアとベストを着た老学者/ドクターが特に良かった。選曲も演出の方に伺うと曲はタンゴとのみ指定させているだけで Astor Piazzolla の Libertango を選んだのは彼女とのことだった。センスが良い。

またこの戯曲に天地真理の「ひとりじゃないの 」を選んでこれるのも(あるいはどなたかの知恵なのかも) (教えていただいたのだけど戯曲に指定があるそうだ)。

客席の配置と劇場の使い方、舞台美術、衣装、チラシのセンス、去年の『贋作罪と罰』が素晴らしかったので期待していたけど、そこを超えて行っていた。

原作を知らないのだけど、良い戯曲で、これを選んだのもチャレンジャブルで結果が伴っていたし、これらが組み合わさって、素晴らしかったです!最後は泣かされました。 そうそう、1/2+1/2 = 2/4、そう言うことだったのですね。配役を決める時のハートのトランプもなるほど、そう言うことなんだ、半身と半神もなるほどそう言うことなんだなと。

春

劇団普通

cafe MURIWUI(東京都)

2026/06/03 (水) ~ 2026/06/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/06/05 (金) 14:30

劇団普通『 春 』作/演出 石黒麻衣

うん、これが石黒麻衣ワールドだ。用松 亮さん、安川まりさん、岡部ひろきさんが組み立てる何もなさ、まあ、家族って、離れているお母さんも含めて、還暦が混ざる家族の会話ってこんなもんだなぁって、思わせる巧みさ/匠さに舌を巻く。 用松さん、安川さん、岡部さん、良いわ。

石黒麻衣さんの言葉の重ね具合、間、反復、ほんま好きやわ 笑。あれ、神戸弁になっとうわ。せや、関西弁やったらこれかて漫才やで、この作品やったかて、とふと思った。茨城(いばらき)弁の持てる雰囲気だから良いんだなと。

ちょうど 3年前、三鷹市芸術文化センター 星のホールでの『風景』の時に選んだ席もそうだったのだけど、劇団普通の『春』のカフェムリウイでの最下手の背もたれ席の最前列に座ったら、そこに家族が見ているテレビがある場所だった。皆こちらを見て来る 笑。さすがに少しずらしておられるけど、目線の先に居た 笑。

それと前半の感想を書いた時に気付いていなかったのだけど、これまで拝見したのが、再演も含めて、帰郷/病室/秘密/病室/秘密/風景/写真/水彩画/秘密と漢字2文字での題名以外は『水彩画』だけだったのだけど、今回は一文字の『春』だったんだということで、特異な、題名にそこまでの意味を持たせておられるかは判りませんが、一文字の題名の上演作品でした。

アカデミック・チェインソウズ

アカデミック・チェインソウズ

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2026/05/27 (水) ~ 2026/06/02 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2026/06/01 (月) 14:00

MCR『アカデミック・チェインソウズ』(フライヤーでは ACADEMIC CHAINSAWS と英語表記)
初演を拝見していて、見ていながら、ああ、このシーン! この展開!だと思いながら見ていた。
確認したら初演の時の出演者は 16人、今回が 21人。5人増えている。女子高生は14人だったと思う。5人が女子高役が増えたのか、増えてないのかは判らないのだけど。そして 9人の方が再出演。
そりゃ堀先生は余人で持って代えがたしだけど 笑。いや、カスちゃん、七海もそうなんだけど。

他の方の役名が覚えられないし、それを知りたいし、この細やかな設定と構成、珠玉の台詞達を確認したいと思って戯曲を購入。

で、上演は、見ながら、なんて細やかな意味を持たせた台詞を繋いでいるのだろう、構成、展開も素晴らしいと思って見ていた。

俳優の皆さんの役の個性が素晴らしく、それを体現する皆さんが良い。田中役の田中優笑さん、演技としてあの拗ねて抑えた、でも筋が通った性格を演じておられて、演じておられてしんどくないのかなと思いながら拝見していたら、終演後に居られたので演じられることについてつい質問してしまった。きちんと答えていただいた。意外な答えで少し驚いた。超個性軍団の皆さん、この設定だけでもこの戯曲を書くのは難しいのではと思わせられる。一人一人の素晴らしい演技。そう言えば田中の櫻井、田中の小川、この設定もおかしい 笑。

演劇とは、こういうことなんだ。書いて、演じて、照らして、スモークたいて、音を付けて、前説して、観客を入れて、観客は観て、そうするものなんだという上演だった。素晴らしかった。

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