さの字の観てきた!クチコミ一覧

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最後の旅立ち

最後の旅立ち

IQ5000

笹塚ファクトリー(東京都)

2008/04/09 (水) ~ 2008/04/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

やさしさに泣くとは
いわゆるお涙ちょうだいや、笑いには飽食しているが、やはり客はそれを求めてもいる。泣かせてほしい、笑わせてほしいけど、もうレベル高いですよぉ~そう簡単にはやられませんよぉ~という時代。と、どこかの演出の人が言ってたよな。

パンフレットのあいさつにもあったが、今作品には腹筋善之介の死生観が織り込まれているようだ。
これまで肉体表現はシャープさにこだわっていたようだが、今回はそこにほほえましいやわらかさとやさしさを盛り込み、まるで草原の中で踊るような、今までにない新表現が加わった。それは思うに腹筋善之介の、死がぽかぽかと陽気で明るいものであってほしいという願いを体現したものではなかろうか。このモチーフの繰り返しが、作品全体の重いテーマをやわらげ包み込む。

ところが、この明るさに、やさしさに泣いてしまった。笑顔にやられた。おおらかなあたたかさがどうにも切なく胸をついた。経験したことがない涙。もしかしたら核ではなくて飾りとしての演出なのかもしれないが、これがよく効いている。

もっとも適切な悲しみや切なさの表現は、その対極を演じてなおそれを客に感じさせることだと思い知らされたのは、個人的には野田秀樹の「桜の森の満開の下」以来か。例え、古いか。いや、それほどにむずかしい表現術に果敢に挑戦している。

まどろみ戦士

まどろみ戦士

IQ5000

笹塚ファクトリー(東京都)

2008/04/11 (金) ~ 2008/04/11 (金)公演終了

満足度★★★★

リアル感、増す
2月に公演した「まどろみ戦士」パート1を、追加公演という形で上演したわけだが、さすがに本公演「まどろみ戦士~最後の旅立ち~」興行中の再演という型破りに、2月のときに比べるとスピード感やテンションは落ちた気がした。

が、本当にそうなのか? 役者が疲れていただけか?

いや、そうでなかったのだろう。よく見ると演出に手が加わっていたようだ。
スピードやテンションは、演技する内部へ向けられ、むしろ内的テンションの圧力は前回より高まっていた。
これによってファンタジックなシーンでも、前回はスピィーディーに展開されたのが今回は若干(全体的には早いので若干)落ち着きを見せていたが、各キャラクターの会話など心情の絡み合いは非常に濃くなっている。
また、リアルにその場にいたらこうだろうなという、無理やりな高揚感を押しつけない潔さがあった。

テンポの良さをはずさず、かつリアルであるというのは、最後は演出のバランス感覚だろうが、今回の成功でこの劇団の可能性はさらに広がったのではないだろうか。

なんにせよこの作品は、主人公の妻が主人公を呼ぶ一言にかぎる。その素直で、無防備で、切ない響きには、普遍の感動がある。

まどろみ戦士

まどろみ戦士

IQ5000

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2008/02/01 (金) ~ 2008/02/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

まどろみ戦士~おじいちゃんとおばあちゃん~
次から次へとあらわれるヘンな世界とキャラクターを少人数で好演。一人二役なんてもんじゃない、一人なん役もなん世界もみたいな。これが多次元演劇なんですね。
役者さんの演技力が安定していて、あれだけ動いてしゃべって変化してもぜんぜん安心して見られました。これはすごい。
もう目の前で繰り広げられる世界を楽しむだけでした。
一気にいくつもの世界を駆け抜けて、ラストは感動。腹筋さんワールドに満腹・満足です。

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