サラマンドラの虹
Jungle Bell Theater
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/09/02 (水) ~ 2009/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
地球を半周する歴史ロマン
マヤもアステカもそんなに古代じゃないよというツッコミがど〜でもよくなるくらい、歴史ドラマと人間ドラマにあふれた大傑作です。何度目頭が熱くなったことかわかりません。ステージ上にはひとつの大きな背景があるだけで、小道具も最小限なのに、日本の海沿いの村から、実業家のオフィス、メキシコのどこかにある遺跡や人身御供の儀式まで----距離で言うと地球半周、時間で言うと数百年----を違和感なく表していた表現力に感服。映画で言うと『インディー・ジョーンズ』か『ダ・ヴィンチ・コード』級の面白さでした。
オレたちの高校白書
劇団プレステージ
千本桜ホール(東京都)
2009/09/02 (水) ~ 2009/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
若いっていいね
ご都合主義と無理矢理のどんでん返しの多発する筋を笑いとフレッシュさでごまかしながら進めちゃうという設定で、いい加減なようで実はよく練られている作品でした。
客席で目立ってたのはオバチャンと高校生くらいの男女で、私の回りは(たまたまそうだったのかれないけど)劇団員のお母様と主婦友達、劇団員の後輩とそのお友達と思しき人。しかし、会場がぎゅーぎゅーの満員状態だったことからすると、身内以外にも着実にファンの輪は広がって来ていそうです。アミューズの若手の集団だそうですが、場数踏んで修行を積んで、そのうち大会場やTVでよく見る顔に出世してもらいたい。応援継続決定です。
アイドル~失われたキミを求めて~
劇団スパイスガーデン
ザ・ポケット(東京都)
2009/09/01 (火) ~ 2009/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
最後は客席参加型
こんな奴いね〜よっていう部分と、こういうのはあるかもという部分がいい具合にミックスされて、売れないアイドルの悲哀と努力と希望を明るく楽しくおバカに表現した作品でした。タイフーンの曲が、ラブナレッジの曲(パフュームのパロディ)くらい凝ってたらもっと良かったと思います。それから、入る時に配ってたペンライトは、黄色だけでなく、赤とか青とか白とか色とりどりだと、もっとアイドルのコンサートっぽい雰囲気が出ます。これから見に行く人は手持ちのペンライト(ハート型とか)を持参して、コンサートのシーンで応援するのもいいかも。
先輩かっけーっす!!
劇団コラソン
シアター711(東京都)
2009/08/28 (金) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
肉体派
体育会系の人が演劇をやるとこうなるのかという、超エネルギッシュで大迫力のステージでした。レスラー役の2人はシロウトの体つきじゃないです。あの体格は十分に武器。いろんな場所で暴れまくって欲しいです。劇団のHPもプロレスの団体っぽい。今度はプロレスヲタの友人を連れて行きます。
L・I・V・E vol.3
エムキチビート
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2009/08/28 (金) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
最初から最後まで
開場直後から団員総出で面白おかしくグッズ販売。演目が始まる前にプレトーク。本番は当然、全力投球。終演後は抽選で当たったラッキーなファンと写真撮影。劇場に一歩入った時から外に出る最後の最後の瞬間まで、とことん楽しませようというやる気が爆発していました。既に固定ファンが多数いて、説明にあるような人事交流の真っ最中ということで、初心者がポッと行って大丈夫かどうか不安でしたが、杞憂に終わりました。元SHAZNAのNIYが出ていてビックリ!
