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はこぶね
劇団おおたけ産業
今回は凄い。ダウナーな話ながらギリギリのリアルな繊細さ。「迫害ですか?!」
もう一度観たいが千秋楽だったのが悔やまれる。今年面白かった演劇ランキングトップレベル
キャストも少なくないのに芝居全体の雰囲気を全員壊すことなく上手く出来上がっていると思う
冒頭宗教の円陣と勧誘シーンから始まり「あ~今回はそっちに寄せて来たかー」と少し穿った見方を始めてしまった。もっさりとした緩い世界で、でも世界は破滅するらしく、神の声が聴こえる太郎くんの寝癖とパジャマが最高で、藤原さんは当たり役だった。
お姉ちゃんは雑でいながらにして、とっても弟想いで、でも雑な感じがまたいい。地味に可愛らしい。
ある意味神を越える存在。彼女の「面白半分で皆を集めてみた」というのも愛だし。でもそこは母でなく姉で、微妙な距離感がまた面白いし、リアルに描き出せていたと思う。
高畑勲監督の平成狸合戦ぽんぽこの後半の面白さを「組織が崩壊していく様をリアルに描いた」との評があるが、今回このはこぶねという作品を観ながら思い出した。
はこぶねに乗っているのは太郎なのか。あるいは太郎と姉なのか。あるいは太郎と信者なのか。
太郎が結局世界の終わりとか言いながらしょーもない恋愛にほだされるのもとても良い。
メシア、ガーディアンと言い始めたメガネちゃんが信じるものを欲しがっているリアルさ。メシアの肉親に食って掛かる上に友人をサタン扱いする様は絶品でここら辺でこの台本が何をやりたいのかやっと見えてくる気がする。
友達が逮捕され勤め先も失った姉がまたあっけらかんとしてる感じもとても良い。揚げる前の春巻きの具だけ友達達に渡すの声をあげて笑ってしまった。
太郎くんがゲーム三昧の人生に戻ったのか戻りかけたのかもいとをかし
「グルは印象悪いかな」「心のストレッチ」「ヨガが元に」とかで某破防法適用団体に直結していとをかし