1
風撃ち
劇団桟敷童子
桟敷童子の芝居は絶対に見逃せない。私の今年ナンバー1はこれ。人間の「生」に骨太にアプローチしていく東ワールドのすばらしさは、読売演劇大賞・優秀演出家賞など多数の受賞からも明らかだが、本当に生の舞台芸術である演劇ファンでよかったと実感できる世界が、今回も、彼ら自らの手で作り上げた舞台での熱演から感じられたからだ。今も、シーンの数々が目に浮かんでくる。
2
八月のラブソング
加藤健一事務所
やっぱりカトケン芝居は文句なく「魅せて」くれる。この二人芝居は、まさに二人芝居のお手本とも言えるようなカトケンと戸田恵子さんの息の合った演技、間合いの素晴らしさに唸らされた。
3
みんな我が子
Artist Company響人
完成度100点満点の舞台芸術の醍醐味を味わえた一作。アーサー・ミラーの戯曲の面白さと深さ、その原作の魅力を引き出す栗原崇の演出の冴え、そして、それを観る側に「生」で表現する出演陣の吸引力溢れる完璧な演技力。その全てが完全にマッチングし、コオペレートして、抜群の完成度となった秀逸さが忘れられない。
4
アルバローザの花嫁
ミュージカルグループMono-Musica
小劇場で至近距離から、こんなに素晴らしいミュージカルが観られるなんて、本当にワンダフル! エクセレント! 魅力的な代表ヤマケイの脚本・演出、橋本かおるの作曲・演奏に確かな歌唱力を持つ出演陣が見事な表現力で応える完成度の高さは、まさにエクセレントに尽きる!
5
地を渡る舟 -1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち-
てがみ座
長田育代さんの戯曲は本当に素晴らしい。おそらく書く前に膨大な勉強をして臨み、手編みのセーターのような温かさと繊細さとテーマへの力強さへと結晶していく。その完成度とセンスの良さが作品を重ねるごとに増していることをファンの一人として本当に嬉しく思う。
6
カルナバリート伯爵の約束 【池袋演劇祭‘優秀賞’受賞】
メガバックスコレクション
2011年1月にも観た再演(一部キャスト変更)だが、和投票は個人的に1団体1作品に限定しているため、その年はメガバも別の作品をアワードに投票したので、改めて作品の素晴らしさを再認識させられた本作を今年、選定。生きることの尊さ、人間だれしも一人では生きられないが故に相手を思いやることの大切さなどが心情豊かに表現され、心から満足感に満たされた至福のひとときを味わわせてもらった一作だ。
7
かっぽれ!〜春〜
green flowers
粋、人情、気風(きっぷ)の良さ……そんな心地よさが全編に溢れ、最後のサービスシーンまで「最高の楽しさ」だった。
8
Blanc ~空白の抱擁~
芸術集団れんこんきすた
主宰・中川朝子さんの表現の豊かさと、洗練され、繊細さと耽美さを併せ持つ奥村千里さんの脚本の素晴らしさが秀逸。本作の完成度の高さには、唸らされた。
9
ファニー・ガール
シンクロ少女
「シンクロ少女」特有の多重する会話による濃厚な「名嘉ワールド」を存分に堪能させてもらった力作。
10
猛烈浪漫狂詩曲
高襟〜HAIKARA〜
観終えた後の満足感と爽快感がたまらないのが。高襟〜HAIKARA〜 の最大の魅力。深見章代さんの「発想の玉手箱」から繰り出される変幻自在な構成とダンスシーンには本当にパワーをもらえる。