クジラ要塞
地球割project
シェルミッシュスタジオ(東京都)
2009/08/26 (水) ~ 2009/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
創意工夫が作った亜空間
会場は特に演劇用の舞台や照明、音響設備は殆ど皆無のようです。天井の低い狭い会場にもかかわらず、セットを工夫して立体感と奥行きを出し、BGMやSEを流せないから役者が全員で不協和音のコーラスをかなでたり、床を踏み鳴らしたり...。説明に書いてある「照明、音響、空間演出のすべてを担うは役者の皮フ」というのは本当です。特に日本とか江戸時代とかに限定されない、世界中の人類の歴史全体にも当てはまる普遍性のあるテーマもグーでした。
【終幕】暗ポップ 【劇団員募集中】
空間ゼリー
赤坂RED/THEATER(東京都)
2009/08/26 (水) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
リバーシブル
非常に考えさせられる作品でした。登場人物全員がほどよく正常で、ほどよく異常で、性格がいいところもあれば、悪いところもある、よく気がつくところもあれば、KYでもある。この程度なら回りにいるかいないかのギリギリの線という現実の世界と近いところが、緊迫感を醸し出していました。
ロマネスク
リクウズルーム
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2009/08/21 (金) ~ 2009/08/23 (日)公演終了
満足度★★★
キーワードのマシンガン
チラシや劇団ブログに載ってる「徹子の部屋...」という文のさらに上をいくサイケ度のセリフが1時間半以上続き、最初から最後まで私の頭の中には大きな「?」がありました。テーマが「死」だったってことは、帰宅後に劇団の主宰・佐々木透のインタビューを http://kawasaki-ac.jp/th/cs/reqoo/interview/ を読んで初めて知りましたが、そう言われればそれらしき場面が確かにあったぞ。コンテクストを無視しながらたくさんの言葉が飛び交いましたが、なぜか今の言葉は少なく、ひと昔かふた昔前のキーワードばかり。どうやら佐々木氏が多感な頃に耳にした言葉のようです。
一応若葉マークに×をつけておきましたが、もし私が初めてお芝居を見るとしたら、もっとハードルの低い作品がいいなあということであって、ここの常連さんには何の意味もありません。
bambino.3 &+ ~バンビーノ・トゥレ・アンド・プラス~
K Dash Stage
シアターサンモール(東京都)
2009/08/19 (水) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
里帰り
新宿二丁目の男が男を買いに来るバーの話ですが、出演してるのが将来のある若手ゆえ(かどうかは知らないけど)かなり消毒されてます。設定が設定だけにあまりにリアリティを追及されてしまうと目のやり場に困りそう。このくらいが丁度いいですね。テレビで見たことある人が多数出演。観劇後、駅に向かう際に二丁目のど真ん中を通って、ちょっとだけ余韻を味わいました。
反重力エンピツ
国道五十八号戦線
サンモールスタジオ(東京都)
2009/08/19 (水) ~ 2009/08/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
成れの果て
説明からは全く想像のつかない学生運動の話でした。約40年前の学生運動がノスタルジアと化している今日この頃ですが、そういう世相に対する痛烈な批判を含むものと受け取りました(あくまで個人的な意見です)。性格がひん曲がってる私には小気味良いお芝居。50〜60代の人を誘って見に行くべきでした。
赤ペン瀧川先生のエロメール添削
エロメールスライダーズ
座・高円寺2(東京都)
2009/08/04 (火) ~ 2009/08/04 (火)公演終了
満足度★★★★★
あ〜笑った
いつのまにかシークレットライブのほうもエントリーが出来てたんですね。瀧川先生にネタを提供したくて、面白いものを探してるんですが、なかなかありません。エロメールだけでなく、ブログのエロコメント、エロトラックバックっていうものもありますが、どれも「タダでできてラッキー」とか、ワンパターンなものばっかり。DVD化の次は書籍化してください。
雨の一瞬前(再演)
ユニークポイント
ザ・スズナリ(東京都)
2009/08/14 (金) ~ 2009/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
演劇界は...
