ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2024/06/22 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了
ピテカントロプス・エレクトス
劇団あはひ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/05/24 (金) ~ 2024/06/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
台詞の言い方を制御するタイプの劇団だが、序盤はただただ単調であり、客席の入眠率も高かった。コンセプトや形式が特徴的なのかもしれないが、ただの戦略ではなく、芝居の面白さに結びついていると感じさせてほしかった。
ところどころドキリとはさせられる。客のことを丁寧に想定していないのか、続きを見せたくする仕掛けが薄く、こと主張に関しては過剰な説明台詞に聞こえた。
一方で進化は感じた。同時に、ゆえにこれでいいのかという疑問も涌き出た。
この世界の片隅に
東宝
日生劇場(東京都)
2024/05/09 (木) ~ 2024/05/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
大原櫻子さんの回を観劇
ミュージカルシーン中のアンサンブルのモーションが上手い。大戦中の日本が舞台であり、和のテイストがある曲にも関心した。動きは輸入の動きであったため、新たな表現にはたどり着いていない。
構成は分かりにくく脚本家の力量が足りていない。多くの場面や人を感動的な思い出として描こうとしており、シーンが物切れかつ、会話の積み重ねではなく印象的な台詞に頼った流し方をしている。最後まで見ると理解できるが、時系列や起こったことの意味が分かりにくい60分くらい進むのは、原作を知っている前提ということだろうか。実際に2曲目から客席に泣き声があり、ほかの媒体で筋を知っていれば感動作なのかもしれない。
演出、脚本に一貫性がなく舞台として十分に成立していない。
未来少年コナン
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2024/05/28 (火) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
役者のファンイベントとしてなら大成功なのだが…
脚本が相当ひどい。むろん原作が悪いわけでない。アニメならではの場面の多さを処理しきれておらず、客が舞台上に起こされる場所が何かを把握できないまま進むことも多々。気づいたら人物がはぐれたり、合流していたりする。
その場でことを起こさずに、後出しの説明台詞で明かされることもしばしば。その説明台詞すら流れが飛び飛びのため、え、今その話題に遡って泣き出すの?となるにまで至る。
全体として、エンタメではなく、アートよりの作風で、コンテンポラリーダンスを多用している。効いているところもあるし、動きだけで笑わせる妙もあるが、全ての場面を美しくしようとする余り冗長になっているのは否めない。
よかったのはどんな場面にもおかしみがあるところ。人物たちに好感は持てる。一方で、対立や葛藤が唐突に遮断されるため感情移入の余地はない。
コナンの超常的な動きをセットやアンサンブル、仕掛けを駆使して無理なく成立させている。および、各場面のシーンメイクに対応する装置も上手い。役者の体も概ね対応している。一方で手数のかけ方が均されているため、思いきった取捨選択をして、何か1場面でも想像を超えるものがないと客は感動しないのではないか。
最初の二十面相
劇団身体ゲンゴロウ
北千住BUoY(東京都)
2024/05/23 (木) ~ 2024/05/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とてもよい上演だった
広く楽しめる芝居でありながら、闘争や新興宗教の興亡へ現在の立場から明確なアンサーを行う。おそらく?直接的な台詞は出さず、上記の問題を関心がある客には導けるようにコードを忍ばせていく誘導が老獪。人を選ばずそれぞれに楽しみ方を与える仕上がりになっている。
特徴である音照を含めたシーンメイクが効果的に発揮され、転換に粗がないのも好感。役者も劇構造を伝えるだけでない、体のメリハリとテンポに引き込まれる。各々が役にはまっている。
歴史の本筋から外れた人を掬いあげる作風は、集団の終焉と逃げ出した人物のその後をむしろ客観的に突き放して見せることで研ぎ澄まされた。華々しく死なずにその後も生きていかなければならなかった人の強さと弱さを、爆発する動作と一言の台詞に絞り、有無を言わさぬ迫力で生きることの本質を突きつける。
急速に化けている団体である。
世界ギュルルン滞在記
FREE(S)
ウッディシアター中目黒(東京都)
2024/05/15 (水) ~ 2024/06/02 (日)公演終了
実演鑑賞
面白かった
弾けた演技で客を楽しませつつ、盛り上がる展開をしっかりといれてくる。
役者も楽しんで演じているのだろう、客がそのよい雰囲気を感じられることで、成立している部分も大きいのではないか
ややベタとも言えるが、どんでん返しはワクワクするもの。
一度のみではない。飽きずに興味をひいたままたたみかける。
テーマに関してメッセージの鋭さが切れているわけではないが、バランスよく風刺が聞いているところに安定感もある
客が楽しめる範囲をわかって、そこをはみ出さない
ドキュメンタリー番組を舞台に起こすうえで
セットも本をしっかりとささえている。引き込まれる作りである
風と共に去りめ
かーんず企画
シアター711(東京都)
2024/05/02 (木) ~ 2024/05/05 (日)公演終了
