MILAD1 THE DANCE OF LIFE
DISK GARAGE
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2022/09/23 (金) ~ 2022/09/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
(2022年MILADに引き続き、2023年MILAD2公演を拝見しましたが、レビューとして、こちらにまとめて掲載希望します)
音楽ライブ・演劇・ダンスの三分野が、二層構造の舞台装置上で、いっぺんに生で展開される迫力や臨場感はある。あと、話の流れのテンポは良く、二部構成・三時間強を飽きさせない魅力はある。
今回の脚本にこめられた大筋や主張はひとまず後で考えることにして、感覚的に各場面・場景単位の演出センスに集中していくと、より楽しめるかもしれない。
音楽以外のものが組み合わせて演じられることについては、従来のファンにとっては賛否両論ある。が、角松敏生という人物らしい舞台作品ではあり、彼が表現したいことを表現している作品だとは感じた。今回の制作経験が、今後、彼の音楽作品に回帰していく場合、それはそれで重層的な膨らみをもった表現として活きたらよいと思う。
私の一ヶ月
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2022/11/02 (水) ~ 2022/11/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★
新国立劇場で「私の一ヶ月」を観劇してきました。
役者さんの演技など表面に出てるものの効果が素晴らしかったから、私の残念な気持ちも強いのかもしれないけれど、この話、脚本の設定の一部に「大学図書館の閉架書庫」「(中途採用の)職員」が出てくる点、誤解を招くセリフや状況があります。
大学図書館の学生アルバイトに対して職員が「時給の発生する休憩」と告げる、導入部の台詞は衝撃的なほど、現実の大学図書館の状況とかけ離れています。
お芝居としてはそれなりに飽きない構成だったけれど、脚本の設定がなってない。
中途採用で、司書資格しか持ってない人が正職員になれるほど甘い業界ではないです。
お芝居としてはたぶん、ほかに良いところもあったし、本の流通に対する問題意識、人間どうしの交流過程、「司書ってもっと評価されていい職業だと思ったんだ」という台詞もあったんだけど、とにかく設定がこれではいろいろ失敗しています。
コロナ禍で停滞して苦境に立たされた演劇界の脚本家が、大学図書館の職員に嫉妬して、わざとねじ曲がった表現をした可能性もあると、残念に思いました。