年々、巷の人間が好戦的思考になってきてるようですが、反戦主義の最後の砦になりそうなのが演劇界なのではないかと思う今日この頃。劇中に出て来た「先生」の行動が立派とされる時代が来ないことを願っています。戦争を知ってる軍医より知らない先生のほうがタカ派という描き方は、最近の例では9・11以降のブッシュ政権を思い出しました。
刺青/シセイ【ご来場ありがとうございました!!】
劇団印象派
タイニイアリス(東京都)
2009/08/14 (金) ~ 2009/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
怪しいロックな雰囲気
新宿二丁目という日本一あやしい場所のど真ん中にある薄暗い劇場で演じるにはぴったりの狂気の愛。古典的作品を真面目になぞるのかと思ってたところ、全然そうではなくて、ナンセンスなおふざけあり、ダンスありで、超新解釈が施されていました。
遙かなる時空の中で 朧草紙・再演
オデッセー
なかのZERO(東京都)
2009/08/12 (水) ~ 2009/08/16 (日)公演終了
満足度★★★★
ネオ時代劇
知名度はまだ全国区とは言えないまでも、既に熱心なファンを多数抱えている美男美女を多数揃えられるのは、大資本のなせるわざ。この中から何かの拍子に大ブレイクする人がいるかもしれないと思うとワクワク。テレビアニメを見ているようなステージで、殺陣にも芸の細かい工夫が。お芝居が終わった後にはミニライヴもあり、サービスたっぷりな2時間半でした。
ここに線を引く
ガレキの太鼓
シアター711(東京都)
2009/08/07 (金) ~ 2009/08/11 (火)公演終了
満足度★★★★★
リアリズム
田舎の農家を模したセットに使用した木材。数十年は実際に柱や壁として使ってないと、ああいういい具合の色は出ないと思います。どこから見つけて来たんでしょうか?劇場のアットホームな規模と相まって、本当に農家にお邪魔している臨場感を味わうことが出来ました。大雨のシーンも大迫力。
グッバイ・マイ・ダーリン
世田谷シルク
小劇場 楽園(東京都)
2009/08/06 (木) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★
前衛的すぎて
観客にやさしい作品が多すぎるんじゃないか、もっとメチャクチャでわかりにくい、独善的な作品があってもいいんじゃないか、この世界はやっちゃったもん勝ちなんだから、と最近思ってはいたものの、いざ本当にそういう傾向の作品にぶち当たってしまうと、困惑している自分が...。例えば、何かが何かの象徴となっていたりという具合に、作品の中に登場する暗号をデコードすることが出来れば、説明にある「共通点」が見えてくるのではないかと思って、1時間半努力をしてみましたが、殆ど何もわからないままエンディングとなってしまいました。満足度「**」は自分への点数です。
暗黒地帯
鵺的(ぬえてき)
「劇」小劇場(東京都)
2009/08/05 (水) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
そのテイスト、口に苦し
チラシに書いてあったこの言葉は本当でした。客席は見た目40〜50代の観劇のベテランといった感じの人が多かったのも印象的。確かに、勧善懲悪が通用する程、人間もその集合としての家庭や社会(会社)も単純じゃないですよね。善悪は相対化しちゃってるし、勝った側にも負けた側にも、明日という日常が等しくやって来て、人生はまだまだ続いて行くし、この作品のような不幸に自分が巻き込まれないようにただただ祈るばかり。この公演が伝説の旗揚げ公演となるよう、次以降の頑張りにも期待しています。
ばべるの塔の僕とガイジン【ご来場ありがとうございました】
ザ・プレイボーイズ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2009/08/01 (土) ~ 2009/08/05 (水)公演終了
満足度★★★★★
世界平和計画
「ドッキリ大作戦」というチャラいオチがなければ、重苦しい心持ちで帰路についたことでしょう。芸術やエンタテインメントで世界平和を実現出来るかどうかといえば、今のところあまり成功してないと思いますが、演劇界にタカ派が殆ど存在しないのが救いでしょうか。若い頃世界を旅して見聞を豊かにしてきた大家さんが、いいこと言ってたなあ。
ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2009/07/29 (水) ~ 2009/08/04 (火)公演終了
満足度★★★★★
隣だけどかなり殺気が
ゆるいボケや笑い満載なんだけど、何か起きそうな殺気が終始漂ってました。実際のところ、日本を将来を左右するような大事件のあった家の近所ではどうだったんでしょうね?
女性陣が美人揃いで萌え。
ジプシー
ゲキバカ
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/07/11 (土) ~ 2009/07/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
強烈なブスコー
自分の醜い心の中をエグられて、後味の悪さが帰りの電車の中でも消えず、今でも残っています。観劇という娯楽に楽しさ美しさ、そして感動ばかりを期待してしまいがちですが、今日は往復ビンタをくらった気分です。