なかなか失われない30年
Aga-risk Entertainment
新宿シアタートップス(東京都)
2024/04/27 (土) ~ 2024/05/06 (月)公演終了
実演鑑賞
始めてみたが、設定やその着地が巧みだった
4つの時代が一部屋でまじりあう、と書くとそんなことは可能なのか?となるが、気持ちよく成立している
ぜひ次の作品もみてみたい
カラカラ天気と五人の紳士
シス・カンパニー
シアタートラム(東京都)
2024/04/06 (土) ~ 2024/04/26 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
別役戯曲の上演は、養成所を始めレパートリーとしている団体のものでしか見てこなかった
不条理としてだけでなく、シンプルに面白い芝居としてこの規模で成立させた手腕が見事
演出家の腕、装置の新しさ(多くの上演に見られるようなただの電信柱ではない)、役者の質など多くの要素が総合的に成功している
特に装置は面白い
喜劇では冒頭に笑いが早くほしいところであろうが、安易にそこに着地させなかったことによって、戯曲の魅力が引き出されているのではないか。キャスティングもはまっており、役の面白さを体現していた。雰囲気の代わり具合もメリハリとして効いている
天の秤
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2024/03/29 (金) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
未投稿分を遅ればせながら
楽園という空間を徹底的にいかしきり、場内アナウンスから始まり衣装、照明などのスタッフワーク全てを含めて没入させる作りだった
再現ドラマなども時々あるなかで、生で事が起こる演劇の強みを、大きく実感した
ナマリの銅像
劇団身体ゲンゴロウ
新宿スターフィールド(東京都)
2024/03/27 (水) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
思い切りのよい構成とスタッフワークで、一揆を思春期の人間ドラマという手に取れる形に描ききり、それぞれの人物の思惑を演じきったのが再演の見事な点だ。若さに対してストレートな芝居ができる珍しい団体であり、より大きな劇場での活躍が期待できそう
見よ、飛行機の高く飛べるを
ことのはbox
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2024/03/28 (木) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初めて見たが名作という意見にも納得
筋、演技、そして舞台に流れる雰囲気作りが巧みであり、後半の展開には目が離せなかった
今後もぜひ見てみたいと思っている
新ハムレット
早坂彩 トレモロ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/03/22 (金) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
かむやらい
カムカムミニキーナ
座・高円寺1(東京都)
2024/02/01 (木) ~ 2024/02/11 (日)公演終了
十二月八日
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2023/12/14 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了
オプティーマへようこそ!
A.R.P
シアター・アルファ東京(東京都)
2024/01/24 (水) ~ 2024/01/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
王道エンタメだが、目を離さず楽しんで見させる力量が素敵だと思う
自己満足かと思うような作品も多い演劇界隈のなかで、応援したいと思わせてくれる
楽しい時間でした
咎人の刻印
High-position
紀伊國屋ホール(東京都)
2024/01/18 (木) ~ 2024/01/28 (日)公演終了
パートタイマー・秋子【石川公演中止】
ニ兎社
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2024/01/12 (金) ~ 2024/02/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
永井作品のエッセンスが存分に出た名作
気になる箇所もあったものの
久しぶりに見られてよかったと思う
誰でも楽しめるちょうどいいスパイスとしての社会風刺がひかっている
Ms. YAMA-INU
劇団鹿殺し
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2024/01/12 (金) ~ 2024/01/15 (月)公演終了
壽 初春大歌舞伎
松竹
歌舞伎座(東京都)
2024/01/02 (火) ~ 2024/01/27 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
荒川十太夫
西森英行演出第二弾
有名な演目を爽やかに仕立て上げた。
歌舞伎では珍しい切れ味の良い照明で回想を表す着想が良い。
盆舞台の使い方も巧みだ。3面の盆のため、幕切れに向かって取調の場から寺に回す間に、茶屋を経由しなくてはならない。ボロけさせていた茶屋に赤い布を敷いて繁盛したことを表し、寺では植物が咲いてうぐいすが鳴くことで、多幸感を作り出している